だれか

辻村深月の本を手に取って、高校の頃知り合った女の子を思い出した。彼女に会ったのは数回だけで、顔も名前も思い出せない。唯一覚えているのは、彼女が辻村深月の作品を愛好していたということだけだ。私が歳を取ったぶんの年月を、彼女も同じく過ごしたということが、なんだかとても不思議に感じた。

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