Novel title Boku
狼狽 騒
プロローグ
第0話 プロローグ
夢を見ている気がする。
永遠に覚めない夢を。
いや、とうに覚めているのかもしれない。
覚めていると、自覚していないだけかもしれない。
そういえば昔、考えたことがある。
実はもう、ぼくという存在はいないのではないか。
目の前にあるのは、まやかしではないのか。
こう言っても、判らないし、分からないかもしれない。
そうだ。
例えば『ノストラダムスの予言』の話がある。
それによると、恐怖の大王によってぼく達は、二〇〇〇年に滅びているはずだ。
なのに、ぼくは生きている。
いや、生きていると認識している。
でも、考えてみよう。
実はぼくは、もう既に死んでいるのではないのか。
これはぼくの夢ではないのか。
今、目の前の現状は、ぼくの想像上の出来事ではないのか。
ぼくが言っていることは、そういうことである。
だから――
「先生」
今、子供達がぼくをそう呼んだのは、ぼくの頭の中の妄想なのではないのか。
そしてこの子供達は、ぼくの想像上のもので、本当は存在していないのではないのか?
そう疑問に思うことがある。
『今』を疑問に思うことがある。
しかし。
ぼくは信じて生きている。
この子供達は、ぼくの想像上のものではない、確かに存在していることを。
そう。
今のぼくを、あの時のぼくは想像出来なかっただろう。
子供達と一緒に遊ぶぼく。
子供達に笑いかけているぼく。
そして――生きているぼく。
生きているのが苦しかったあの頃。
それを変えてくれたあの人。
それは、ぼくが高校生の時の話。
それは
僕と
ボクの
物語
登場人物は
死にたがっていた者と
生きたがっていた者
二人が出会うことで
多くの喜びが生まれ
多くの悲しみが生まれ
多くの幸せが生まれ
多くの痛みが生まれ
そして――たった一冊の本が生まれた。
その本の題名は――
『Novel title Boku』
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