VS竜騎士グレク・カーヴィナ
銀竜ヴェインの速さは飛竜のそれをはるかに、
追い抜き、息もままならず、
雲を尾を引いてかっきって飛ぶのもあって、
くわしく話し合うこともままならぬばかりか、
時々、とって食われそうにもなるので、
竜騎士はへとへとだ、
アルマゲスト姫は、竜の祭司ととも錫杖を手に入れ、
自ら望む、竜王がその名を残した地へと向かうが、
その場大三角の手前で繰り広げられる、
砂漠の血斗を見ること無いままに去る。
『あれあの影』
「ギゾートか!?」
グレク・カーヴィナの待ち伏せか否か、
『あの矢じりを仕込んだ輩と同じニオイだ』
ヴェイン、人の十数倍はあるだろうその瞳。
眼力を使って、遠く空をかけるグレクの姿を見てとり、
まま直進、加速する、
「グレク・カーヴィナ!!」
速力は充分、相手の影が砂地に走って波打ち、
位置も定かとなれば、このまま・・・
ギゾートは相変わらずの力に任せて、
体当たりをするが・・・・・・
『鳥の!!ぶざいで銀竜ヴェインに手向かうか!!』
グレクの太刀が飛びくるを躱して、
リアス・カーヴィナ、
「グレク!姫はどこか!?答えよ!!」
二頭の竜、からめ手が滑空に、
竜騎士グレクの連撃を打ち払う、
リアス・カーヴィナの手、
ギゾートは気圧される銀竜の翼に!
「空で負けぬなら、このチカラ!」
ギゾートの必死の猛追も翼が銀に閃けば、
うろこも爆ぜて遠のいて、その威力すさまじく、
「いける!」
グレク・カーヴィナの攻撃も手数が少なければ、
受けるのもたやすい、
ギゾート必死の抵抗にもつれる二つの竜の影は、
竜騎士におちかかり、ちらつく刃のひらめき、
火花、一撃二撃と攻めの手ゆるめず、
互い互いの手の内を読みあう最中に、
「何故!?あなたは教団に加勢なさったのか!?」
積もり募った疑問も吹き飛ばす、空の戦い、
「む!」グレクの動きとらえ、その内心を、
悟るにはいかな手立てがあるかもしれぬがリアス、
「この気迫!」呪詛を感じ取ったリアス・カーヴィナは、
かの鎧の中に潜むものを知る為に、
「試してみるか!」回転し、きりもみ飛行を続ける両者、
竜騎士が手にしたうろこは・・・・・・
呪詛竜ガブリクマタ、強い呪いを持つであろう、
古の竜騎士に対し、翻る翼の合間にその実態、
見てとれるか?
「もう少し」
鎧全身を瞳におさめてゆっくりとその姿を眺めると、
「この鎧!」
追ってくるグレク・カーヴィナの一太刀を弾いて、
確信した、リアスに、
『よそ見か!竜騎士!?』
とヴェインが言うものの、
「グレク・カーヴィナは」
その鎧は、「空っぽ」
鎧のブレと今や見通せる中身の呪詛、
そして一枚胴にある呪いのうろこは内側に?
「呪詛しかない!!グレクは」
『なにをたわけたことを!!』
ヴェインとリアスに迫るグレクとギゾートの、
一身同体ともなる太刀筋、
これを防いで切り払ってなぐが連撃を、
前にかの鎧の発する邪気にむせるようで・・・・・・
ヴェイン
『ちょこまかと!ノミかシラミめ!』
相手の勢いをいなしたはヴェイン、
間に呪詛の苦しみようかこのうろこ、
扱い勝手も一時のものか、
『リアス!何をもたついている!ふりおとすぞ!』
銀竜の身を翻っての風に気を取り戻せば、
一瞬のうちに、
うろこを脱して、グレク・カーヴィナに向きなおす、
「喰らえ!!」一突きに砂漠へ、
グレク・カーヴィナを叩き落とすも、
未だ健在と鎧の隙間から煙をまいて立ち上がるさま、
「傀儡め!!」リアス・カーヴィナ一人相手に、
立ち向かって二撃三撃を打ち据えるのをしのぐ、
グレクはギゾートの支えも無く押されて、
かたも無くたじろぐように、
「やはり!」
その実態を見知ったならば!
「グレク・カーヴィナの偽ものめ!」
飛びかかる竜騎士の鎧はグレク?
「砂漠についえよ!」
リアス・カーヴィナの剣が一閃が、
鎧に入った時、吹き出した邪気は風にさらされ、
グレク・カーヴィナはその身を砂に沈めた、
かの鎧が竜騎士その人のものであったかは知れぬが、
「このうろこ?」と翼の流した風に当てられ、
翻るマントを身でおさえると、
ヴェインはギゾートをひきちぎり、その肉を
喰らってのどに通す、
『この味!このニオイ!この血は!』
「ヴェイン!討ち果たしたか」
銀竜は大声をあげて、
『知っているぞ!!』
『けしかけたな不死竜ディアング!!おのれ!!』
怒気とともに熱を発して、一層に熱い息をまいて、
飛ぶ銀竜ヴェインが向かう先は??
「このうろこの持ち主か?その名は」
リアス・カーヴィナの手にしたうろこを飛びままに、
もぎ取ると、
『これが』
竜騎士はヴェインにぶらさがるも苦心し、
『不死竜ディアング!』
「ディアング?」
『大人しく死んでおればよいものを!おのれ!』
怒気ともに熱を発して、一層に厚い息を、
まいて飛ぶ銀竜ヴェインが向かう先は??
「ヴェイン!?待て!」北へ!!
砂漠の北、大陸の北岸にある街並みを港と、
かっきって、水中都市の上を波立たせると、
その翼は何者の仲裁をうけたにしても遠く過ぎ、
ただ不死竜ディアングの待つか?
北へと海をひたすすむ、海風を強く受け日の光りを、
浴びてなお遠くへと早飛びに、
「大帝の港までとぶのか??!!
途中に島があるとはいえとても・・・だが?!」
竜の祭司は南にあって、まったくの逆向きへと、
進行することになったことをヴェインに伝える術、
なく、太陽さえ追いつけぬのかその翼の行く末は、
「なんだ!」
キングウェスト、西王国の艦隊はしんがりか、
会場を突き進む一つの翼は、竜の翼と伝心官伝えに、
手旗と旗印で旗艦に及び伝えたが、
「我らに翼は無いのだ!!
すておくしかあるまい!!」
大砲もむなしく、たたずみ、
そのまま進めば水平線ににじむ大陸の、
「よもや本当に大帝が港まで突き進むとは!!」
未だ空の自由は竜のものとなれば、
誰にその行く末をとめられるものか!!
「竜だー!!」「おのれ!こんな時に」
「大帝!?」
気づいた時には、大帝が自慢の中庭から、
玉座をうかがう、
「竜騎士、リアス・カーヴィナか!?」
城内は騒然とし、銀竜にヤリ構え、
矢を弓につがえるが、
「いや待て、わが友だ、武器を下ろせ」
『東ニンゲンの王となれば
不死竜ディアングの名は知っているだろう!!』
「この竜?銀竜か?リアス・カーヴィナ」
「大帝」
「ドラクルめ!我が家宝の短刀を奪い、
不死竜から黄泉渡りの秘宝を!」
「なんと!」
大帝の都を騒がせているのは銀竜ヴェイン、
だけではなく、かのドラクルが為した裏切りに、
あったと、
『ニンゲンのやることは知らんが、
不死竜の寝床の場所を教えよ!!』
不死の秘宝のありかを、
大帝は銀竜に語りはじめる――――――
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