第3話 ドキドキ初デート その3
「それで買い物するの? しないの? 買い物したいなら私のお願いを一つ聞いてもらうわよ」
本当理不尽すぎる。
美玲さんは何様なんだ、顔で判断してはいけないが可愛くなかったら黙っていないところだ。
「恭介君……私……買い物したい。せっかくの初デートだし」
俺だって如月さんとの初デートを楽しみにしていたんだ。
だから昨日の夜から恋愛もののアニメを一晩中見ていたというのに……
美玲さんにはこれ以上関わりたくないのだが、如月さんと買い物するためには言うことを聞くしかない。
「美玲さん! どうすれば許可をもらえるんですか? 俺なんだってやりますよ」
「なにやる気だしてるんだよ。ばぁーか。あんたなんか黙ってチ〇コでも〇〇いてろ」
このお下劣さ。本当にこの艶やかな口から発せられたのかと疑問におもってしまう。
この人どこかのネジがふっとんでるんじゃないか?
そもそも何で俺はこんなお下劣な言葉をあびせられているのだろうか。
美玲さんって如月さんのことを妙に気に入っているし、俺と如月さんが付き合っているのがそんなに気に食わないのだろうか。
それとも他の理由があるのか。
と、考えていても仕方がない。まずはどうやったら許可をもらえるのかを知ることが先決だ。
俺は美玲さんにもう一度問うた。
「美玲さん、どうしたら許可をもらえるんですかっ!」
俺の問いかけを無視し、美玲さんは如月さんに向かい、
「如月ちゃん、カモ~ン」
と言って、手のひらを上に向けて手招きする。
「い、いやっ。絶対いやっ。犯される」
如月さんは美玲さんの誘いを完全に拒否し顔をぶんぶん振っている。
如月さんをみて、美玲さんは
「如月ちゃんひどいわ。私は狼じゃないんだから取って食べたりしないわよ」
ひどく狼狽している美玲さん。
そんなに如月さんの言葉がショックだったのだろか。
しかし、いくら美玲さんが電波だからといって、お題を聞く前から拒否していたら可哀そうだ。
「如月さん、まずはお題を聞いてみて、それから判断してもいいんじゃないかな」
「う、うん。そうだね。わかった」
渋々承諾する如月さん。
すると美玲さんは、
「そんなの簡単よ。私が用意した服を着てくれるだけでいいわ」
「服ってどこに?」
「そんなにあせるなよ早〇。取ってくるからちょっとそこで待ってて」
そう言うと美玲さんはお店の奥から可愛くラッピングされた袋を持ってきた。
「さぁ二人とも刮目してとくとご覧なさい」
じゃじゃーんと自ら効果音を口ずさみ、美玲さんは袋から洋服をとりだした。
「これが美玲スペシャルメイド服よっ。さぁ如月ちゃんこの洋服を着て私にご奉仕してちょうだい」
美玲さんが取り出した服は黒と白を貴重としたメイド服だった。
ところどころに洋服を可愛く彩るアイテムが散りばめられアクセントになっている。
気になるは肌の露出度が高く、スカートが極度に短いことだ。
如月さんはうるうるした瞳で俺を見つめ、
「恭介君いいの? この服可愛いけど、とってもエッチだよ。こんな服きたら、男の子にエッチな目で見られちゃうよ?」
確かにこんなエロ可愛い洋服を如月さんが着たら、男子達の注目の的になるだろう。
俺個人的には着てもらいたいのだが。
「俺は如月さんを男共のエッチな目に晒したくない。だけど今このお店には幸運にも女の人しかいないから、最悪な事態は免れそうだけど……といっても無理しなくていいから」
「うぅ……それでも恥ずかしい」
「どうするの如月ちゃん?」
「着たくない……けど……せっかくの初デートだから恭介君とお洋服一緒に見たい」
そんなに恥ずかしがっているのに、俺とのデートの為にそこまでおもってくれているのか。
「恭介君がみたいなら、絶対着たくないけど我慢する……よ?」
「どうするんだよ。チ○カス」
本音を言うと見たい。
絶対似合うもん。
美玲さんの策略にまんまとはまってしまうのだが、欲望には勝てん。
「俺はこのメイド服を来た如月さんをみたいっ」
「やっぱり、みたいんじゃない。このど変態がっ」
「いやいや、美玲さんにだけは絶対言われたくないですけどっ」
如月さんは指と指をからませ、ぎゅっと力をいれる。
「わ、わかった。このエッチなお洋服を着る。恭介君ちゃんと責任とってね」
「なんの責任だよっ」
「如月ちゃん覚悟は決まったようね。それじゃあ着替えはこっちよ」
俺たちはお店奥にある部屋に通された。
「ここは私のプライベートルームよ。そこに試着室があるから使って頂戴。ここだったら、誰に気兼ねすることなく着替えられるでしょう」
「そうですね。美玲さんありがとうございます」
「私のことを敬いなさい。美玲様って呼んでいいわよ。それじゃあ私は接客があるから。着替えが終わったら教えて頂戴」
そう言って美玲さんはお店に戻った。
そして如月さんは試着室に入り着替えが始まったのだが……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます