濃霧竜キヌと古の竜騎士
不死竜ディアングの鱗は語る
『かすみの谷で竜の印を
グレクより受け霧を晴らし、
霊のさまよう天宮への階段、
星見塔で、天宮にかかげよ、
さすれば――――――』
銀竜ヴェインを得た竜騎士に、
今や敵はなく・・・・・・
銀竜は南進すると、
グレク・カーヴィナがいるという、
かすみの谷へ突きすすむ、
ヴェインのあまりの速さに、
グレク・カーヴィナの場所へひとっとびと、
銀竜はどこまでも突き抜け、
やがて至るのはどこかとも知れず、
かすみを掻っ切ってひたすらにゆく、
求めるものは何であったか・・・・・・
「ヴェインよ!私は、姫の元へ急がねば」
『翼も無しにか?』「ヴェイン、お前は」
『報復は終わっていない
見届けて貰うぞ竜騎士』
一度味をしめたら竜の血を果てまですするが、
銀竜の定めか、続いていくもので、
あと谷が風にさらされていると、
「かすみ?」
『あれがそれか?ディアングよ』
「!?」
不死竜のウロコは語る、
”霞の谷で竜の印をグレクより受け、
霧を晴らし、霊のさまよう天球への階段、
星見塔で竜の印を天宮にかかげよ、
さすれば”
「ヴェイン速度を!」
『よくしゃべる、ディアングめ、誘っているな?』
「このかすみで、前が見えず
何にぶつかるかもわからないぞ!」
”さすれば竜の道に至る”と
不死竜のうろこは輝きを止め、
「このかすみ、尋常のものではない」
あらゆる光を織り交ぜたか??
『ぬっ敵か!?』
実体もつかめぬ霧と隠れた影は、
「濃い霧にこのあたりの?」
竜か、ただあまりにも引き伸ばされた影で、
『姿を表わせ!臆病者!』
濃霧竜キヌ!!
「この竜!?あまりにもおおきい!?」
『めんどうだ、突き通して裂いてやれ!!』
キヌのやわらかなこと、貫いて何が切れるというのか??
「どこから現れて、どこへきえた?」
キヌを通り抜ければかすみのみ、
『何度来ようが切り裂いてやる!』
カスミを吹き飛ばそうとするヴェインのはばたきも、
白いもやの密度に押されるばかりで力なく、
「面倒だ!北風を!」
リアス・カーヴィナ一枚うろこを胴にして、
北風竜ジェイディアの心臓竜麟、
装い新たに濃霧竜キヌの潜む深い霧へと挑む!
「行けるか、ヴェイン!?」
『遅れをとるなよ!』
2人は一刃の風となって、
竜騎士と銀竜、竜巻に!!
果てなき霧を巻き込んで、
視界を広くするためひたすらに飛び突いて抜けた!!
「やったか!?」
キヌの影から本体が明らかに?
「これが竜?」絹をまとった白い姿と、
大きな黄色く輝く翼、口に紅をした、
まつ毛ののびやかな竜は、雲のように、
宙を漂う、その動きを前にし、
『見とれている場合か!!くるぞ!』
濃霧竜キヌ!!吹き出す霧は!!
「なんだ!?しびれる」毒霧か!!
『おおっこれは・・・・・・』「ヴェイン!!」
銀竜はアタリの空気を大量に吸い込み、
吹き出すことでここまで進んでこれたとなれば、
『ぐっ!』
「ヴェイン!このまま霧の中に居ては!!」
キヌのころもがひるがえるたびにこちらの体が、
毒霧に包まれ弱る一方となれば、
「風で払うも耐え難い!」
安定せず天へ逃れようとするヴェイン、
「こうなれば!エイッ!」
リアス・カーヴィナは針骨竜ザシェイナの
心臓竜麟一枚を胴にして、
濃霧竜キヌへ針千本を放った!!
突き刺さった針の数何本かの上に、
飛び乗れば、
「霧を枯らしてくれる!」
砂竜の鱗を胸にして!一太刀を!
シュテラス&シュテラサの力!
キヌの衣を切り裂く砂の太刀!
毒霧をおさえて散らす!
キヌの体は砂となって、毒霧を吐き出すことなく、
あたりに静けさととも、かすみは薄く、
「これが濃霧竜キヌの心臓竜麟か」
はぎ取ると辺りは見通せるほどにはなった、
「大丈夫かヴェイン!」
キヌの砂となったをつらぬいた、
ヴェインの体に飛び移るが、
「弱っている!?」
『馬鹿を!ぐっ!』
かすみの谷の・・・・・・
「洞窟!?ヴェイン!もう少しだ!
あそこなら休める!!」
霧に開けた洞穴にかすみの谷のかすみ避け、
ヴェインを連れて入ろうとするも、
「ヴェイン!!」
よろけて高度を下げるヴェイン、
竜騎士のみが、洞穴飛び込んで、
転がり込んだ先、
リアス・カーヴィナが心配するも、
「ヴェインは無事だろうか?」
ただ、竜住まう谷の洞穴ならば
竜が住んでいてもおかしくはない。
「いま戦いとなればヴェインには辛いものとなるだろう」
≪それは竜騎士にとってもおなじこと≫
「!?」響く声はどこか懐かしく、
奥へ進むことのためらいをぬぐい払った、
≪よくぞ来たリアス・カーヴィナ≫
「あなたがグレク・カーヴィナ??」
竜騎士は兜を脱いで前に向き直ると、
その姿竜が人の大きさとなって、
変わったものか、竜人と呼んだものか、
「その姿は・・・・・・」
≪戦いの果てに得たものだ≫
「では・・・」
≪これもさだめ≫
竜騎士は長い戦いの末、竜の呪いを受けて、
鎧を身にまとえぬ鱗の肌へと、
竜の姿へと変わり果てた。
≪不死竜ディアングは私が最後に戦った相手
・・・・・・我が鎧を捨て置いた場所よ≫
「竜となってしか生きれなかったのですか」
≪おぬしにも分かるじゃろ?
呪詛が強くなればなるだけ、
竜に近づくこと≫
「呪詛竜のうろこを使って戦った時」
うろこの一枚一枚は竜騎士の寿命を、
竜のものと変えていくものだ。
≪竜になったとて、
ワシのようなまがいもの、
おまえには先に進んでもらいたいのだ≫
グレク・カーヴィナは、
手に光り輝く天の証を、
『お前がグレク・カーヴィナか!!』
飛び出でたは?
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