どんな声でも顔でもあなたがいとおしくて
ああ、
今だって、
そんな顔すら愛しく思えて、思わず息を飲んだ。
「久しぶりね! こうして貴方と向き合えるのは! 夢花が無くなってしまったのは残念だけど、こうして貴方に会えた! 青子、胸がいっぱいなの!」
言葉なんかじゃ伝わり切らない青子の愛は、魔銃の銃弾で教えてあげる。黒姫がかく乱の為にバラまく桜の花びらの間を縫って、弾丸を黒姫の肌スレスレに撃っていくの。優しく愛撫するみたいに。
「戯れ言を……!」
黒姫は苦虫をかみつぶしたような顔でそう言った。
ああ、青子に言葉をくれたのね、黒姫! たった一言でも声を青子にぶつけてくれたのが嬉しくて、気持ちがさらに高ぶってくるのが分かる。
「ねえ覚えてる? 初めて出会った時のことを。青子、ずっと忘れてない。真っ白な白昼夢で、独りぼっちだった青子を見つけてくれたのは黒姫、貴方だから!」
「黙れ」
黒姫の
銃弾にえぐられる黒姫の髪や服が見えた瞬間、体の芯が燃えるほど興奮を感じた。
「ううん黙らない。だって青子、貴方のこと、大好きだもの!」
そう、青子は黒姫の事が大好き。
人間の夢を守る
ずっと昔、白昼夢でお互いの素性を知らずに友情を深めたその後、人間の男が青子と黒姫の間を引き裂いてしまった。男にかどわかされた黒姫は、青子の事を嫌ってしまったの。
でも、青子は黒姫と話したい。黒姫の身体に触れたい、黒姫に会いたい。だから、人間の悪夢に
愛してる、黒姫。青子はここにいるよ、分かって。
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同人誌即売会『Text-Revolutions5』のイベント内有志企画『第二回キャラクターカタログ企画』寄稿作品
本編の一場面を青子視点で。
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