第2話 ギフト




『ギフト』



***



奴は時空を超えて旅をする。

本屋の片隅に潜んで、贈り物として幼い子供の枕元に置かれるのを待つ。


だが読んで貰えるとは限らない。

ある子は安眠枕にしてしまうし、ある子は母親の読み聞かせが終わると卒業する。

子供に忘れられると奴は姿を消し、次の宿主を探す。




奴は「化本(ブック・モンスター)」




子供に様々な世界の色々な物語を見せて、その「感動」を糧にする。

おおかたの子供は途中で奴を読み飽き忘れるが、希に最後まで読破する者がいるという。

その者に化本は課題をひとつ出す。



「貴方の物語を書いてください」



そうして空白のページに新たな物語を加え、化本は次の時空へ旅立つ。

化本に物語を加えた者は、後に文豪と呼ばれるような大作家になるそうだ。





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前話の夜旅を読んで頂いた方への御礼SSとして製作。

解説やん。

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