すまない…!!!

訓練2日目

異世界突入まであと2日


今日も俺が作るメニューで

フィール ネネ ミーア ミエラは特訓する


「えっと…今日のメニューだけど、

基本的には昨日と同じことをしてもらう

ミーアは…」

俺はロリ少女を見る


「私は瞬間移動の移動距離を伸ばす訓練…

でいいですね?」


昨日までの感情豊かなミーアは居なくなり

無愛想な少女に変わっていた


(人間 こうも変わるものか…)


人間はますます分からない


かくいう俺は人間…の部類に入るのか

正直微妙なところだ

基本的に地球人と同じ体の構造をしている


生殖方法も同じだ


ただ 地球で生まれていないだけである



異世界ではここまで変わる人間(ミーア)

を見たことがなかったので多少疑問に思った



「おやおや〜昨日のデートの雰囲気とはだいぶ違いますねぇ〜なんかあったの?

もしかして妊し…」


そこまで言うとミーアは瞬間移動でフィールの近くまで移動し口を塞いだ


「してません…だって私まだゴニョゴニョ…」


何を喋っているか分からなかったが

何となく察しがついた


(身長だけじゃなく成長もロリだったのか…)




また下らないことを考える




「ってな理由で今日も頑張ってくれ!」


俺はエールを送ると

自分の部屋へ帰る






昨日の件で悩み過ぎて

まともに寝られなかったのだ



(これぐらい許してくれよな…)


特訓している少女達が目に浮かび

心の中で謝罪する




部屋の布団はかなりふかふかで

寝ようと思えばすぐに寝られる



(毎日こんな布団で寝られるのは幸せだなぁ)



俺の意識は一瞬で夢の国へ

















(なんだここは…?)


颯馬が着いたのは全てがピンク色の国


ビルも飲食店もゲーセンも全て桃色



(こんな凄いところが…?)


もちろん夢である

が颯馬は気付かない



「あら、お兄さ〜ん♡

いい身体してるじゃないの♡

あたしと一緒にホテルで

あ・そ・ぼ?」



「いやぁ〜そんなぁ〜」


颯馬は鼻の下をでれでれに伸ばし

妖艶な美女と共にホテルへ



もちろん夢である




「あたし 初めてなんだぁ♡

優しくしてね…?」


もちろん夢である




しかし、颯馬は衝撃を口にしてしまう

現実世界で



「初めてとかプレッシャー凄すぎ!!!!」



(………)

何やってんだ?俺


ふと我にかえる


(普段こんな夢見ないんだけどなぁ)


恐らく昨日のヤッたかヤッてないか事件である※前話より




叫んでの起床というかなり珍しい体験だ


周りに人がいれば間違いなく変人に思われるがここはシェアハウスの自分の部屋

流石に他の人は居ないので安心する


も束の間


もぞもぞもぞもぞもぞもぞ…


立ち上がっている俺の息子とは別に

何か動くものが俺の布団の中にいる


もぞもぞもぞもぞもぞもぞ…


依然として動いている




俺は恐る恐る布団をめくる



「!?!?!?!?!?!?!?」



そこに居たのは紅髪をもつミエラだった


…3秒ほど見つめ合った



「きゃああああ!!!何この硬いの!!」


先に声を出したのはミエラだった



「ま、待ってくれ!これは…その…

男の…ナニだよ…」



「ナニってナニ?」


ミエラは男に答えにくい質問をしてくる



「そんなことよりも 何故俺の部屋にミエラがいるんだ?」



明らかに不自然な点を質問する


「そうか…すまない…実は颯馬に要件があってここに来たのだ…」


そう言って俺の布団から出ていく



服は着ていなかった


(!?!?!?!?!?!?!?)


俺の目の前には女の裸体

上も下も丸見えだ








俺は目線を逸らす

(見ちゃダメだぞ…頑張れ俺!)




不自然に目を逸らす俺に

ミエラが質問する

とんでもない内容を…


「何故 目を逸らす?

見てくれてもいいのだぞ?」



(なんでーー!?!?!?)



俺の頭の中には?だらけだ



裸のミエラが俺の部屋の布団の中に…


裸のミエラが俺の部屋の布団の中に…



裸の俺がミエラの中の布団の部屋に…




分からなくなった





「と、とりあえず 服を着てくれー!!!」






「ふぇ?」

ミエラはゆっくり自分の身体を見た



「きゃああああ!!!」





胸を手で隠し大声を上げる




(うっせぇ…耳が潰れそうだ…)






5分後

俺は床に正座

ミエラは俺の布団の上であぐら

もちろん服を着ている



(なんでこうなる…?)



俺の部屋とはいえ

ミエラの裸を見たのは事実…

でもそれはミエラが布団の中にいたからであって…



分からない




「とりあえず 私の裸を見た罪は

高くつくぞ 颯馬」


彼女は冷静に怒っている



「ま、待て…それはお前が裸で俺の布団に入っていたからだろう?

俺だって見たくて見たわけじゃないし…」


俺は必死に弁解をする


「ふむ…確かに私にも非があるな…」


納得してくれたようだ



「しかし、見たくて見たわけじゃない とはどういう事だ?私の身体は見たくないのか?」


なんでそうなる



「やっぱり…毛は生えていないのが好きなのか…だからミーアを…」


「そんな話はしてなーい!!!」












「えー改めまして…

何故俺の部屋にミエラがいるんだ?

要件はなんだ…?」


話を本題へと振る



「そうだったな…実は颯馬に頼み事があってだな…」



ミエラは俯いたまま話を続ける



「わ、私ともその…デ、デートを

してほしい…」



(あぁ〜デートか…)



ってぇぇえええ!!!



口にはしてないものの表情にはしっかりと出ていた



「その…ダメだろうか…?」


(断る必要もないしな…)



「ああ、いいぜ」


彼女は喜びをあらわにする

「そうか!良かった…」


そして俯きながら話す


「その…ほ、本番もいいぞ…?」




(!?!?)



「って!何の本番だー!!!」


思わず声に出る



「え?私との本番は嫌だってのか?

やっぱり君はミーアというロリが好きなのか!?」



彼女はスキルを使い拳から炎を出す



「違ーーう!!!」


俺の叫びも虚しく

炎をよって俺の布団は焼かれた















大型ショッピングモール「さくら」

(まさか2日連続で来ることになるとはな…)


「えーっと…どこか行きたいところとかあるのか?」


目移りしている少女ミエラに聞く


「ふむ…まずは下着を買いたいから付き合ってくれ」



彼女は平然と言う

年頃の男子にこういう事を言うとは

ちょっと…


「あ、ああ分かった」


(落ち着け!落ち着け俺!)


ミエラは胸が大きく身体は引き締まっている

グラビア女優を思わせるかのような体型は

見るものを魅力する



(そんなん死んじまうぞ…俺…)


遺書 書いた方が良さそうだな と密かに思う





とりあえず店へ行くと前日と同じ感想が

(いやいやこれ絶対高いやつやん…)


ミエラはここが良さそうだな と言って中に入っていく

店の外観に見とれてた俺は遅れて入る


(……………………ってまずいだろここ…)


ここは下着の中でも

女性用の際どいものが売っているところだった


「ミ、ミエラ…ここは学生が付けるようなやつじゃないんじゃないかな…」


細々と告げる


「そうか?そういうものなのか?

私には分からない 颯馬が選んでくれ」


なんで俺が…という言葉は飲み込んだ



「ここがいいんじゃないかな

他の学生もちょこちょこいるし」


俺が提案したのは至って普通の店だった

ミエラも納得し中に入る


(うう…視線が…)

女子と一緒とはいえ

男子が入るような店ではない


今ミエラは試着中

つまり男子一人で試着室の前にいるという

変態的ポジションだ



他の客がひそひそと話している

「何あれ?やらしい」

「うわぁ 試着室の中の人襲うつもりじゃない?」



俺はそんなに獣に見えるのか



そんなことを考えているうちに

ミエラが出てくる

下着姿で


「どうだ?試着したものは同伴の人に見てもらうのが一番だというが…」


(いやいやいやいや!?)


馬鹿かこの少女は馬鹿なのか!?


Eはゆうに超えているであろう

ぼいーんって…ぼいーんって…泣


「あ、ああいいんじゃないかな〜

ジャー それをカイマショウカー」


多少早口で促す


女性の下着姿を男子が見ているこの状況


万が一にでも他の客に見られるわけにはいかないのだ


「待ってくれもう1つ試着したいものが…」

ミエラは物足りなそうに言う






「もう試着しないで買ってくれー!!!」


















ひと通り買い物を終えたところで昼飯にする


「昼飯は…どこがいい?やっぱり和食か?」



「ふふっ そんなに和食好きに見えるか?」

ミエラは笑って答える


「こう見えてもラーメンとか好きなのだよ?」


(ふぇー意外だな…)


紅髪を持っていても口調からして

明らかに和の人間だと思ったのだが…


「もしかして、颯馬が和食好きなのか?

なら和食で…」


なんで俺に合わせようとする…



何ていうかミエラはデートをあまり知らないんじゃないか…?

俺も慣れたものではないが…


普通は男がエスコートするものだけどな…


「いや、ラーメンでいいや」

待ってました と言わんばかりに

少女は矢継ぎ早に言う

「どこがいい?どこがいい?

やっぱりあそこがいいかな…?」


(やれやれどっちが彼氏か分からないな…)



とりあえずあちこちにチェーン店を出しているそこそこ有名なラーメン屋に入っていった



流石 平日 といったところである

席もガラガラで店員たちも暇そうにしていた



「2名様でしょうか?後に増える可能性は?」



なんだこの店員


2名様でしょうか? という質問にだけ答え

案内されるままに席に着く


何にするんだ?という質問すら

耳に入らないほどミエラは必死に

ラーメンを選んでいた


「ふむ…この超激辛ラーメンがいいだろうか?それともこの唐辛子100個入のラーメン

がいいだろうか 悩むな…」


(なんでそんな辛いやつばっかり選ぶん…?)


俺は好物の担々麺にすることにした


「悩んでばかりもいられないな…決めた!」


ミエラは先程とは違う爽やかな顔で言う


「何にするんだ?」


あれだけ迷っていたんだから

さすがにいいもの食うよな…


「とりあえず超激辛ラーメンと唐辛子100個入ラーメンとウルトラバーストラーメンにするよ」



そうか…超激辛ラーメンと唐辛子100個入ラーメンとウルトラバーストラーメンを…


(って結局両方食うんかい!ってか何か増えてんな!)


なんだウルトラバーストラーメンって

明らかに常人が食べるヤツじゃない



注文をとり俺は漫画を

ミエラはファッション雑誌を見て時間を潰す


「な、なあ」

ミエラが訝しげに聞く


なんだ? と答えると雑誌を見せてくる


「男子はこういうのがお好みなのか…?」


「うん?どれだ?」

そう言って俺は彼女が持っている雑誌のページに見入る


「ふんふん…スクール水着で野外…」



(いやいやいやエ〇本じゃねえーか!?)







「そんなもん食事前に読むなー!!!」




15分後

注文していたラーメンが来た


俺の前に1つ

ミエラの前に3つ

ラーメンが置かれる



(マジで全部食うつもりかよ…)



「う、うまそうデスネーさぁーてと食うカー」



驚きからか片言になる


「そうだな…食べるか!そう言えば

食事前に読むものじゃない って言ってたけど

あれはいつ読むのだ?」


(なーんでまーたその話を…)



俺は気にせずに担々麺を食す



(うん…美味いな…異世界にもチェーン出してくれねぇかな…)


当然出ないだろう




10分もせずに担々麺を完食した俺は

現在激辛ラーメン3種類に挑戦している

ミエラの様子を伺う



彼女は美味しそうに食べている


明らかに赤色…というか真紅色をしている




(凄いな…)




「美味いのか?ひと口くれよ」


俺は新しい箸で彼女が食べているラーメンを

貰う


俺はまず唐辛子100入ラーメンから食べる

意外にもピリ辛…といったレベルだった


「美味いなこれ」


そう言うとミエラは顔を輝かせる



続いて超激辛ラーメンを…

辛すぎた


どうだ?美味いか?と聞くミエラに

顔を引き攣らせながらも美味い と言う



(やばい吐く!吐く!火を吐きそうだ!)



超激辛ラーメンはひと口食べると

口内が大火事になったのではないかと

錯覚するレベルだ


「ぉぉー颯馬もこのラーメンの良さが分かるか!?それなら颯馬の分も頼もう!」





いや、やめておこう

食べ切れるか心配だ





ウルトラバーストラーメンは…

やめておこう

これは間違いなく死ぬ




そしてミエラは特に箸を止めることもなく

全ての激辛ラーメンを食べきった



(すげえ…全部食うのかよ…)


俺は人生でラーメンを汁を含めて全て完食した人を見たことがない



今のところ ミーア ミエラは

俺の胃の大きさの3倍あることは確定だ




「次はどこへ行こう?何か希望があれば…」



ミエラが聞いてくる


ふと俺は彼女に焼かれた布団を思い出す


「悪い…ちょっと寝具を…」


彼女に悟られないように言う


あまり気にさせたくないからだ



「あぁ…寝具を…もしかして今朝の…?」



一瞬でバレた

(こいつ頭悪いんじゃねえのかよ…)



「今朝はすまなかったな…お詫びといってはなんだが…私がお金を払おう」


彼女申し訳なさそうに言う


「いや、良いよ 自分で買った布団じゃないと

気持ちよく寝れないからさ!」



やっちまったか?

ちょっとまずいかも…



俺の不安は的中する



「何?私が買った布団では気持ちよく寝れないのか?失礼なやつだな!?次は何を燃やされたい?」







「そ、そうだな…マシュマロでも、焼いてくだされー」



俺は小走りで寝具店へ行く





とりあえず同じやつを買った





「さてと…もう用はないしあんまり遅いと

心配されるから早く帰ろうか!」



俺はミエラに声をかける



少女に反応はない


「ん?どうした?何かいたのか…」


俺は少女が見ている方向へ視線を移す


そこにはゲートを通ってきた異世界の

モンスター



堕天せし精霊


「ダークスピリット」がいた





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