骨の姫と肉の斧鉞
モス万太郎
第1話
朝、少女はまず下着姿で習慣の体重計にふわりと文字通り乗る。古めの体重計は針をのんびりと右に傾かせて重さを報せる。極度に軽い、との事である。
「……」
体調の変化で前後はするが、だいたいその数値に落ち着く。
羨ましがる人もいるが大半の人間は心配する程度に少女はとにかく痩せていた。粉砂糖を振りまいたようなうっすらと白く綺麗な肌に細い四肢、妬む醜女共はそれを枯れ枝と笑ったりもしたが少女自身、それを気にしたことなどほとんどなかった。何故なら自分でもそう見えると納得しているからである。そんな脂ぎった悩みは胃もたれなんてせずにとっくに消化して骨になっている。
パジャマに着替え直し、少女は朝食の為にリビングに向かった。
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