第7話〜レーヴェリ作戦〜

レーダー公国本土守備陸戦隊第一大隊はケーニッヒ・レーツィ中佐(39)の指示で、進軍していた。出撃前にレーツィはこう放つ。

「我等は祖国を守りし官軍。我が敵は祖国を破壊しせんとす諸共を駆逐せよ!」

と威勢の良い声で士気を上げる言葉を放つ。戦車や装甲車の隣には大隊士官がいる。その皆が間髪入れず呼応を放つ。団結力の高いことやら。そして大隊は敵陸戦隊に、付けて進路を執る。数十分後には敵陸戦隊が目視で確認できるほどになっている。まさに盆地の淵に待ち構えている状態である。すると大隊一号戦車の車長でもあるレーツィが

「敵を確認。慢心せず全力で戦え!全車全兵装使用自由!攻撃開始!」

と言い、一号戦車が射撃開始。続いて二号車、三号車と続く。数秒後、敵戦車に命中。しかし無傷である。すると、四号車が探照灯を照射し、集中攻撃を促す。敵は照射に合わせ、探照灯照射をしてきた四号車に緋色の徹甲弾の雨を浴びせる。意外にも敵は徹甲弾を打ってきたのだ。しかし、その数秒後探照灯は途切れる。四号車が撃破されたのだ。さらに第2中隊が突撃を開始し、敵戦車を殲滅せんとすが、敵の火力にひれ伏す。すると、頭上の敵艦から戦闘機らしきものが出現

「敵戦闘機展開を確認!数40!対空車攻撃開始!撃てえええ!」

というと、対空戦車の少し軽めの射撃音を響かせ、バルカン砲が展開される。しかし、戦闘機には無論シールドが張られており、視界の邪魔程度にしかならない。

そんな間にも敵陸戦隊は盆地を降り、平らな地形の所に移動しつつある。精鋭と言われる第四中隊が攻撃を開始。敵戦車の数を少しずつではあるが減らし始める。

「敵陸戦隊、開戦より3割減少。こちらの損害2割。いけます!」

「増援が間もなくやってきます。耐えて下さい!」

というと、遥か後方から大量の何かが飛んでくる。と思ったら直ぐに頭上を通り過ぎ、敵戦車に命中。大爆発を起こす。

「ミサイルか?」

味方の対戦車ミサイル部隊が展開し、攻撃を仕掛けたのだ。これにより敵は開戦より六割を損失。完全に防衛隊が有利に戦いを進めている。勝てると思ったその時、巨大な徹甲弾らしきものが超高速で飛来する。まるで核兵器のような威力で大爆発を起こし、本土防衛守備陸戦隊第一大隊は全滅。その後方に控えていた陸戦隊なども全滅してしまう。敵部隊の後ろには超巨大な戦車らしきものの影が炎の光に照らし出される。最早戦車と言うより、陸上戦艦と形容した方が良いかもしれない。主砲は恐らく巡洋戦艦クラス。一般的な戦車の10倍ほどはあるのではないか…一体、何なのか。そして、その戦車を見ずして、勇敢な男達は炎の海に焼かれていったのであった。決して無駄な犠牲ではない。そう。無駄ではない筈なのである…


次回予告

「アマテラス作戦準備段階」

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