第2話

朝、倒れていた巨大な樹木は起き上がる。

男は身体を慣らす為に負担にならない程度に日課のトレーニングを行なった。そしてその後、体重計に乗ろうとしたがそもそも体重計は自室なかった事を思い出した。男は汗を流す為バスルームに向かった。



男は脚や腕どころか全身がはち切れんばかりの肉の宮で覆われていた。言うならば体質と積み重ねの賜物である。

その身体を羨ましがる者もいれば、挑戦したがる奴らもいるし何をトチ狂ったか調子に乗っていると陳腐な言い掛かりを付けてくる有象無象もいた。が、男は格闘技も武術も経験はなく、なすがままに殴る蹴るを浴びせられる事がある。しかし奴らが殴っているのは根を張り巡らされた雄々しき大木。斧や鉞を持ってしてでも倒す事は難しいであろう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

骨の姫と肉の斧鉞 モス万太郎 @RGmothumantarou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る