砂竜シュテラサ

2人の竜騎士の戦いは、

若き飛竜バパームとリアス・カーヴィナを、

別離と追い込み、今まさに死地で彷徨う鎧、

刃は日差しで輝き、歩みが弱まっても、

体を支えるに力、充分とは言えず、

時ばかりが砂と過ぎる。


剣を突き、足跡さえすぐさま風にさらわれて、

うろこ幾枚かを涼めぬかと試したこと幾度、

幾時間か、脱いでしまえばよいものも、

その気無く、ただ、広大な砂漠の中で、

死を待つ時間は、「先も見えぬな・・・・・・」

膝をつき、倒れた竜騎士は弱く一つ、

拳もついて、立ち上がろうとしたものの、

もはや右や左、ありとあらゆる方位、

ここがどこかも定かでないなら砂とまぎれて、

熱された鎧ばかりが残るか、


かげろうに、青白い空に浮かぶいくつもの影を、

見た時間は、ほんの少しでも、日に当たることを、

避けようと、日陰を求めた、行動の軌跡は、

砂地をはしるトカゲとヘビのかけっこか、

声も出ず。



気付くことなく、人影が日差しをほのかに、

さえぎったかそこより先は闇のみとして、

水の粒を、体に受けたと感じられた時に、


「ここは?」暗い部屋をわずかな灯りが

照らす寝床はすずしく、

「気がついたか!!竜騎士よ!」

人の存在に安堵とひとつ息を、

もてなされた、たべものを口にして、

器をすすると、「樹液?」

「ええ、甘露でしょう?」

甘いさわやかな流れがのどを潤すが、

広場などは水を湛えて・・・・・・

どれくらいの日にちを寝て過ごして、

いたのだろうか?


「この場所は、砂漠から遠いのか?」

「いいえ古の軍団がこさえた地下壕、

 地底都市です」

砂漠の民の町に入ったればあとは・・・・・・

「竜の噂を・・・・・・教団の話を誰か知らないか?」

「長老に」

案内を続ける村民に、行く先で軽く飲み、

果実や、水でのどをうるおしながら、

ふと首回りにてをやるが「?」

気になる体の変調も、砂漠での九死に一生、

仕方のないことか・・・・・・

「ゆっくりいきましょう、

 鎧や武具はあそこにしまって」


と、「地震!?こんなところで!!」

砂などもなだれ込む状態を見て、

緊急事態を伝える、鐘打ち鳴らしての連絡、

ご苦労、「砂竜だ!」

「竜?とあれば!!」

すぐさま倉庫に入った、

リアス・カーヴィナは武具を身に着ける。


その名を砂竜シュテラサ!

長年、砂漠の民は地底都市で堪えてきたが、

日に日に攻めますシュテラサを前に、

地下壕からの応戦用の塹壕などもいくつか、

やられ、用水路を断たれないかの不安尽きず、


「ここも潮時か?」村民の不安をよそに、

シュテラサの居る砂丘の咆哮へ走る地底トンネルは、

出口もふさがれ、「わたしがいこう!」


竜騎士、鎧と太刀を備えて立つ、

リアス・カーヴィナ、出口をパッと、

解き放った先の、砂丘を見だすシュテラサの姿を、

砂漠の太陽ととも見てとったが「大きいな!」

砂を巻き上げて移動する、砂竜の姿を目視するにも、

何度となく出ては消える相手だ!


砂の波しぶきかともみえる多量の砂を横にやって、

退けるが、「斬るすきも無しか!」

砂漠を根城とする砂竜に対しいかな手が?

「よし」

手にしたうろこは北風の―――!


たちまち砂塵竜巻となって、シュテラサが、

潜むその砂の城をパーンと打ち払って進めば、

「その姿が!!」竜巻を当てればあてるだけ、

あきらかとなるシュテラサの姿!


「砂竜があんなに大きいだなんて」

遂に尾っぽが先まで明らかになったシュテラサ、

そん姿に、「砂を操るは砂竜ばかりと思うな!」

「シュサー!」

砂竜の鳴き声をいかにこなすか?!

大形の竜である砂竜シュテラサに北風を吹きつけても、

その厚いうろこを脱がすことかなわないが、

「ならばと勝ち取ったこのうろこだ!」

手にしたうろこは時のうろこは歯車の!

歯車竜ギヌェン心臓竜麟一枚洞にして!


「ゆくぞ!時を駆ける!」

砂のかかる間なくチクタク刻みで、

秒針の合間を飛ばしたかのごとく、

砂竜の攻撃を避けて通れば、

戦いのゴング打ち鳴らしたのは脳裏とスカル!


時のウロコで砂竜の上を走れば、コマ送り、

歯車の刃を缶切りのように走らせて、

シュテラサむき身と肉を殺がれるばかりか!!

『シュア!?』

「気づくも遅い!!」正面へ戻りし、


リアス・カーヴィナの太刀は星の流れとほうき星、

「グラステイガ!!突き通せ!!」

星はスパークしてはじけ、シュテラサの体内を、

かき切って突き抜けた!!

「やった!!」

「これが竜騎士の力か!!」


砂に沈む散り散りとなった砂竜の姿をうしろに、

「おお竜騎士よ我らに助けられることあらば

 ・・・そうだ!機械の湖に招待しよう!」

「長老!あそこなら翼も!」

「機械?翼?」


機械仕掛けは歯車竜ギヌェンとの戦いで、

散々であったが、「これは?」

大地にぽっかり縦穴の壁に築いた石切り場、

底に見えたる金属のスクラップ、

「我らの先祖の文明を掘っておるのです」

既に枯れた湖を前に長老は言った。

「なぜ?このようなもの・・・・・・

 運び出すも一苦労でしょうに」

「使えるものを掘りだして・・・銀竜を倒すために」

「?」

「銀竜といえば噂に聴く、しかし伝説では?」


その翼で数多くの竜と騎士を切り裂いたという、

竜族きっての大翼を持つとの伝説である。

「ええ」

「我らが、ここより出るのを阻止するように、

 かの翼は、大空を支配しているのです・・・・・・」

「分からぬ」

竜騎士の困惑を前に、

「ついてきてください」

先へさきへ、古い機械を横目にして、

「ここを通れば

 かつて我々がどのようにこの地へ

 たどり着いたかが分かります!!」

広い坑道はまるで竜を一頭ゆうに入れられる、

アーチを描いて、

「このような・・・奥地に何があるというのか??」

「翼です」

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