13話 暗黒帝 (テル)

 巨神のコクピットのモニターに星空が映ってる。銀のまたたきがきらきらぎらぎら。

 横長の窓は、じかに外を映す窓じゃない。便利なことに操縦席のパネルを操作すれば、三百六十度、あらゆる角度を見られる。

 下の方にカメラを向ければ、雲海が無数の渦を巻いて赤い星を覆ってるのが見える。どんどん離れていく大地。もう少ししたら、完全に星の形が見えるんだろう。

 そう。今俺達は、宇宙そらにいる――。



『マスター、重力装置稼働。操縦席より離れることが可能です』

 

 紫の石が冷ややかに俺に告げる。石は柱の中できらめいてるけど、機霊体はもう出ていない。

 冷や汗ダラダラの俺は操縦席のベルトを外して立ち上がった。急上昇でずいぶんGがかかってきつかった。救命ポッドの中の猫たちは無事みたいで、かわいい鳴き声が聞こえてなによりだ。


「機霊隊はついてこれないみたいだな」

『イエス、マスター』

『完全に宇宙空間ですので、機霊単体での飛行は無理でしょうね』 


 紫の石は冷たいけど、柱のすぐ前に置いた機霊箱から聞こえる声は温かみがある。

 東華帝君だ。箱からもやもやエクトプラズムが出てる。おかっぱ娘から吸収したエネルギーはかなりの量だったらしい。

 おかっぱ娘はだれかと交信して、巨神の発進許可を取っていた。

 だから巨神が青島から出たとき、追っ手はこなかった。ずっとついてきてた二個小隊は護衛隊で、ときおり手を降ってきたりして、楽しそうにそばを飛んでいた。

 

「自爆させるには、星からもっと離れた方がいいよな。俺のプジを回収するだけじゃ、また別の機霊石ぶちこまれるだけだもん。こんな兵器、存在するべきじゃない。木っ端微塵になってほしい」

『……』


 おかっぱ娘はおとなしい。今は俺の強制コントロール下にあって、この巨神を操縦してくれている。しかしやばかった。だって俺が割り出したプロテクト解除の五つの暗号は、全部外れだったんだ。


『プロテクトコード! アキラ・ギンヅキとカオル・クジョウ!』

『はぁ?! なんであの押しかけ女の名前を?』


 のっけに叫んだのは、暗黒帝とその奥さんの本名。

 俺が取得した情報によると、アシュラはのちに改名した名。お妃も暗黒帝と結婚したとき、キャオラ・セレニアと改名した。セレニスやセレニアはネクサス帝国のやんごとなき人の称号らしい。


『じ、じゃあ、リメット・メルティング! 俺を溶かす人!』

『はぁあ?! なんであのデカパイ副官の名前を?』

 

 次に叫んだのは、暗黒帝の副官の名前。愛人だと噂されていた人らしい。


『こ、これはどうだ! リビュア・バーニング! 俺を燃やす人!』

『あのぶりっこ女! ちょっと! なんでアシュラにまとわりついた女の名前ばっかり言うのよ!』

『わ、わかんねえけど、それが候補リストにあがってたんだよ!』


 おかっぱ娘は鬼の形相。暗号は愛する人の名前じゃないかって、演算モードの俺はなぜか考えたみたいだ。


『そ、それじゃ、ま、マレイスニールハオレノヨメ?!』

『ああ、それはアシュラの口癖だったわね』

『えええ、マジで?!』

 

 なんで宿敵が嫁なのか理解できないままに、とりあえずマレイスニール・ドラシル・フォン・ナハトという、エルドラシアの高祖帝の本名も言ってみた。けど、ハズレだった。


『こ、これが本命だろ! NA151-01-MIMI!』

『あら……』

 

 最後のは如実に反応あり。たぶんこれはおかっぱ機霊のシリアルナンバーだ。どこをどうたどってこんな秘匿情報を取得できたのか……俺、ちょっと自分がこわくなった。


『たしかにNA151はあたしが造られた場所。ネクサス・コロニアのもともとの呼称よ』

『MIMI……ミミって、もしかしておまえの個体名か?』

 

 聞いてみたら、おかっぱの機霊はくすくす笑った。

 ミミなんて、あたしはそんな子供っぽい名前じゃないわと、腰に手を当てセクシーなポーズをして。ぷるっとすけすけ黒布を巻いた胸をゆらして。俺の息をごくりと呑みこませた。


『あたしはアシュラの専用機〈龍の涙ディラチェーラ・デ・ドラコ〉。ミミじゃないわ!』

 

 紫の放電。びりびりにされた俺は、またもや救命ポッドの中に突っ込まれたけど。

 次の瞬間、とっさに口走ってた。なぜかその、ミミって子のことをたくさん……


『でもおまえ、実際はこんなちっちゃかったし! 赤チェックパジャマ、めっちゃかわいかったし!』 


 たくさん、まくしたてた……


『びんた痛かったし! 抹茶ソフトめっちゃ好きだったし! お姫様ごっご好きだったし!』

『え……?』


 どうしてあんなこと言えたのか分からない。でも言ったことは頭の中にちゃんと在った。なぜかはっきりと「その情景」まで、俺は思い浮かべることができた。

 演算モードの俺、一体どこからその映像を取得したんだろう?


『見舞いにいくたんび、アキラはおまえのお姫様ごっこにつきあってた! アキラはアシュラ王子でおまえはうるわしのミュルヴァティー姫――』


 放電が止まった。おかっぱ娘の顔は蒼ざめてぶるぶる震えてた。


『違うわ! あたしじゃない!』

『いや、おまえはミミ……なんだろ? アキラはおまえを死なせない・・・・・・・・・って……最高のオンナにする・・・・・・・・・っておまえを……機霊に……』

『!!!!』

 

 次の瞬間俺が聞いたのは、悲壮な悲鳴。

 プロテクトの呪文は――どうやらそれだったらしい。

 


 オマエヲシナセナイ サイコウノオンナニスル



 おかっぱ娘の姿が大きく揺らいだ。変化に気づいた俺はすかさず、機霊体を消す強制コマンドを唱えた。

 

『テル、どうして……まさかあなた……! でもあたしミミじゃない! 違うの!』


 泣き叫びながらおかっぱ娘は消えた。

 勝手に口をついて出た言葉と頭に浮かんだ映像。それでミミはアルゲントラウムと同じなんだと、俺はそのとき初めて・・・把握した。なんだかひどく不思議な感覚だった。

 でも「ミミじゃない」ってどういうことだ? 機霊化移植は成功したんだよな? 

 おかっぱ娘は、おかっぱなミミが成長したような姿をしてる。ちゃんと記憶だって残ってるようだし。おかっぱ娘は、子供の頃の自分が好きじゃないんだろうか?

 ともあれこうしてなんとかなって、俺は今、巨神を星の海に連れてきてる。


「帝君、この巨神、月を楽に越えられそうだな」

『はい。近い方までなら、さほどかからないかと。およそ一時間で到達するでしょう』  

「遠い方を越えたい。この星の重力圏から抜けたところで自爆させるんだ」


 できるだけ他のものに影響のないところで。俺はそう思った。この星の重力圏の外、月を越えるほんとの宇宙空間ならば、部品や機関部の回収がしづらいからだ。


『それなら二時間ほどかかりますね』 

「月を越えたら、おかっぱ娘に自爆モードを設定させる。それから機霊石を外して、救命ポッドで脱出するよ」


 救命ポッドから救難信号を出してどこかの星船に拾ってもらう。これでめでたしめでたしだよな?


『では主公、月を超えるまでひと休みしてはいかがでしょうか』

「うん、そうする。時間あるからちょっと仮眠するよ」


 帝君に目覚ましを頼んで、俺は操縦席にどかりと身を沈めた。

 さすがに疲れてた。帝都から逃げてここまで、気を失いはしたけどろくに睡眠とってない。

 しかし暗黒帝の愛人の名前とか、ミミって子とか。俺、よく調べられたなぁ。

 金属の脳みそには、暗黒帝アシュラ・セレニスとネクサス・コロニアに関する情報がどちゃりと入ってる。目の前に、勝手に幻影が見えそうなぐらい。

 なんだかすごいよ。知識の海だ。

 しかしどうしてアシュラは……アキラは、あんな風になったんだろう……

 暗黒帝なんて呼ばれるようなやつに……

 




 今から一千二百年前。

 暗黒の島都市ネクサス・コロニアは、突然のクーデターによって誕生した。

 統一政府軍の将軍ジン・タングステンが、とある軍事基地を掌握。大演説をかましたのだ。

 

〈NA151は本日、統一政府より独立を宣言する。

 集え勇者よ。真に力あるものこそ、空を駆けるべし。

 名誉と栄光を求める者に、我は鋼の翼を与えよう――〉

 

 NA151。

 そこは青島のように空に浮かぶ大要塞。円い島にひしめく黒い尖塔は、すべて光子波動砲。最新鋭の兵器も古めかしい兵器も全部そろえている、無敵の島だった。駐在していた自軍を使って、ジン将軍はいとも簡単に基地を我が物にしたのだ。

 NA151の圧倒的な武力によって、統一政府の中央府オピニアはあっさり滅ぼされた。

 ジン将軍は皇帝となり、NA151はネクサスと名を変えた。

 いくつかの島都市が傘下に入ったが、その支配をよしとしない他の島都市は次々独立。王国や自治国となり、群雄割拠の時代が幕を明けた。


〈集え勇者よ〉


 NA151の武力を盾に、ネクサス帝国は二百年の間、天界一の強さを誇った。

 そんな強国の最後の皇帝。それが、アシュラ・セレニスだ。


 皇帝になる前の経歴はまったくの謎。生まれはどこかわからない。暗号解読に時間がかかったのは、頭の都合と同時に、解析難易度の高さも大いに影響したんだと思う。

 俺が知ったのは、アシュラは船舶会社のレスキュー部隊から傭兵に転職して、めきめき稼いだこと。ついにはネクサスの皇帝に、近衛兵士に取り立てられたってことぐらいだ。

 伝説は語る。 


〈集え勇者よ〉

  

 アシュラは悪魔と取引して、その翼を闇色に染めたと――


〈真に力あるものこそ、空を駆けるべし〉


 近衛騎士アシュラはある日突然、豹変した。

 黒くなった翼でネクサスの皇帝を殺し、帝位を奪ったのだ。その機霊の強さに誰もかなうものはなく。ネクサスの中枢は、黒い翼の力でねじ伏せられた。

 強引に玉座についたアシュラは全世界に呼びかけた。

 天界下界、分け隔てなく。


〈我こそ神。天と地の断罪者。集え勇者よ、我がもとに〉


 来るものは拒まない。下界の者も大歓迎。力あるものが頂点に立つべし。 


 それは――革命だった。


 はるかな昔、統一政府は天に島都市を浮かべ、住まう人を限定し、人間たちを天と地に引き裂いた。

 格差が生まれたなんてものじゃない。

 汚染された大地に残された人々は、天界人にとっては虫けらだ。

 天界人は大地を戦場にして破壊し放題。それでも地上人はしぶとくしたたかに生きている。 

 天界人のように、自在に空を飛ぶことを夢見ながら。

 もし翼をくれる者がいたなら。地上人は、その人を神と崇めるだろう。

 

 アシュラはまさしく、地上人にとっては神だった。 

 暗黒帝の帝国は、志さえあればだれでも、地上人でも機貴人になれる国だった。

 彼は天に登りたい地上人を自ら、船で迎えに行った。天界に憧れる下層民が、大挙して押し寄せたのはいうまでもなく。新国民は熱狂的にアシュラを崇めた。

 分離型機霊が量産されて、求めるものにすべからく与えられた。その機霊はとても不気味で、死霊のような黒い翼を持っていたという。


〈勇者たちよ。破壊神たる我の名のもとに、おのが力をふるうがいい。

 すべてのものを浄化せよ〉


 妃のキャオラも秘書官のリメットも、そしてリビュアも、アシュラに機霊を授けられたもと地上人だ。彼女たちは有能な将として暗黒の軍団を率いた。

 アシュラ帝を崇める暗黒の軍団は、数多の島都市を焼き、地に落とした。

 敵国も同盟国も関係ない。アシュラはただひとこと、軍団に命じた。


 ただただ。破壊せよと。


 暗黒帝がどうしてそんなことをしたのかわからない。今の世には、アシュラ帝が世界に与えた恐怖と嘆きが伝わっているのみだ。

 世界はおそろしい勢いでその闇に呑まれていった。アシュラと暗黒の軍勢はただただ、あらゆるものを壊し続けた。

 破壊がもたらす嘆きを止めるべく。英雄マレイスニールと、黄金のアルゲントラウムが現れるまで……

 




『主公。起きて下さい』 

 

 頬にビリっと電気が走る。東華帝君が俺を起こした。ということは、月を越えたのか。


『主公……』

「ちょっと待って。頭がくらくらする」


 あれ……? うとうとしながら、俺が調べた情報、ざっと思い出したけど。

 ミミって子は、いつアシュラの機霊になったんだろ? 傭兵だったときから? それとも……黒い翼になった時? アシュラはあの子と出会ったのはいつだ……? 

 頭が痛い。暗いコクピットの操縦席から半身を起こすとなぜかめまいがして、視界がぶれた。

  

「うう……う? え? 帝君?!」


 操縦席に座ってる俺のすぐ横に、長い黒髪の美丈夫が立っている。

 切れ長の目。涼やかな顔。ゆたりとした袖と裾の蒼い衣装。金髪ミッくんもかすむ、すごいイケメン。


「帝君? おまえおかっぱちゃんから、そんなにエネルギーを吸ったの?」

『主公、ディラチェーラ様のエネルギーはすばらしいですね。彼女はこの巨神からエネルギーを吸い込んでいますが、それをもっと高純度なものに変換しています。実に素晴らしい機能をお持ちです。おかげで……』


 黒髪の美青年はにっこり。帝君の白魚のような手が、紫の機霊石に触れる。ぱちぱち放電するその光を体にまとわせた美青年は、自分の本体である機霊箱に触れた。


『おかげで私は元通り。むろん、完全に修理してくださった主公のおかげでもありますが。エネルギーを吸収できる私独自の能力が幸いしました』


 そうなんだ。帝君ってそういう能力もってるのか。知らなかったよ。

 っていうか。あの。コクピットの窓の様子が……変なんだけど。なんか、星空じゃないんだけど。一面青空が広がってるような気がするんだけど。


『主公が私を修理してくださったことには、深く感謝しております。ですがこの巨神を自爆させるのは賛成しかねます』

「え? 帝君、何言って……」

『ディラチェーラ様は炎都へ進路を設定していたようですね。さらに私が、目標を煌帝国の帝宮とさせていただきました』

「え? それどういうこと? 俺がおかっぱちゃんに命じなきゃ、そんなことできるはず――」 

『主公と同様、ディラチェーラ様に強制コマンドを使いました』


 なんだって?! 

 やばいと思って機霊箱を柱から放そうとしたけど、できなかった。黒髪男の白い手から、紫色の放電が放たれる。その場でしびれ上がる俺を、帝君はとんと白い手で押して、操縦席に落とした。


『ご心配なく。都には危害を加えません。これより、帝宮だけを破壊させていただきます』

「なんで!? や、やめろ帝君! く、くそ……コード……!」

『ああ、強制コマンドは受け付けません。私も暗号でプロテクトされております。主公は解析可能なようですが、それには時間がかかりますね? 私を止めるのは不可能です』

 

 なんてこった。まさかこいつ。


『大変申し訳ございませんが。少しの間だけ、私におつきあい下さい。帝宮を破壊したあとは、ちゃんと主公のお望み通りにいたします』


 こいつ、俺を主人と認めてない?!

 普通のAIがこんな思考をするはずがない。主人として登録した俺の意志に反することをするとか、他の機霊を強制操作しようとするとか。そんな思考はしないように、マインドコントロールされてるはずなのに。

 なんだこのAI。変だ。普通じゃない……!


『本当にすみません。ですがどうか私に、我が主煌舜ファンシュンさまの仇を取らせてください』

「な……仇をとる?!」

『主公のお供をしているうちに私は確信いたしました。あの女・・・がのうのうと、女帝として君臨していることを。我が主を手にかけたあの女・・・を……私は決して許すわけにはまいりません』

 

 たしかこいつの主人だったファンシュンって、七十年前に死んだ皇太子だよな? 

 実の母親の鳳貴妃ってのがその首謀者って言ってたよな? たぶんその人が、今の女帝陛下になってるんだろう。でもいくら無念だからって。


「うそだ。ありえない……機霊が……AIが勝手にこんな」


 声がびりびり震える。まずい。これ以上放電を食らったら気を失っちまう。

 

『そうですね。普通ではありえないことでしょう。ですが、私たち機霊にも人権を。そう考えた方が、ファング帝国にはいたのです。人工の魂にも権利を与えようとしてくださった方が。その方こそ、永の年月、帝国に君臨なさったあの御方。前皇帝陛下なのです』

「え? もしかして、じっちゃんが……?!」


 帝君はそれから嬉しげに語った。俺のじっちゃんが――前皇帝陛下が、どんなにすごい「仙人」だったか。

 盤古を設計したのも。強力な機霊たちを作ったのも。巨神の原型を作ったのも。みんなじっちゃんだって帝君は語った。じっちゃんこそは、何百年も生きてる不老不死の人だと。

 目を細めてうっとりと。

 

「老君様は我々に〈意志〉を下さった。だからこそ許せないのです。あの大恩ある老君様を裏切った、あの女・・・が」


 黒髪男は操縦席に座った俺には見えない柱に近づき、いとも簡単にさらっと機霊の強制コマンドを唱えた。柱からすさまじい放電音が聞こえる。石の中のおかっぱ娘が抵抗しているようだ。

 しかし「だめです、都は少しも傷つけていけません」と、帝君がきっぱり命じる。

 モニターに白雲が流れて、正面にぽつんと三角錐が見えてきた。

 煌帝国の都、炎都だ。俺たちが必死で逃げ出した、あの都だ。

 黒髪男は近づく都をじっと見据えた。見たものがひるむほど強い視線で。


『決して許しません。あの女・・・……帝国を牛耳っているどころか、このうるわしき炎都を焼けとはなんたることでしょうか』

「えっ……?!」


 操縦席から動けない俺はただただ、目を見開いた。たしかにおかっぱ娘はそうしていいのねとだれかとの通信で確認してたけど、その通信相手って……


「じょ、女帝陛下が? 炎都を?! なんで!?」


 わかりません、と帝君はため息をついた。


『ですが決して許されないことでしょう。ディラチェーラ様がここでまごうことなくあの女・・・のパルスと通信していましたので、間違いありません』


 そうして見目のよすぎる美青年は、俺がさらに口をぽっかり開けるような言葉を言い放ったのだった。 



――『帝国を護るべき機霊が、なんと不遜な』



「き……!?」


 赤い三角錐がみるみる近づく。すぐ目の前に。

 次の瞬間、モニターが一面輝いた。まるで紅蓮の炎のように。

 

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