大砂漠の銀竜ヴェイン

そこには、

竜の翼をふたつ左右に繋ぎとめたかのような、

翼だけの機械があった。

「今も空では・・・・・・銀竜ヴェインと

 たたかっていることでしょう」

機械の湖から見上げる天に、

何が映っているのだろう?



雲とともに飛ぶ、



大空を舞う翼は大砲に連射銃など準備万端で、

空を飛ぶ、が銀色の光りに応戦する火力は、

次々に虚しく弾かれて・・・・・・

翼の一機が二つに分断されて落とされた時、

銀竜はゆうゆうと次の獲物を探しているのか、

『他愛もない、蛾の一匹か』と、

大声で鳴いている竜は、

『我が名は銀竜ヴェイン!

 骨のあるものはおらんのか!!』


迎え撃つために現れたものは、


『またも落とされに来たか!』

その翼、ヴェインを前にひるまず、

「竜騎士さん!頼みましたよ!」


「銀竜ヴェイン!」『む!!』

両者かすめて通ったが、

「我が名は竜騎士リアス・カーヴィナ!」

『竜騎士の一匹がまだこの地に生きているのか!』

「銀竜の一族ともあろうものが

 落ちたものだな!」


『竜騎士!!いわせておけば生意気を!』

「銀竜!機械の翼に臆したか!」

機械の翼についた迫出しにしがみつくリアス・カーヴィナ、

機銃はヴェインの翼に雨あられで鉄の弾をあびせるが、

『おそいわ!』

パッと抜ける銀の翼には傷一つつかず、

『我が名を口にしたことを後悔させてくれる!』

銀竜、竜騎士食い殺さんと、

『落としてやる!』

素早い翼の一閃が、機会を後ろから追い抜いて、

竜騎士を薙いだ!!

「うわ!」

操縦を失って、高度を下げる翼は煙を吐いて、


『やったか!?ぐ?』

翼に竜騎士の太刀が突きたてられ、

「よくみて狙うことだな!ヴェイン!」

『おのれ!砂丘に叩きつけてくれる!』

急降下は、勢いを今までの何倍とも、

「うわ!!」

『ははは!まだつかまっているのか竜騎士!

 地に叩きつけられて死ぬがいい!』

身動きもとれぬままの竜騎士は、

「このままでは!」

ただ速度増すばかりと近づく大地は砂丘に砂煙!


ドザッ!!とうって出たは!!

『なんだ!?』「これは」

砂の山が突然の噴火か?!大降りの砂粒をうけて、

ヴェインの翼弾きながらも上昇するが、

「砂竜!?もう一匹いたのか!?」


砂竜シュテラス、シュテラサの双子竜であり、

大きな口と牙を同じく持つ!

『きさま!!シュテラスか!』

「シュテラサとシュテラス!?」

銀竜とシュテラスもつれながら砂丘の上を飛び、

砂を巻き上げ爆進す!!

「もはや前も後ろも分からぬ!」

砂竜滑走して進む先から、ようやっと外れて、

天へ逃れる!!

『おのれ!銀竜ヴェインに砂をかけるか!!ゆるさん!』

「ヴェイン、力を貸せ、あれは取り残した片割れ、だ!」

『ふん!』

天より見下した先の、


砂竜シュテラスに対して、

『理由などこの翼が前に掻き消えてしまえ!!』

「よしこの速さなら、シュテラスを!!」

左の翼にとりついた竜騎士を「!?む!」

ままにしてかっきる翼は刃と同等か!!!

「このままゆくより!!」でやっと構えた、

竜騎士の太刀と銀竜ヴェインの翼に、

かじりつかんb狩りのシュテラスも!!

『はははは!』

ヴェインの前には、歯もたたず、

「このはやさ!刃を保つだけで手一杯というに!」

ズズズと走る翼と刃に血しぶきが!!


かっきって通った先、シュテラス、

二つに分断されて息絶えた!

『役にも立たぬ牙だな』

「化け物め、だが退く気は無いぞ!!」

銀竜、急に身を転じたかの勢いに、

刃を構えて、ヴェインの追撃に備えるが、

『そんなことよりこれはどうしたものか』


「砂竜の?」一枚竜麟は心の臓を守るものか、

『みろ』

「シュテラサ、シュテラス、砂竜、二匹のハートを合わせてひとつか」

銀竜ヴェイン背を大地にと飛ぶもので竜騎士慌てて、

ヴェインの胸に飛び乗り、

『これはどうだ』

「やじり? 教団の印が!?」

『おのれらのやることはわからんが、

 銀竜ヴェインにかの竜をけしかけたか・・・』

「ヴェイン、私は約束を果たすために

 行かねばならない・・・・・・お前は」

『ゆるせんな』

銀竜は、翼より蒸気を吹き出すと、


『銀竜の翼!砂で汚すとは!!』

銀竜、速度をあげて正しく向き直り、

「うわ!!」背で竜騎士を受けると、

『いいか!貴様の持ち込んだ災い

 キサマの血で償ってもらう!!』

「ぐう」リアス・カーヴィナかかえたままに、

『この矢じりが相手に対する報復も

 つきあってもらうぞ!竜騎士!』

「名はリアス・カーヴィナ、

 果し合いの相手はグレク、

 グレク・カーヴィナ」

気圧された竜騎士に怒号を!!

「知ったことか!!」

背で竜騎士を受けて、飛ばす!!


銀竜の向かう先にしがみつくこと手一杯の、

リアス・カーヴィナ!!

進む先は南、グレクもこの砂漠を越えた位置に、

待ちかまえるのか?!

南の大三角ともなる遺跡に、古の竜王ギィンタレスの持つ、

錫杖が眠るとされる伝説も、教団が求めるひとつか、

銀竜の翼の上で見る景色は、


グレク乗るギゾートの影を求めて目を凝らす竜騎士には、

遠いこととなって、

アルマゲスト姫の所在さえ今や果てのこととなる。


戦いは銀竜の求めるままに、

大空をただ突き進むまでのこと、



同じ空を舞台に他の者達の動向はいかか?



「姫の元へとはせ参じたつもりであったが

 ・・・・・・レティクス」

王の船団は本体の先発隊が入り江と港に入り、

「教団は竜の祭司イツァンが好きまま

 操っているようで」

総本山となる地帯にどれだけの数、

教団の信徒が残っていることだろうか?

悪竜使いが関与してのこととうかがえるは多々、

何もかもが陣立てどおりとはいかず、

相手方に加わっている人数、

その所在と正確な場所も知れぬとあっては、

「調べるほかないか」


丘の民の一部にも教団の集会所があると、

派遣した兵を現地の民とととも、

丘の村落に向かわせたが、

そこにあったは数千人は住めるだろう街並みの、

空虚な跡ともなって、

「人手が必要と言えど・・・」

悪竜の影も無く何処へ・・・・・・

教団の人々は行ってしまったのだろう?

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