零れ堕ちるは二度目の罪人
戦場での出来事から1ヶ月。ボクは2度目の場所へと足を運んでいた。
『……やぁ。
不意に言葉を遮られた。
『…ヒトを勝手に罪人呼ばわりすんじゃねぇよ、ろくでなしのアホが。それと俺は女じゃねぇって。』
折角の面会だと言うのに頬杖までついて…。
『…へぇ?違うのかい?まぁ、良い。ちょっと気になる事があってね。ほら、案外人脈がある君にはピッタリの仕事だろう?』
…その説明が気に障ったらしく
『それが人に物を頼む態度かよ?俺なんかより後ろにいるアレに頼めば良いだろ?』
ヒラヒラと手を振る警察官。
『それじゃあ、駄目なのだよ、ボクより頭が回っては面白く無いだろうしね。君みたいに単純な男。…誰だっけ…ぁ、そうだ、メロスみたいな君が丁度良い。』
と笑いながら言ってみると、やはり単純な男だと確信出来た。
零れ堕ちるは二度目の罪人。
ふわふわと舞う春霞の中で、夢を見ていた罪人と、哀しみに暮れ喜怒哀楽を失くした者が出会ったのは、去年の長月だった。
星の降る丘 茲憂 @YUUGIRIYOGI
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。星の降る丘の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます