呪詛竜ガブリクマタ

呪詛竜ガブリクマタは、

竜騎士リアスカーヴィナの走り回るを、

踏みつぶさんと、ぐるぐると追廻し続けている、

その度竜騎士は一撃を浴びせかけるが、

「ぐっ、今一度!」

ガブリクマタのあふれ出る呪詛を前に決め手とならない。


ドラクル、竜騎士の戦い様を見て、

「うまく、ひきつけているな・・・・・・」さっと、

竜と姫の間に入り、二つを紡ぐ呪詛の縛りを、

見てとったか、

「互いの命を繋いで、巧妙な

呪術師でも雇ってのことか!」

パッと光を為して、呪詛の縛りを断ってしまえば、

ラクになるか、「?!」

呪詛竜、焦ったものか、呪詛を吐く口をドラクルの、

方へと向ける、姫は!?

「おのれ魔術師ふぜいが!手向かうか!」


この間に、リアス・カーヴィナ、

火炎竜イオラルヴァの心臓一枚竜麟を胸にして、

転身し、ガブリクマタの呪詛を焼く!

「呪詛竜よ、人の口を借りてものを言うか!」

『ははは!この娘と一族もろとも、

 我が呪詛のとりことしてくれるわ!!

 狂い死ね!竜騎士!!』


「む!?」呪詛は焼けば煙と立ち上り、

辺りを包むか、「なんの!!」

リアス・カーヴィナ、力を込めてマントを、

炎とし煙を消すもののの、

「消耗が激しい!」

火力を増してくれる追い風も無く、

「ぐうっ!!」

呪詛竜の体当たりを煙の中で予期できずに弾かれた!

「呪いだけではないと!」!?

既に巻き散らかされた呪詛と呪いうろこの数だけ、

地面は埋められ、足場無く不利に、


「ドラクルは」

姫を取り押さえるに成功したか、

呪詛の言葉吐く、姫の口をマントで覆い、

辺りのガスや、

ガブリクマタの呪詛吐きも呪いも薄まって、

「よし!!」ガブリクマタ本体へ足早く進み、

近づくに成功したが、

「未だ足場は不確か!!」

「ブアッ!」呪い言葉が域で現れ、

宙を覆うを炎の太刀で切り払う、

「まだくるのか!?」

ガブリクマタ


底なしの呪詛呪い言葉、先代、先先代、

いくつもにも増した執念の吐息に持ち手も痺れる、

竜騎士の太刀、「ここまでとは!!」

膝に力をとひと踏ん張りの息はある。


「燃えよ!!」と己が肺をふいごと声を新たに焚きつける、

「焼き尽くしては過去の因縁!

 罪業ばかりをくべる古木の枯れ枝よ!!

 乾いた音を爆ぜて燃えよ!!

 ガブリクマタ!!」

火力は白熱!!


「おのれ!!竜騎士風情が!!

 呪いの重さに身を滅ぼすがいいわ!!」

ドラクルの隙をついてすごい形相のテアリナに、

ガブリクマタの呪詛も勢い増す!!

「危ういな!」と、ドラクルがとった行動は!?

「ドラクル!?」姫の暴れように、

己を押さえられぬか!首筋に!!吸血鬼!?

「なんと・・・・・・?!」呪詛の印はガブリクマタの、

紋様を姫の首筋より引きはがし、印を指で斬る、

「では相手をしているこれは、ガブリクマタの分身か!!」

「本体に帰ったようだ!!心して挑め!!竜騎士!」

ガブリクマタの尾を引く影か呪詛の印、今、

ガブリクマタ一体となり襲いかかる!!


正気にかえって崩れかかるテアリナを、

支えるドラクルの助言を受けてか!!

「オオオ!!」ガブリクマタ呪文を解かれて、

制動が効かぬのか、自らの足場である呪詛の場を、

踏み荒らしてか!!

「しめた!」


竜騎士リアス・カーヴィナ、間合い充分に、

既に火は青白くまでに強く刃はこうこうと輝く!

「くっおのれ!竜騎士!!貴様の精神一切まで、

 腐らせて!!!滅ぼしてくれるわ!!」

「ガブリクマタ!そん首!」


振りかぶる、炎の太刀はガブリクマタ、

赤土のレンガか肉体を焼き切って、呪詛の根源、

ごと肢体バラして崩した!!

「おおおおお!!まだだ!まだ呪詛は尽きぬぞ!!」

立ち上る無数の呪い言葉に忌み言葉、

嵐となって吹き出たを、

「その執念!!ここで打ち止めだ!!」

火炎竜巻は、ガブリクマタのそん身と呪詛の逃げ場も、

与えぬ炉となって、


「おのれ!!」ガブリクマタ妄念と、

崩れた体で立ち上がるが!!

「とった!!」鋭い一振りが、

ガブリクマタを打ち砕き!!!その呪詛の一片、

たりと残さぬ必殺の太刀となって切り裂いた!!!


「よし・・・・・・」手ごたえは十分、

呪詛のウロコを手にして、力を封じたことを、

実感出来た。

「どうやら秘宝の片目は奪われたようだな!」

「ドラクル、姫は無事?なのか?」

「心配はいらない、気を失っているだけだ」


「城へ戻ろうか?姫は、

 私とバパームが送っていこう」

ドラクルとカーヴィナは城に引き戻すも、

「おーい!」「ヴィチャームか!!」

「二人とも大変だ、アルマゲスト姫がさらわれた!!!」

「なんだって!?」

「レティクスやブアッテも後を追っていたらしいが・・・・・・」

「ともかくエデアクに引き戻して、策を練らなければ!!!」

三名は城に戻り状況の説明を

「おお、テアリナ、無事だったか!!」

「アルマゲスト姫の行方に心当たりは?」


「城のものに探させているが・・・・・・」

「そう教団の竜が現れたのは確か、

 教団の総本山は東の城近く、丘の民が、

 よく知るというが―――」

「あちらの城には姫のご親友

 ロルッカ姫様がおられるというが

 ・・・・・・もしものことが」

「ともかく、リアス・カーヴィナ、

 向かわせていただきます、

 ドラクルは大帝に?」

「いや竜騎士どのについていこう、

 ヴィチャームどの頼めるだろうか?」

「へ?僕は、リアスと一緒に」

「緊急の事だ、ご伝達願いたい」

「ヴィチャーム、またあとで落ちあおう」

「わかったわかった、君が言うなら仕方ない」

ドラクルと竜騎士はより深く東の地へ、


「リアスは僕の姫様なんだから、

 あまり連れまわしてほしくはない、

 もんだねドラクル」

竜使いのおもいが先にある大地は竜の伝承と、

その遺跡の乱立する地帯へ向けて、

バパームと竜騎士はひたすすむ、

エデアクの城から一隊が派兵され教団の総本山と、

もいえるあたりへ進むのも、彼女に続いての行軍となった。



風向き行先つげるものもないが、

影ばかりを残す、教団のものものを前に大した時、

竜騎士にいかな試練が待つかは、遠い空のこととなるが、

海は・・・・・・

西の海はどうだろうか?

「カモメか?ウミネコか?いいレンズが欲しいね、うん」

バニパラータの船団は今や、大帝の通商手形まで、

手に入れてのこととなれば、

「さてと、あらかた運航の予定は、組めたと、

 あとは西で荷を下ろせば、大概は済むし、

 しばらく、休めそうだね」

「へい!へっへ、帰ればたちまち有名人ですわ!!」

が旗が見えたがいかなものか?

「なんだいありゃ?」

「キングウエスト――――――

 西王国連合船団の旗!?戦でもする気か!

 時代遅れの遠征軍とは!!」

「姉御!いや、バニパラータさま!

 伝言旗あげてますぜ!・・・・・・

 ”大帝への通信使頼む”と!

 商船を荷主の要る貿易船は運航通りに、

 こちらの旗艦はあちらの隊列へと・・・・・・

 船長のっけて、加わるようにと・・・・・・」

「冗談じゃないよ!」


海の荒れ模様は波しぶきに乗せて、

同じ風の吹く東の地へ、


「おうレティクス?リアスを待たなくてよかったのか?」

レティクスが姫を連れ戻すと単身出ようとしたので、

エデアク城は、レティクスに護衛の兵をつけて、

送りだした、

「姫が行ってしまわれたのは僕の責任だ、

 竜の祭司の口車から、強く、おとめできなかった!」

「とはいってもだな・・・・・・」

「城までならこちらが先に!」


アルマゲスト姫、その人を追って走りだした、

人の数は幾知れず、はて?どこへいったかその姫は、

竜の祭司の狙い、そして、竜騎士の行く先、

ロルッカ姫とは? いかな運命が?

丘の民、竜の教団、東の城と果ては、

どうなることか???

飛竜は急ぎ飛ぶことしかできない。

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