第5章
小学校から中学校へ上がると、クラブ活動が始まった。私達の世代は、生徒数が多く、組の人数は五十二名だった。男女共学であった。
私が入ったのは野球部で、同学年六十名が野球部へ入ったのであった。その六十名から先輩の仕置きに耐えたのは、私一人であった。
ある日はバットで尻を叩かれたり、腕立て伏せを百回も指示されたりした。
ある日、「校庭を五十週回れ!」と言われて、それを完走したのは私一人だった。そしてキャプテンになった。
当時の私は肩が弱くて、守れない、打てない投げられないばかりのキャプテンであった。その為私の守る場所はレフトであったりライトであったり、
最終的にはポジションが決まったのは二塁手であった。私の肩は、小学校六年の砲丸投げで痛めてしまったのである。
私は龍ヶ崎第一高等学校を受けず、倍率の低い土浦工業高校へ入ったのであった。友人石井に「逃げ癖をつけると、一生付きまとうことになる!」と言われた。
その通り、石井君の予感が当たってしまった。家出をしたり、放浪したり、コックをしたり、印刷屋でアルバイトをしたりしてなかなか希望通りの仕事は見つからず、三浪してしまった。
ただ一つ、三級電気士の資格を持っていたので、「茨城町の原子発電所に入社してみたら?」と市村先生に勧められた。
しかし文学に興味があって、二十歳の頃、一パシの文学者のように修善寺の旅館に文学者という職業で泊まった日もあった。
その頃、布川の殺人事件を調べていた。私の調べた限りでは、明らかに、冤罪事件で、百ページの原稿を書いて文学界の出版社に投稿したが、落選となった。
その頃は、作家以外に仕事はない、と思って十社位の会社でアルバイトを人生を送っていた。
私の悪足掻 @kounosu01111
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