⒊ 武視(5) お前は……
時刻は午後三時半。
『これから帰ります』
ブシュラの腕に付けられた
「もう、そんな時間か。今日のところはこのくらいにして、居間へと戻るか」
そこら中に書き連ねた化学式。
EPOCHのリング内に内蔵されているケーブルを取り出すと、それを投影機の差し込み口へと挿入するブシュラ。
何やらEPOCHを操作し始めると、空中展開された化学式のデータをそちらへと移行させた。
データの保管を確認すると、使用した器具を洗って消毒を
取り出した
そして同じように部屋の中にもあった指紋認証パネルからブシュラの指紋を認識し、金庫扉のような厚い扉が開かれ部屋を出た。
再び金庫扉のような厚い扉が閉じられその場を後にし、
「あっ、お嬢様。その手に持っているものは、まさか新しい刹那様の………」
「おお、リンジーか。そうだ、これこそ
「ゴムコードと短刀で《Bungee sabre》ですね。そのままではありますが、とても格好良いネーミングだと思います」
「そうだろう。実はさっきふと思い付いた名前なんだが、良い名だと思っているよ」
「早く
ガチャリと玄関扉が開く音が耳に入ると、中から一人の幼女と一人のメイドが姿を見せた。
「たっだいま~、あっ、ブシュラさん!」
「ただ今戻りました、お嬢様」
ご帰宅をした刹那とジョジョ。
「ああ、ご苦労だったな」
「……お嬢様。少しばかりお聞きしたいことがあるのですが………」
何やらジョジョの様子がおかしいと感じたブシュラは一声掛ける。
「どうした、何かあったのか?」
「……自らお嬢様のお知り合いだとおっしゃって付いて来たこの女の人は一体誰なんでしょうか?」
「何を言って………」
ジョジョの後ろから更なる人物の姿が現れる。
「……ごめんね、ブシュラ。君が言っていた妄想話、今なら少し分かる気がするよ」
「お前は……栞奈じゃないか!」
そこには全身血まみれになった
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