柘榴が落ちる

ボクは今、にいる。これが仕事で無ければ青年Aクンと長々話をしながらティータイムの予定だった。まぁ、その予定も壊された訳だが。それはご機嫌そうに電話をしてきた相手からを聞いた からである。


…………煙たいな。それが此処に来て、見て一番に思った事。その他に銃やら武器の使い終わった成れの果てを踏みながら歩く。

目の前で、疲れ果てた兵士達が血塗れになりながら戦っている。何とも不愉快。血の味など匂いたくも味わいたくも無いんだ。

名誉だ意地だとかプライドだとか。本当に。


砂と砂利の混じった所を丁寧歩く。勿論自慢の革靴が汚れない程度に足を上げながら。


『……あぁ、彼奴か。』

血塗れどころか傷さえ負っていない兵士が

他の兵士達ザコに囲まれていた。

それじゃあ、死んでも仕方ない。と思い懐に手を忍ばせた所で半径10数メートルくらいであろうか?爆風が枯れた戦場を覆い尽くした。

ボクの自慢の革靴が…。なんて言う間も無いな。


『………やぁ。兵士Dクン?』

『……………??』


どんな顔をしているのかと顔を覗き込んだ。いや、正確には見ようとした、だが、兵士クンの顔はまるで洗脳されたハムスター、とでも言おうか。

自分の意思など何処か遠くに起き去った様なカオをしていた。





『…………彼でも無ければボクでも無い。支部の部下でも無ければ思い当たる節が有り過ぎて困る。』



ボクは煙臭い地面から目線を離し兵士クンをのだった。

さてさて。罪深き者には代償を。

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