不死竜ディアング

大帝はこういった、

「ディアングは黄泉の地底湖、北東の半島に」

大帝の声こだまをかっきって爆風をともに、

ただ北西の地へと突き進むヴェインは銀竜、

しがみつくは竜騎士リアス・カーヴィナ。


両者、大地に迫ろうと海を海面を弾いて、

「ヴェイン!?」

天から半島の淵に飛び込むそこは緑の葉を

枝と避ければ、石積みの大地を天井破って!!

銀竜ヴェイン!!黄泉の地底湖へ!!


「おのれか不死竜ディアング!!」

黄泉の列石連なりの底、暗がりから、

竜が頭をもたげて天井の光りを眩しそうにか、

大きな両の手をこちらにかざしうかがう、

竜の胸には・・・・・・


「ドラクル!?なぜこのような!!」

「この世界こそ黄泉の国!

 わたしドラクルは古とされた現世へ、

 再び帰らねばならぬ!!

 そう我が家も居城も竜に

 支配されていない血族が

 地つなぎの時代へと!!!」


『ふふふ、この男の意志で、現世とされる、

 人もまばらな古の黄泉の時代へ旅立てば、

 不死竜ディアングがのみ竜のひとつ柱となりて

 ・・・・・・死者の国から、おのれら滅びが民の

 末裔を人形とし支配してやろう』

不死竜ディアングはこう言い終ると向き直り、


『世迷言を!』ヴェインが近づくと、

ドラクルの表情もうかがえるが、ディアングの

胎内に映された死者の国の姿は、

「ドラクル!!あなたは?!」

血を求める影のもの、

「吸血鬼??どちらが黄泉か!?」


銀竜ヴェインは不死竜ディアングの体を、

切り裂かんと、両の手を振るってくる、

不死竜の攻めと、長い手、触手の一本一本を、

切るも切っては再生する、不死の力、

竜騎士は翼より降りたって!!


「ドラクル!!」

ディアングの触手を竜の太刀で避けながら、

ディアングの腹を駆けて、仇討か、

何もかもわからぬままに前へ進んで、

ドラクルの前へ、

「竜騎士、邪魔立てはするな!!」

 地底湖が遡る時へふたたび・・・・・・


「行かせはしない!!」

「ヴェインの翼は!!」

ドラクルの想いを遮ったか!!!

―――リアス一撃をドラクルに斬って示す!!

「よくぞ!!この夢、果たしてくれたか」

ドラクル、

その胸に受けた太刀一太刀にディアングは悲鳴を、


現世とうつされた湖面の姿はドラキュラを、

追いつめた異国の紳士たちが、棺桶が空であったと、

他方へ目を向けたその時、その先に立ったは、

馬上の君主、ドラクル!!

「これは」

『よせドラクル!!このような』

ディアングの声を前に馬上から掛けた先で、

胸貫かれたドラクル!

紳士が手にしたヤリ一突きに灰となる、

ドラクルの影に・・・・・・

「なんという!!

 死ぬために現世に戻ったというのか!?」


「時に迷える西洋人に我が姿を一度見せて死ぬも一興よ」

『おのれドラクル!!我が不死竜の夢を叶える為に、

 この時、この黄泉の地に来たのではなかったのか!!

 伝説に!!』

ディアングは息巻いて、

『何世紀も続く伝説になれたものを、おおおおお!』

「貴様の血はここで断つ!!」

ヴェインの翼が、リアス・カーヴィナを、

ディアングから守り、その両の手を切りやって、

遠のけたのちは、


「心の臓を止めて!!不死の夢、ここで潰えよ!!」

不死竜ディアングの心臓は、

リアス・カーヴィナの一太刀に貫かれ!!

ヴェインの翼で体は分断され、千切れ飛んだ!!


「ヴェイン!」

ディアングが光を発して砕け散った中で、

「不死竜のうろこ?」

『グレク・カーヴィナだったな

 奴にも話をつけねばな』

「ヴェイン、グレクは既に??」

『ディアングは不死の呪いを人児にかけて

 生き永らえる、みにくい竜ゆえにな!!』

「ヴェイン!?」

リアス・カーヴィナを乗せて飛ぶ銀竜の翼!!


『奴の眼に囚われたものの顔を拝みに行くぞ!!

 竜騎士よ!!』

「グレクは本当に生きている?」

黄泉を渡って生きるも千年の幅、

人に貸せるものとしては悪しく長い、

竜の時、



そして人の時は動く、



「――――――ドラクルまでもが竜に

 取り込まれたとなれば、

 キングウェストのみに

 まかせておくわけにはいくまい!!」

大帝自らキングイーストと、

港を陸づたいに、軍を派遣することを決定して、

竜の教団をおさめるため、兵を進める。


「竜の古代遺跡へ進めよう」

不可侵とされた、竜王ギィンタレス、

その人の墓ともなる場所に向けて、

大帝の軍は進む、この様に、


一同はどうしただろうか?


ヴィチャームはロルッカ姫と話を、

「随分とリアスたちに放されてしまったけれど」

「そういえばバパームに似た飛竜が市場に、

 出ているって訊いたわ」

「なんだって?!」


レティクスとブアッテは教団が総本山が空で、

「レティクスだめだ、だれもいない」

「一体、信者はどこへ行ったんだ」


バニパラータは東西同盟軍に船便を手配した、

効もあってか、

「・・・・・・わたしまで軍に同行とはね」


そしてアルマゲスト姫は、

竜の祭司、イツァンとともに、

「皆・・・・・・無事でしょうか?」

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