朝焼けが滲み出す

さて、終わってしまった事を言っても仕方の無い事。

終われば始まり、楽しい日々にはそう、終焉がやってくる。

涙と共に零れ落ちていく君の存在を掬いあげてしまおうか、なんてでは思ってしまう。ボクが消してしまっていないけれども。


……ひ… ……の…緋乃、緋乃ひのちゃんッ!


耳障りな音。 目覚めの良い声音。多少、いや……5時間程寝ていた様だ。客人がに来ている。そしてボクの目の前で虚勢を張りながら名前を連呼してくる。

『………ボクの名前を連呼するのは止めてくれないかね、慈由クン元アサシン。その大き過ぎる声のお陰でボクの鼓膜が軽く破れてしまいそうだよ、ウンウン。』

『そんなに私の声がお気に召したの?まぁ、強いて言うのならそのルビは要らないと思うけれど。なんせ …まだ、主人公の素性すらも出していないのでしょう?』

『………何の事やら。サッパリだ。……それと慈由クン。ボクは女じゃ無いぞ、その呼び方は止めてくれ。』

『それで、緋乃ちゃんは私に何の用が?』

『……まぁ、座れよ。』

とボクは少し温くなってしまった珈琲をテーブルに置き相手が飲むのを待つ。

『……慈由クンこそ何の用なんだ?用もないのにこんなボロボロでクズしか居ない場所に態々来るような阿呆アホウでは無いはずだ。』

『察しが良いのは善くも悪くも君の長所だね。この間私の兵士玩具が死んじゃった。…とぉッても気に入ってたから緋乃ちゃんの力で 消してくれないかな。ほら、蘇生くらいお手の物でしょう?』



またか。

ボクは眠いんだ。と声を荒らげてしまいたい気持ちだ。

ボクらの仕事は死んだ人間を蘇生させる事なんかじゃない。

勿論、切り裂きジャックの様な殺人鬼、或いはそういった集団でも無いがね。

………全く、誤解をし過ぎだ。


そう思いながらボクは本日3回目の昼寝をすべく瞼を閉じたのだった。



……あぁ、それとボクは自分の生き方に後悔しているなんて思った事は無い。

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