第3話 明けない夜の図書館にて
『明けない夜の図書館にて』
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「見つけたぞ、天魔書」
深夜の図書館に青年の声が響く。
暗闇に沈む専門書架の奥で、僅かな気配が動いた。
青年は
化本は獲物の前に姿を現し、己を読ませてその感動や欲望を糧とする。
「異世界から仕入れた太陽を奪う魔術なぞ見せて、おかげで夜が明けん」
本狩は錠前付きの鎖の本帯を取り出した。
「天才魔道士も失恋する。その度に明けない夜が来ては敵わんからな」
錠前をかけ、青年は溜息を吐いた。大泣きする少女の姿が脳裏をよぎる。
夜は必ず明ければこそ、思い切り浸って自身を癒す時間に出来るのだ。
己の作った常夜に震える少女の元へ。本狩は化本を手に踵を返した。
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お題:「夜」
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