歯車竜ギヌェンと東の地の大帝

「ギヌェンの首!おとしてみせる!」

飛び乗った歯車はガコンとしずみこんで、

べつの歯車高速回転、

「円盤が!!飛び出して!!」

刃で避けるが、果てしないゼンマイ仕掛け、


あたらしい歯車と仕掛けに飛び移るたびに、

あちらの仕掛けが作動して矢!「うわっ!」

こちらの筒から飛び出す火!「わっ!」

道のりはいくつもの歯車の上、仕掛けに息を、

切らせず間髪入れず、


不規則な攻撃が時計のチクタク音とともに、

進んでいく「なんの!!」

ベルトコンベヤーは速く動くが上から啄む、

鳥のくちばしは恐ろしい!!

重石がぐんと上から落ちれば、人の首を飛ばす、

ようなギロチンを畏れて、

転がり込んだ先の配管、ポンッと上へ吐き出す、

上昇気流にうろこをつけるひまもない、

「ブアッテ!ぶじか!?」


リアス・カーヴィナ、やっとの思い出上の上まで、

たどりついたが、底でか後方で聴こえる2人の、

悲鳴に、目を向けるものの、

「なんとしても仕留めなければ」

足場は細長い棒!飛び石と足に掛けて渡る!


ギヌェンの顏の前にある大きな歯車に着地した

ところに、――――

「円盤!?鉄球!?集中砲火か!」

どんどんとギヌェンの本領発揮に、

人の手は拍手で応えるものだが、足腰にも堪える!


「一撃を!!」ギヌェンとつぜん、ドンと、

グローブかマジックハンドの拳うちより飛び出させ!

「くう!?」

リアス・カーヴィナの剣はじきとばした!

「しまった!!」

おおお、と観客のどよめきまま歯車に着地するも、


剣を取りに行く間もなく、連撃を繰りだす、

ギヌェンの仕掛け、ガッコンガッコン!!

レティクスは、リアス・カーヴィナに集中する、

攻撃をみて、「剣は!?」

仕掛けに挟まった武器を、取りに足で駆ける!!


ブアッテは「こういう仕掛けはな!」

苦手化、底の方でぶら下がりながらも!

「この柱?」突然倒れる柱の仕掛けを受けて、

「おお、いてて!」体で支えながら、耐え進む、

「進退きわまったか!くっ!!」

「さすがはギヌェン、攻守とも、見事、

 天守を攻略させない鉄壁か」

「大帝、もうよろしいのでは?余興も、

 これではすぎたものかと」

「いや、ギヌェンは時計、昼食会までは、

 時を刻ませよう」


バニパラータの興行試合より何倍かは手の込んだ、

もてなし・・・・・・だが、「とれた!!」

レティクスは竜騎士の刃を両手にバランスを、

取りながらすすみ、はねてかける、ものの、

「これはキツイ!」仕掛けの速さ、

とどまってはくれない、

「うおおおーーーーーーし!!」

奈落から大声とともに出たはブアッテ、

石柱を両手に飛び出して駆け上がる勢い威勢良し、

「無事か!!二人とも・・・・・・なら!!」


両手が空いた竜騎士は星のウロコを胸にして、

足早く、ギヌェンの攻撃を避ける!!

「グラステイガは牙でなく星!!」

夜空をかける流れ星、攻撃を楽に躱せる手合いだ!


「なんと、よくやるものだ・・・・・・?ん?」

「おらあ!!」ブアッテは、仕掛けの歯車が、

まとまっている変則的な歯車に石柱を突っ込み、

ギヌェンの動きが!?

―――ドンッ!?といたるところの配管で、

破裂音がした!!

「これは!?」ドラクル身を傾け

「よし!!!」足場が楽になったところを、


「剣を!!」リアス・カーヴィナの居る大歯車に、

向って、投げた剣は回転して竜騎士もまた、

間合いはかってこれをうまく引き受ける!!


「喰らえ!!」パズヌンタの一角、竜麟を胸にし、

リアス・カーヴィナ、ギヌェンの心臓部一突き、

のちに切り裂いて、「これは!!」

歯車竜いたるところから仕掛けを飛び出させて、

完全に故障してしまった!!

わっと吹き出すスパークは花火か?!


「―――時計通りとはいかぬものだな、どれ、

 丁重にもてなすように!! 竜騎士どのに

 お望みのものを!!」

時のウロコをギヌェンが吐き出した宝箱から、

手に入れたリアス・カーヴィナ、

「手形を発行しよう、竜騎士一行の入場を祝して!!」

パッと散るのは紙吹雪か大弾幕? 歓声を前にし、

影となる、通路へ、竜騎士らは退くも、湧きやまぬ、

声は未だ響く。




「長旅、苦労のことと、ささごゆるりと」

帝国の歴史はさることながら、何より国の、

秘宝ともなる、竜の伝承にある数々の、

「謎の竜騎士が

 竜王ギィンタレスの残した遺物を集めて

 まわっているらしく」

「ここ、帝国が庇護の対象とする二つの城にも、

 竜のふたつ瞳なる秘宝が納められているとも、

 あってな」

「なにより竜が未だ住まうという遺跡の数、

 だけでも―――いや、この話は、 

 アルマゲスト姫とおちあってからとしよう」

姫の待つ宮殿までは中庭が広く取られた明り取りに、

なっていて、庭ぞいの道を進んで、

「あら、リアス、レティクスも、ブアッテも!!」

と、おどろくのもつかの間、

「―――おおよそあの機械仕掛けも、魔術の類か、

 悪竜のそれと似つかいます」


「ええ・・・・・・東は教団の本土、悪竜の伝承の元

 となれば・・・・・・いよいよ」

話を続けるのも考えるのもあとと、

「ほら!みんな!宴会なんだろ?

 すこしは控えろよな・・・・・・」

とバニパラータ、

「体を死ぬほど動かしたあとなんだよ、

 少し休ませてくれないかな?」

「食って飲んで寝ればなおることだろ?」

「船でお荷物やって

 カラダなまってんじゃないのかね?

 今日のメインはわたしだろ!?

 ほらほら!」

バニパラータと水夫の数に押されるが、

この先幾度の戦い激しいなかで、

この竜を運ぶ大船団は陸を進むことかなわない

「さよならじゃないけどさ!!

 ご餞別!!だろ??」

大賑わいのもてなしも、大帝のはからいなればこそ、

はたして、先の先にある狙いは何か?

分からずも、東入りを果たした竜騎士に祝杯を、

「乾杯!!」

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