一角竜パズヌンタと闘技場

バニパラータ達が船で進む内海を東西と分けて、

管理するに、東側の海と港を大帝が治める中で、

もっとも大きい大帝の港に、悪竜や竜の遺骸を、

積んだバニパラータの船団がようやく着いたあたり、


「かつて竜王ギィンタレスがすべての国の礎となる

 竜を竜騎士とともに討伐したことからはじまり、

 この地で竜使いたちが一同に介したことから、

 竜王の伝承がある東の地での祭りごと一切はここ、

 大帝が取り仕切ると・・・・・・」

アルマゲスト姫は古いことを良く知る。

「ヴィチャームは?」竜騎士らは大帝の港での

観光と荷卸しの最中にあって、それぞれが別に、

待遇を受け・・・・・・

「竜使いどのには東にある山城へ書簡を」

応えたのは黒い丈の長いローブ――――――

黒づくめか、身の丈の整った浅黒い肌、


「背の高い・・・・・・」男だ、リアス・カーヴィナは、

見上げる背丈に妙な力を感じたか、

「竜騎士殿ら御三方、ブアッテ、レティクス、

 でしたかな? 大帝がお待ちです」

三人が通されたのは、「広いな」

闘技場、アリーナだった。

「なにかの冗談かな」とレティクス、

「いや、みろよ、さっきの」ブアッテは見た、

「大帝と・・・・・・」リアスは鎧のまま備えるが・・・

「よく参られた!!ドラクルに案内させたが」

・・・・・・


「名乗らなかったのか?ドラクル」

「彼女らを案内はしました・・・・・・が

 待たせては何です、始められては?」

「まあいいか・・・では御三方さっそくと

 言っては何だが」


「竜と戦っていただきたい!」

大帝が手を叩くと闘技場、アリーナに集った、

観衆は大層湧き立ってのこと!!

「冗談キツイよ」

「かの竜は一角竜バズヌンタ!!

 奴隷闘士たちが数多く挑み、

 その命を散らした、凶悪なる一本角!!」


「――――――数多くの龍を倒した竜騎士どの、

 なら、たやすいことでしょう!!」

パズヌンタは四足で走る一角竜!!

その素早い進撃はアリーナ狭しと駆け巡る!


試合開始!!


「冗談じゃない!わっ!!」

レティクス急いで逃げるものの相手の追撃は、

しつこい!!

「柱に隠れろ!レティクス!ブアッテも!」


が柱をガーンっとうがつパズヌンタ

「ブアッテ!レティクス!」

リアス・カーヴィナはパズヌンタの興味を

ひこうと挑発するものの、

「この竜・・・・・・若い?」

「ええい!!鱗を使って!!」

岩壁竜のウロコ一枚、ドスンと地面を突き、

岩山を作って仲間を護りながらの健闘となるが、

「パズヌンタの一突きを一枚洞に受けては

 無事かは分からない!!」

おとろえることをみせないスタミナをみせる、

パズヌンタを前にして、


「だが岩の壁で勢いは弱まった!」

パズヌンタの足を止めてしまえば相手の動きを、

見てとりやすく、

「よし!!攻め手に充分とみた!!」

「よくやる!!にげないで」


岩壁より星となりて、パズヌンタの横首を強く突いた!

「やった!?」

「いやまだだ!!飛びのけ!!レティクス」

パズヌンタの厚い皮に充分と言えず―――

竜剣が刺さったまま引きずられぶちかまし、

石柱をいくつも倒しながら、

「パズヌンタは兵士大体、連隊つらなりの

 編成で、捕まえようとしても何度となく、

 逃げおおせた足を持つ・・・・・・

 竜騎士一人が万軍に匹敵するとは、

 いかないようだな・・・・・・」


「大帝、どのような怪物も一度機にあたれる兵は、

 目の前の相手のみなれば」

「ともすれば」

リアス・カーヴィナの二撃目は!!

「火炎竜!!」

炎をまといてその刃!一角竜を丸焼けと尽くし、

炎をゴゴゴと!!!


パズヌンタ逃げ惑うも厳しく、その身をどっと

横たえたは・・・・・・「やったリアス!お見事!」

観衆の湧き立つを横目に、

「こいつは勘弁だ

 かなりキツかった」


「すばらしい!! 一角竜のうろこ確かに、

 そん胸におさめてくれ」

一角竜パズヌンタの心臓竜麟一枚胴に、

「迎え入れられるならもっとマシな

 もよおしは無いものかね?」

「ハハハ!!いやそれでは出さぬわけには

 いくまいな、ドラクル?」

―――なんと?

「次の相手!?戦わせるつもりか!?」

「竜を?いやそんな何頭も捕まえて、

 生け捕りにしておけるものか?」

「心配御無用!!このアリーナ自体が

 竜の牢獄ならば!!!!」

「なっ!!!」 地面が揺れたと、


ゴゴゴゴゴゴゴ!!


地割れと開き・・・・・・「レティクス!!」

「ブアッテ、これどこまで開くんだ!?」

「二人とも!足場を・・・・・・ワナか!?」

「いいえ、この仕掛け自体が次なる竜に他ならず」


「歯車竜ギヌェン」

「歯車の上で戦えっていうのか!?うわ!!」

「足を動かせ!!奈落に落ちるぞ!」

「ははは、愉快だな・・・・・・無理はなさるな、

 底は水に落ちるだけあきらめも時には必要だ」

ギヌェンその顔をセリだしから、ぜんまい仕掛けか、

カリカリと、

「この闘技場の裏方をやっている面白い竜だ、

 このギヌェンがおる限り、いかな奴隷闘士で、

 あっても、にげること叶わぬ」


「もっとも、竜騎士殿は大切な客人、

 降参するとあれば歯車をとめましょう」

「言わせておけば!!」

レティクス、ブアッテ、リアス、三者早く

かけながら、機械仕掛けの上を飛び跳ねるか、

上へ上へ目指す、「舞台自体が出来となると!!」

ギヌェンの機械仕掛けは飛び出すヤリや

振り子の鎌、吹き出す蒸気に、

カッターも飛び出して、果てが無い、

「面倒な!」


「ギヌェンはパズヌンタよりも底なし、

 永久機関ともなる仕掛け」

「早くしとめなければ、ますますをもって

 厄介なワナが飛び出しますぞ!」

いじわるな仕掛けを自慢げに観衆に見せていた、

「なあ、ドラクル?作ったお前ならよく

 わかるだろう?」

「・・・・・・」

水をくみ上げては放水し、油を吹いては、

火をつける、おおよそ竜の全てが体現された、

機械の城だ!!


どう攻める?!

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