その少女は…
「しかし、いいのか…?君の身体は燃えてしまうぞ?」
少女は疑問を投げる
(あ…忘れてた)
老人と別れた修行して手に入れた
新たな力を
「フォルーカス公爵よ…俺の新たな力を見てくれ…お前の知らない…新たな力を!!!」
「はぁぁぁぁ!!!
<剣鎧 ソード メイル>!!!」
俺の左右から無数の刃 剣 が飛び出し
俺の身体を纏っていく
俺の体は銀に光る鎧に纏われた
「ミエラ!!!頼む!!!」
俺はミエラを見て叫ぶ
「行くぞ!」
彼女は拳から炎を出し
あっという間に俺を包んだ
(あちい…なんだこれ…)
予想以上の温度に顔を歪める
「ほっほっほ馬鹿なことを…」
老人は炎を纏う俺を宙から見下している
「馬鹿なのはどっちか教えてやる!!!」
俺は殺意の目を老人に向ける
「剣を抜け!!フォルーカス!!!」
俺は真っ向勝負を願う
「ほっほっほ ではワシも抜くとしようかの…」
そう言って杖 否 仕込み杖の鞘を引き抜く
「わしの宝…国の宝…異世界の宝…
<帝王の刃剣 エンペラスギルドセイバー>!
この刃の錆となれ!我が弟子よ!!!」
黄金の輝きはショッピングモールの外まで
零れ、眩い光は俺達の視界を奪う
「ま、眩しい…何なのだ?あの剣は」
疑問を浮かべる少女に答える
「あれは宝刀 あの刃にふれたら最後
光に包まれて消滅する…」
「な!?消滅だと!?」
驚きの声をあげる少女に続けて言う
「俺の両親も…あの刀の錆となった…」
かなりのオブラートに包んだものの
意味はハッキリと伝わっている
はずだ…
(馬鹿だからな…)
彼女はそうか…と言って深追いはしない
意味を理解したのであろう
俺は前を見据え
剣を作り出す
模擬戦で使った剣だ
「<炎纏>暗黒剣 ダークブレイド!!!」
黒く禍々しき剣が俺の手に握られる
しかし、前回とは違って炎に包まれている
その炎は黒き炎となり
剣を…<剣鎧>に纏われた俺を包む
「<暗黒剣鎧 ダークフレイム
ブレイドメイル>…と言ったところか…」
「一瞬で終わらせる!!!」
俺は精神統一し
炎の温度を高める
ミエラがしていたやり方と同じように
「ほっほっほガキが戯れ言を!!!
大人しく散れ!!!」
宙に浮いていた老人は急降下し
<帝王の刃剣 エンペラスギルドセイバー>
を突き立て突進してくる
俺の喉元を貫こうとする刹那
俺は指で止める
「馬鹿なことを…そのまま消えろ!!!」
俺は触れると消滅するする剣を臆することなく止める
が、俺の体は消滅はおろか光にさえ包まれない
「何故だ!?何故消えないのだ!?」
老人は慌てふためく
「悪いな…想像以上に俺の闇は深かったみたいだ…」
そう言うと黒き炎を指から老人の持つ
<帝王の刃剣 エンペラスギルドセイバー>へと
移らせる
シュー という音ともに
光と黒い炎が相殺しているのが分かる
しかし、徐々に光の剣を闇が飲み込み
火が老人の体を伝い始めた
「黒炎の城 ダークフレイムキャッスル!!」
ミエラが見せた
「ダークスピリット」を葬ったあの技を
俺は見よう見まねで発動させる
老人の体は黒き炎に蝕まれていく
「うぐ…こんなはずでは…!!!」
老人は苦しそうに血を吐く
「これで…終わりだ…」
俺は黒き炎を纏った剣で老人の体を貫こうとする
が その手は紅髪の少女 ミエラよって
止められてしまう
「君が人を殺してはダメだ…
君の師匠なんだろう?」
俺の…師匠…?
颯馬の脳裏にはフォルーカスと颯馬
2人で剣を振るう 修行の様子が浮かぶ
ししょー!ししょー!と名を呼ぶ
幼き少年
その少年の頭を優しく撫でている老人
その景色…思い出はいつも颯馬の脳内に存在し和ませた
俺は今…殺そうとしているのか…
俺が握る剣は老人の胸の既のところで
止められていた
「うん?何かは知らんが助かったようじゃ
ありがとなそこの赤い少女」
老人は襟を直しながら言う
「す、すまない…君と師匠の問題に首を突っ込んでしまって…」
彼女は申し訳なさそうに言う
俺は剣を放す…
カランッと音を立て剣は落ちる
その剣には黒き炎は纏われていない
「いや、いいさ 元々この力で殺すのはあまりしたくなかった…この<黒炎>はミエラの力があってこその技だ…こいつを仕留めるのは
俺だけの力でやるよ…」
「そ、そうか…すまない」
度重ねる謝罪に許諾の旨を伝え
最後に老人に質問する
「フォルーカス公爵 あなたの目的は何ですか?」
老人は呆れたように言う
「だーかーらーさっきから言っておろうに
世界の変革 じゃよ!!!」
「そうじゃない!!!あんた自身の目的だよ…何かあるんだろう?」
俺は血相を変え 問い詰める
流石に諦めたのか老人も重々しく口を開く
「はぁ…分かった…話そう…」
「実は…」
その老人が口にした言葉は
俺とミエラを恐怖のどん底に突き落とした
いつものシェアハウスー
その茶色の扉を開けると
ネネ フィール ミーアが仁王立ちで俺達を
睨んでいた?
「あんた また行ってたんか!?
うちらに訓練メニュー押し付けておいて…!」
「またデートですか…?」
「まぁた…?もしかして今度は一線を超えちゃってたり…」
「一線は超えてなーい!!!」
俺は思わず叫ぶ
「では、パジャマでお勉強会というのは…?」
フィールはすかさず聞いてくる
「恥ずかしながら…そういうこともしました…ってしてなーーーーい!!!」
「ま、まあ今回は私からの願い出だったのだ…すまなかった…」
ミエラは恭しく頭を下げた
「ま、まあミエラが言うんやったらな…」
「そうですね…」
「悪意はなさそうだしぃ〜」
(何故許す!?)
これが人徳の差なのだと悟った
「で?ミエラは何か変なことされてない?」
ネネが聞く
(頼む…頼む…)
颯馬は祈り続ける
返答次第ではまずいことになるからだ
「うむ…颯馬は私を抱いてくれたぞ…」
神妙な面持ちで言った
(あ…死んだ…)
「「何だってー!!!」」
ネネ フィール ミーアは俺を追いかけ回す
ミエラは首を傾げている
10分後
抱く というのが誤解だとわかり
それぞれが浴場へ行く
玄関に残ったのは俺とミエラだけだった
「その…今日はありがとう…そして
すまなかった…」
彼女は謝罪を述べる
「何を謝ることがある?
俺はお前を護る
ただそれだけだ」
俺は紅髪の少女の肩を持つ
「しかし、あの老人が言っていたこと…」
俺達は思い出す
俺の師が言い放った
フォルーカスの目的を…
「実は…わしの目的は
お前達と同居しているミーアの力
《始まりの煌めき》じゃ…」
「《始まりの煌めき》…?」
ミエラは記憶を辿り言う
「確かフィールは光のビームを放つスキルだったはずだが…?」
フィールは俺達に自身のスキルを言った
偽りのスキルを
本当は《一の煌めき》…のはずだ
「《始まりの煌めき》とは何だ?」
俺が聞く
「《始まりの煌めき》は…
世界を変える能力だ…」
老人はそう言うと ゲートを通り消えていった
Wake up! Thousand BLADEs 〜刃〜 ぱーふぇくと @perfect1234
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