表と裏

「「はぁぁぁぁっ!」」

「炎狼拳!!炎狼脚!!炎狼波っ!」

炎を纏った正拳突き 回転蹴り 狼をかたどった炎の波動が俺を襲う

俺は<水精霊剣ーアクアスピリットブレイド>を作り出し、拳を右腕で 回転蹴りを左脚で受け、波動を剣で切り裂く

「やるなっ!だが、まだまだ行くぞ!」

炎を纏いし少女 ミエラは

3歩下がり 全身に炎を纏い始める

纏い終わると 熱い熱気が漂い始め

額に汗が流れ出す

「行くぞ!我が秘技 炎鎧 <フレアメイル>

この攻撃が君に耐えられるかどうか!

参る!」

ミエラは堂々と正面に拳を突き出してくる

(まぁこれも右手で受けるか…)

そう思ってい右手で拳を掴もうとする

後5センチのところで、俺は異変に気付く

(熱っ!これはヤバイな…)

少女の身体は周囲8センチ程度を

1000℃の炎で包まれていた

「惜しいな!もう少しで君を丸焦げにできたのに!そう簡単には行かないか!」

(恐ろしい能力だ…)

油断は禁物 そう思う一瞬だった

拳を受けようとした右手を見ると

軽く焼け爛れていた

だが、剣を握れない程ではない

「治療だな…」

そう言って俺は剣を作り出す

<聖女の密かな殺意の刃ートワイライト キルドセイバー>を作り出す

作り出された剣は禍々しくも美しく、

魅了する(とくに俺を)

その剣で火傷をした手の平を切る

血が飛び散るが手は火傷のあとがなくなり

綺麗に治っていた

「ほぉ 君が作り出す剣は治療もできるのか

チームで戦う時は楽しみだな!

最も、この先チームでいられるかどうかもこの模擬戦にかかっているがな!」

ミエラは再び襲いかかる

俺はタイミングを合わせて

剣を作り出す

<閃剣 スラッシュブレイド>

持ち手から先端にかけて

曲がった曲刃を勢いよく横に振る

「スラッシュ ウェーブ!!」

振られた剣から衝撃波が生まれ

ミエラの腹に直撃する

痛みからか少女は顔を歪ませ

そのまま吹き飛ばした

少女は壁に激突し砂煙を上げる…

(ふぅ…まずは1人…だな)

俺はため息をつき、3人の少女をみる

《千刃》の実力を生で見てか

フィールを含めた3人が緊張でやや顔が強ばっている

「ふ、ふん!少しはやるようやな!

次はうちが相手やで!」

水を操る戦士 ネネ

次の相手はどうやらこの少女らしい

「今 俺の相手はこの女か とか思ったやろ?

残念 次は3人でいくで!覚悟しいや!」

3人の少女が俺を睨み 身構える

「じゃあいくで!」

ネネが飛び込んでくる

「アクアバレット!」

俺の懐に向かって

水の矢を1秒間に5発ーを3秒間打ち込む

俺はその予想外の速さから

回避ができない

「ガッハ!!!!」

15発の矢をまともに腹に食らい

血を吐く

そのまま俺は飛ばされる

体制を立て直そうと体を起こそうとする

後ろから殺気を感じるー

瞬間移動を使う小さな少女 ミーアが

蹴りを入れようとしていた

(瞬間移動…やっぱやべえな!)

俺はまた剣を作るー今までとは違う大きな剣を

「<巨人剣 ギガンテスブレイド>!

はぁぁぁぁっ!」

俺は巨大な剣を振り回す

が、当たらない ミーアは瞬間移動を使って

避けた

(俺だって 当てるために作り出したわけじゃないさ!)

巨大な剣を振り回した反動で

俺の体は上空へ吹き飛ばされる

(ぐぅぅぅう! き、きつい!)

まるでジェット機に乗っているような感覚に襲われるも空中で体制を立て直す

「ここなら瞬間移動をつかっても避けられまい!」

剣を作り出す

小さく細かな剣を何千 何万と

「<苦無剣ークナイ ブレイド>!

ぜやっ!」

作り出された細かな剣は

コロッセオの舞台に雨が降ったかのように

勢いよく落とされる

まるでゲリラ豪雨だ

(これでもろともやったはずだ…)

だが、俺の考えは浅はかだった

「私を忘れたら困るよ〜颯馬〜?」

光の層が舞台を覆っていた

「ライト ミルフィーユ!!

どうだ!」

技もさることながらネームセンスもまた凄い

フィールがミルフィーユを知っているかは置いておこう

「まだまだ行くよ〜!はぁぁぁぁっ!」

フィールは手に気をー否光を集める

まるでドラゴ〇ボールのかめは〇波のようなポーズで眩い光を集めている

「食らえ!ライト レーザー!!」

少女のその手から放たれる

一点に集中された光線はドドドド という音ともに俺に目掛けて直進する

「流石は光速…速いな…だが、避けれない速さではないぞ!」俺は余裕で躱す

俺は少女を見て笑う

何故か少女も笑っていた

「ミーアちゃんっ!頑張って!」

フィールは何故 ミーアの応援を…?

俺は はっとして振り向く

なんとミーアはレーザーの直線上にいた

(何をする気だ…?)

ミーアをよく見てみると

その小さな手には鏡が握られていた

(なるほど…跳ね返す気か…)

「颯馬さん 覚悟してくださいっ」

少女は光を跳ね返す

(何度跳ね返そうとも避けれない速さじゃないっての!)俺は再び躱す…はずだった

光は俺の方向とは全く違う方向に跳ね返される

「どうした?ミーアちゃん!緊張で手が滑ったか?」

俺は聞く

「いいえ!これを見て驚かないでくださいっ」

少女は瞬間移動を使い、光をあらゆる方向に反射し始めた

それは俺の視認速度を優に越えて

ピュンピュンピュンピュンピュンピュン

光が反射するー 高い音と共に

そして最後反射された時には光は俺の

視界にはなかった

俺の死角へ光線が直進する

「これは…避けれない!」

思わず叫んでしまう…振りをした

(まぁいっちょ 見せてやるか!)

《千刃》の真の力を

異世界を混乱と畏怖に貶めた魔の能力を










「光を喰らえ!<暗黒剣 ダークブレイド>」

闇に包まれし大剣が生み出される

刹那、光が俺を包んだ後、辺りが暗くなる

俺の剣が全ての光を喰らい尽くしたのだ

視界がなくなった

俺は剣を作り出す

<光剣 ライトブレイド>

俺の周りだけが明るく包まれる

周りから見ればひと目でわかるだろう

暗闇の中 そこだけが光っているからだ

ただ、光がある状態からいきなり光を奪われ暗闇になりまた明るくなり

常人なら目が普通に作動しない



そうー俺が光を奪った時点で勝負は付いていたのだ



これが《千刃》の力

光を奪い闇を作る

表と裏は常に紙一重

時には2千年 異世界のとある国の光を奪ったこともある

恐れ 敬い 怖れ それが

彼のー颯馬の異世界での過ごし方だったのだ

(模擬戦は終わりだな…)

そう思うと俺の意識はかなり深く沈んだ












目が覚めるとそこはシェアハウスの俺の部屋のベッドだった

寝返りを打とうと右手を動かす

むにゅ

(ん?なんだこれ?)

しばらく動かす

むにゅむにゅむにゅむにゅむにゅむにゅ

俺は気付く…

これは触れてはいけない

女性の あれ だと…







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