第4話 カタログギフト



『カタログギフト』



***



「それを渡せ」


 玄関先に現れた男が手を伸ばす。

 俺が持つのは、化粧箱に入った冊子だ。


「ソレは化本ブックモンスター、お前の手には余る」


「何だよ化本って。只のギフトカタログだろ」


 送り主も、高校生の俺が貰う理由も不明だが。


「その通り。贈物目録ギフトカタログという化本だ。載った品目から望むモノを得られる。富や美貌、若さもな」


「分かった。でも代償を取られるんだろ?」


 それで結局不幸になる。お伽話に乗った俺に、男は首を振った。


贈物ギフトだからな。対価を払うのは本人じゃない」


 この化本は、それを周囲に払わせる。


「家族、国や世界、望む贈物のレベルで対価の規模も変わる。試してみるか?」


 俺は化粧箱を開けた。


「……チ〇ルチョコ」


「お前は、幸せ者のようだな」




---------

お題:「贈り物」

化本(ブックモンスター)VS本狩(ブックハンター)という、300字SS限定のシリーズ第4弾。

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