いじめの後に巡礼が待っているということ

司島維草

第1話 春のためのパヴァーヌ

「わたしのゆめわぴあにすとになることです」(かみやまなみの卒園アルバムより)



 陽気に照らされた桜が初春の風を受けて静かになびいている庭。奥には河川敷が見え、若くして散った葉桜たちが渓流の上に浮かび静かに流れる。二階建ての屋内からは装飾音を含む音楽が聴こえ、窓際の日向でくつろいでいる猫の耳が動いている。緑の香りが残る聴衆たちが床に体育座りをし、制服姿の少女がアップライトピアノを弾いている。リスト『エステ荘の噴水』が従来の七割ほどのスローテンポで一音一音丁寧に紡ぎ出される。少女の左手首には切り傷の痕が見え、聴衆たちの表情にも奥底に日陰がある。けれども、全員が時間をかけながら切り取られた茎を再び生やそうとしている。日だまりの音楽に導かれるように建物の前には一組の母子の姿がある。門に付けられた木目の表札にはこう刻まれている。〈フリースクール野ばら〉


 一年前――。


 上山鳴美は今日も学校の裏門から一人出て、桜が満開の並木通りが続く校舎の脇道をゆっくりと歩く。初春のまろやかな風が頬を伝い、太陽が木の葉から出入りを繰り返し、木漏れ日が鳴美の顔をリズム良く照らす。校庭の端に建てられた第三音楽室の脇を通ると、花壇には白い蝶々が踊るように舞い、その向こうから低い打音のリズムと、早くて甲高いアルトサックスのメロディが聴こえる。鳴美の時々惹きつけられて立ち止まり、葉桜がついた枝の隙間から窓の中を覗いてしまう。風が吹き、枝が広がるまで、鳴美はそこにいる。

 一枚の葉桜が目の前を降下し、鳴美は誘われるように見上げる。か弱い葉桜たちの小刻みな揺らめきはまるで合唱のようで、鳴美には血も涙も流れない桃源郷を表しているように思える。パッヘルベルの『カノン』がそっと流れ出す。記憶の底から溢れ出す。鳴美は少しだけ俯いてコンクリートの上を歩き始める。今ではローファーでしか音を出すことしかできないことが悲愴であった。

 力ない足取りで進む鳴美の姿は小さくなり、背中は紺色の点となる。音階の聞き分けができる耳に届いていたジャズの古典『テイク・ファイヴ』は途切れる。西から風が吹き、葉桜がクリスマスイブを称える雪のように降り注ぐ。それが舞台の閉幕を担うカーテンの役割を果たす。桃色の粒群が去った後、鳴美のか弱い背中は姿を消していた。第三音楽室から『マイ・フーリッシュ・ハート』が奏でられる。野外の聴衆は白い蝶々しかいない。けれども、まるで舞踏会のような羽ばたきは、見ているだけで蜜の味がしそうなほど優雅であった。

 音楽にはそのような力がある、と鳴美は幼少期から知っていた。鳴美は電車の扉の前に立ち、窓ガラスに映る自身の悲しげな顔と、白い光の粒できらめく海を同時に見ている。車内にはガタンガタン、、ゴトンゴトン、、という規則的なリズムが響いている。それを聴くピアスの穴が一つもないきれいな耳にはイヤホンが挿されていない。その周囲で立っている乗客、座っている乗客を見ても、そのほとんどがスマートフォンを片手でいじりながら何かを聴いている。人々は時間を潰すために目と耳を同時に使うようになった。しかし、鳴美の目は液晶パネルではなく遠くを見ている。

 遠く――。

 地平線、その上の太陽、そして過去――。

 鳴美の右手は電波を飛ばす端末ではなく、左手首を握っている。合皮の時計のベルトを温めるように包んでいる。中指は脈の一定のテンポを感じている。

 私、生きてる。

 鳴美は声に出さず唇を動かして自分に言い聞かせる。太陽光が二重瞼に当たる。鳴美は目を閉じる。視界が白くなり、電車が走る音は消音し、心臓の鼓動が聴こえる。これまで、心臓は本番前にだけ姿を現すものであった。成果が欲しいという欲に比例して心臓はいつもより動いた。失敗した時のことを考えると、呼吸は浅くなり、身体が重くなった。でも、それが嫌ではなかった。

 夢があった。

 思うような成果に満たなくても、自分の努力と存在を確かめることができた。まだ先は長い。そう言い聞かせて夢のパズルのピースを一つはめた。大丈夫、夢は叶う。そんな思いが毎日を楽しいものに彩らせた。いつも気分はプリムローズイエローで染まっていた。向日葵のように上を向き、風は背中から吹き、前進していた。

 あの頃までは――。

 鳴美は右手を左手から外し、右頬を伝うものを拭う。涙目を挟んで見える太陽はリストの『コンソレーション』第三番を想起させる。その朦朧とした光は生の儚さ、人間の脆さを歌っているように思える。何度も聴き、さまざまな演者で聴き、繰り返し弾いた。あの時には見えなかったものが今では見える。当時から名曲だと“思っていた”が今では“分かっている”。

 でも、鳴美には手遅れであった。

 左頬から伝い、唇の脇を通り、下顎で止まった雫を鳴美は左手で拭おうとはしない。結局、右手中指の先でそれを押さえる。『コンソレーション』は脳内で鳴り続け、次第に二年前の自分の姿が思い出される。鳴美はお気に入りの赤いドレスを着て、地元の文化会館の小ホールでこの曲を弾いていた。理想とするボレットの演奏を念頭に置きながら、用意されたピアノの癖やホールの響きを計算し、一音一音、自分の音楽を紡ぎ出していった。両手に十本ある指は鳴美にとって身体の一部というよりパートナーであった。小学生の頃から、ドッジボールや工作で指を痛めないように最大限の注意を払ってきた。爪はいつもやすりをかけて整えていた。

 この日、コンソレーションはリハーサルを含めて一番の出来であった。副交感神経と交感神経が共に活発化し、ハイパフォーマンスを可能とするゾーン状態に入っていた。頭上にある照明から降り注ぐ明かりできらめく黒鍵と白鍵を見て、両手をまるで浜に打ち寄せる白波のように左右に動かしながら十本の指を使い、真っ青な水中に差し込む白い光のような音をグランドピアノで奏でた。

 イケる――。

 確かに当時の鳴美はそう思った。けれども、鳴美の回想は現代を加味して様相が変わり始める。頭上の照明はゆっくりと落ち始め、来場客がポツポツと消え始める。楽譜を見ると左手パートが消えており、下を見ると左手が膝の上に置かれている。鳴美はハッと我に返り、瞼を開き、無意識に止めていた息を取り戻すため過呼吸のように息を急ぐ。鼻から呼吸を繰り返す。落ち着きを取り戻すと開閉ドアのガラスに映る自分を見つめる。表情筋と目元から活力が失われ、重力と精神に抗うことなく下降していく自分を見つめる。

 憐れむ。

 他人ではなく自分を。

 春の太陽を受ける電車は分岐点に差し掛かり右側へ進む。鳴美はバランスを崩し、右手で手すりを思い切り握る。暴力の三叉路によって人生が分岐した鳴美。これからどう生きて良いのか分からないことを今一度思う。音高へ行くはずだった自分、音大へ行くはずだった自分、海外留学するはずだった自分、初リサイタルするはずだった自分……。今より年を取り、垢抜け大人になり、自信に満ちた彼女たちはもう鳴美の中にはいない。思い描いた色、音、香りはもうどこにもない。夢の代わりに持っているのは安寧の希求。今の鳴美はそれだけを日々願っていた。


 やがて太陽は夕日に変わり、青空を紫色に染め上げる。次第に漆黒が忍び込むように訪れ、夜空を無数の星と一つの三日月の光で照らす。人々は眠る。その中には永眠も含まれる。


 教室の窓際最後尾で校庭に降り注ぐ雨を見ている鳴美。茶色い土の上に水たまりができ、七枚の葉桜を浮かび上がらせる。そこへ雨粒が降り続け、葉たちは4分の3拍子のリズムで跳ねて揺れる。ワルツ。閉じられた窓の外から香りは来ず、代わりに屋内の匂いがそっと鼻孔に訪れる。思春期真っ只中の香り。ディスカウントストアで買える背伸びした香水。男物、女物、それらが絡み合い、混声の香りを生む。鳴美は窓から中へ視線を移す。そこには見慣れていないクラスメイトたちの背中がある。鳴美にはそれらが実寸より大きく見える。紺色のブレザーが濃く感じる。けれども、去年同じクラスだった生徒たちは原寸大。鳴美は未知というものを恐れ、過剰に見ている。迎えたばかりの新学期に大きな不安を覚えている。無意識に青いチョークを見つめ続ける。

 新しい担任、新しいクラスメイト。悪い人を見極めて、関わらないようにする。掃除当番など、何かをする義務のときは目をつけられないように最善を尽くす。鳴美は前年度、それを徹底してきた。鳴美はほとんど誰とも話さない。入学して自分から話しかけたことは一度もない。部活動にも入っていない。何事もなく卒業すること、それだけを願い、それに拘った。おかげで去年は何一つトラブルが無かった。担任は良くも悪くも普通の人で、クラスメイトとも絶妙な距離を上手く取った。好かれも、嫌われもしない、地点。鳴美は手応えを掴んでいた。今年度も上手くやろう、ともう一度窓の外を見て思う。窓ガラスの上部から滴る雫を目で追うと、ガラスに映る自分の瞳を正面で捉える。雫と瞳が重なる。時間が遅く感じられる。そして涙のようにスーッと落ちていく。


 雨は止まず、雲は晴れぬ、昼休み。鳴美はひと気のない別館にいる。一階には事務局、二階には図書室、三階には視聴覚室。そして屋上には校内菜園があり、トマトとキュウリが並び、赤と緑で彩られている。降り注ぐ雨粒はトマトの表面で弾かれ、分散し、打ち上げ花火のように落ちていく。鳴美は二階のトイレに入り、自動センサーの蛇口に左手をかざして濡らし、携帯用液体ハンドソープをブレザーの右ポケットから取り出し、左の手のひらに三度プッシュする。右手の真ん中三本の指で円を描くように泡立て、左手の指と指の間、指先、爪の中までオレンジ色の泡を行き渡らせる。ゆっくりと両手を擦り合わせた後、センサーにかざし両手を流水に当てて泡を流す。スカートの右ポケットから水色のハンカチを取り出し、左手の指を一本一本包み込んで水分を拭き取っていく。

 図書室の前には黒い四人掛けソファと低いガラステーブルがあり、取っ手がついた弁当ケースが一つだけポツリと置かれている。鳴美はソファに腰掛け、弁当ケースの中から四つ折りのランチョンマットを取り出し、テーブルに敷いて縦横に開き、左手を乗せて右手で折り目を伸ばす。小さなステンレス製の水筒を取り出し、左脇で抱えるように持ち、右手でコップを回して外し、中の緑茶をコップに注ぐ。左手でラップに包まれたおにぎりを掴み、右手で粒が離れぬよう丁寧に剥がし、ゆっくりと口に運ぶ。鳴美は咀嚼し、米の粘度を感じる。青じそと梅の味、海苔の匂いがそこにはある。けれども、鳴美の味覚は味を知覚していない。

 鳴美は一人で昼食を取っている。クラスメイトたちは友達と教室で食べるか、他クラスに行って食べるか、部員たちと部室で食べるか、本館の屋上で食べるなどしている。であるため鳴美が教室にいないことは不自然ではなかった。鳴美は再びトイレに行き、ピンク色の筒状のケースから毛の柔らかい歯ブラシを取り出して左手で持ち、右手で無添加歯磨き粉をチューブから絞り出してブラシにつける。鳴美は力を入れず歯茎をいたわりながら歯と歯の間までブラッシングをする。弱く長く丁寧に磨く。そして水筒のコップに水を注ぎ、口の内を三度ゆすぐ。ブラシの毛に流水を当てながら右手親指で毛を一列ずつめくる。持参した一枚の切り取られたキッチンペーパーで毛の間の水分を丁寧に拭き取る。それらが終わると、鳴美は弁当ケースの取っ手を左肘にかけ、慣れた手つきで図書室のスライドドアを右手で引く。

 上山鳴美は人一倍清潔なのだ。


 去年、一年C組のクラスメイトは鳴美をどう思っていたか。話せば笑顔で話すのに、何故か接触を避けようとする行動を。皆が不思議がった。鳴美はいわゆるコミュニケーションが苦手な生徒には見えなかった。男子と積極的に関わるような弾けた雰囲気ではなかったが、しっかりしていてクラスをまとめるような生徒に見えた。なので、クラスの女子たちは鳴美と関わろうとした。去年の五月、短歌部に入ったばかりの雪恵は鳴美を部に勧誘した。けれども、鳴美は笑顔で断った。

「ありがとう。でも、他のことに興味があるの」

 雪恵はそれが気になった。六月に二度目の勧誘をしてみたが、再び同じことを言われて断られた。雪恵は次第に「他のこと」が気になった。鳴美が部活に入っていないことから、校外で何かをやっているのだろうと考えた。校内の顧問では力不足の習い事か、すでに大学受験を見据えて予備校に通っているか。雪恵は何となくこのどちらかだという読みに自信を持った。けれども、詮索するような人間ではなかった。実際、雪恵の読みは間違ってはいなかった。鳴美は中学生の時に校外で習い事をしていたし、高校生になって見据えていることは大学受験くらいしかなかった。しかし、この二つは正しくなかった。鳴美の見ていた「他のこと」は他人に言えるようなことではなかった。それは両親にも、たとえ親友や恋人がいても言えるようなものではなかった。


 深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは黒染めに咲け


 雪恵は部活で古今和歌集の哀傷歌を詠み上げたとき、ふと疑問が解消されたときに脳が反応するところが働いた。あの清涼的な感覚を感じた。その時から、鳴美が一人でいる時の瞳は孤独ではなく悲痛であるような気がした。詮索が嫌いな雪恵だったが、意思に反してそれを考えてしまった。出て来るワードは、離婚、死別、大病であったが、やはり歌の通り死の香りを感じた。事実、雪恵の読みは大きくはズレていなかった。


 虫のごと声にたててはなかねども涙のみこそ下にながるれ


 鳴美の瞳を見るたびにこの歌が聴こえた。ある時、クラスメイトが「暗いよね」と鳴美の陰口を言っているのを聞いたとき、さり気なく話を逸らさせた。また、悪口が出ないように鳴美がいつも授業のプリントが満点であることを話した。雪恵はいわば盗み見た鳴美の背景に同情し、見返りを求めず遠方支援した。


 思へども身をしわけねば目に見えぬ心を君にたぐへてぞやる


 いつからか、雪恵の瞳からはこの歌が流れていた。鏡で自分の顔を見ても聴こえなかったが、雪恵が飼っていた犬は主人に見つめられると目から目へ慈しみ深さの音を聴いた。


 五限目が始まる前、鳴美は時間に余裕を持って教室に戻ると、窓際最後尾にある鳴美の席には他クラスで坊主頭の佐藤が座っており、隣の席で前髪をアシンメトリーにしている辻本渉と話をしている。机の上には空になった大きな弁当箱とペットボトルが置かれている。

「大臣の和田が環付金の不正受給とかセコいだろ」渉が言う。

「連日、国会が炎上してるよな」佐藤が言う。

「まちがえて麹町の消防車が来たらしいな」

「本当に燃えてはないだろ」

「まあ、政治家なんて隔週で税金をくすねてるだろ」

「頻繁に起こればそんなもんかと思うけどな」

「和田のバーコード頭が賽銭箱に見えるとき、あるよな」

「それは一度もないだろ。賽銭じゃないし」

「もう、政治家の“か”は、虫の蚊に変えたほうが良い」

「何でだよ」

「血税を吸ってるだろ」

「言いすぎだろ」

 こんな調子で他愛もない雑談が続く。鳴美はそっと教室の後ろにあるロッカーの前に立ち、窓の外を静かに見ながら席が空くのを待つ。雫だらけの窓の向こうに見える音楽室前の廊下を眺める。女子生徒たちが笑顔で話しながら歩いており、音楽室の両開き防音ドアは開いている。全員が中に入ると最後の生徒がドアを片方ずつ閉め始める。鳴美はその奥に見えるグランドピアノを見つめる。両手の十本指に鍵盤の硬質な手触りが立ち上がり始める。鳴美自身は気付いていなかったが、ほんの僅かだけ指先が動いている。記憶が、経験が、脳から身体に伝わる。そして脳は思いへも侵食する。ドヴォルザークの交響曲第九番第二楽章が流れる。郷愁は言葉ではなく音で表される。女子生徒はもう一つのドアに手をかけ、両手で重い扉を押す。ゆっくりと、ゆっくりと、日陰が伸びていくようにグランドピアノは姿を消す。鳴美の手触りと音楽は無に帰す。

「あ、ごめん」渉は背後の鳴美に気が付いて言う。「今、席を開けるから」

 佐藤は弁当箱とペットボトルを学校カバンに放り込み、渉は立ち上がって佐藤が出やすいようにする。佐藤は「じゃあ」と渉に言うと廊下へ歩いていき、渉は鳴美が席に着くのを軽く笑みを浮かべながら待つ。鳴美が席に着こうとすると、渉は「あっ」と何かに気が付き、カバンからポケットティッシュを二枚取り出す。

「ちょっと待って」

 渉は鳴美の机についた米粒をティッシュで摘み、ペットボトルから付いた水滴をもう一枚で拭く。

「ありがとう」鳴美は目を合わせずに言う。

「はい、どうぞ」渉はそう言い、鳴美が通れるよう自席の脇に立つ。

 鳴美は席に着き、少しだけ安堵する。初めて話した隣の席の男子が悪い人ではなさそうだったから。鳴美は自分でも気付かない程度、僅かだけ身体の力みが抜け、呼吸が軽くなる。緊張という心理的グラムが大気に舞い、朝から変わらぬ雨が少しだけ静かになった。



 今夜、上山鳴美は自作短歌を詠む。


 明日割られこころポタポタ柘榴汁低き青空三叉路を這う

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