海竜シィバニック
「どうもうまく乗せられてしまいそうだ」
竜騎士は賑わいをみやって、
「雇われ兵もって、竜騎士もつらいね」
ヴィチャームはさかづきをついでねぎらって、
??
「ヴィチャーム飲みすぎてないか?」
「オリに入れられるところだったんだよ、
きみももう少し飲みなよ」
「はあ・・・・・・」
「第一、鎧は脱いでもいいんじゃないかなって」
その夜は酒盛りと、陽気な歌もあって、
水柱に大亀首長竜の漁を謡っての大騒ぎだったが、
「どこも、竜をさ、食うよな」
アワドバブルの刺身などが出てるのが不思議、
「ブタトカゲのステーキ!!」
竜騎士はこの喜びようであったが、
「肉になる竜は分かるけれど・・・・・・
育ててる側からすると・・・・・・
といってもきみは首を取るほうだったか」
おやすみ、リアス
――――――夜通し強行軍となった騎士あり、
「確かなら一大事!夜明け前まで、に
ブアッテとばすぞ!!」
「朝までとは無茶だな!!
ジェイディアの家に任せないのか!?」
「港の船をとめるには、一つの家の言い分では
通らないんだ!それに!」
ブアッテをみやると、
「姫の安否に関わること、そうは
口外できないよ!!」
「もっともだ!! とはいえ―――アテは??」
「教団の船があるならそれを、無いなら多分、
竜騎士どののところへ!急いで!」
――――――朝か―――まだ外は・・・暗く、
青さも無い・・・「――――!!えっと?」
「鎧!剣も!」 「あらお目覚め?」
「――――――っ」
リアス・カーヴィナ記憶も定かではないが、
「髪!!」「安心しなよ、まとめてくれるさ、
少しは休み方を覚えたら?」
船主バニパラータはこちらをじっくり眺めると、
「案外、可愛いとこもあるんもんなんだから」
別に部屋まで用意してのもてなしである、
当然の事、
「宿代はもう何で払ってもらうかは決まってる、
準備が出来たら、船を出すからね」
「まって、船でって?」
「荷と一緒に、向こうまで売りに――――――
というのではないがね」
階段から去ったバニパラータは意味深げ、
後を追うにも身支度を整えてからとなり、
「よっリアスか、もう準備できたのかい?」
ヴィチャームが隣室から訊いていたのか、
「鎧やらはあっちの小屋だってさ」
「ヴィチャーム、バニパラータから話は
効いているか?」
「どうも……用意が良いよね、心配かい?」
「いや、まあいい」
荷のように扱われることが不服か何か?
――――――心中はどうあれ竜騎士リアス・
カーヴィナ鎧をして、まだ陽の上がらぬうちに、
少しずつ暗がりが青みがかる時に向って、
準備が進む。
「何にしても竜騎士が必要になること、となれば?」
ひとり置かれたまま、鎧となって没念とする、
ヒヒーン!! 馬のいななき? ドタタ!!
「その船待った!!」騎士の入場は、
「レティクスじゃないか!」
「話がある!グウィヌア家の・・・・・・」
「騎士ねえ、竜の一尾もあげそうにないし、
まあいいや、わるいが船は出すよ、話が、
あるなら、そっちの嬢ちゃんにどうかね?」
バニパラータはリアスのほうを指差すと、
「レティクス、理由を話せ」
ブアッテも息を切らせ入ったか、
「アルマゲスト姫が・・・・・・失踪したんだ」
「なんだって!?」
「たしかなのか?」
竜騎士達は声を潜めるが、
「人の出入りを制限してて直接は踏み入ることが
出来なかったが――――――」
「さて!!込み入った話は船で訊こうか!!
遅れちまうよ!!」
2人の間を分け入ったバニパラータは船主、
「だから・・・・・・わっ!!」
船上に場所をうつせば、
あっという間に出航と相成った。
「どこへ?」
「決まってるさ、竜に会いにってのだ、
飛竜も乗ってるだろ?」
抵抗するのは騎士レティクス、
「何のつもりだ!!ぼくは――――――」
「竜騎士についてきたんだろ?
グウィヌアっていえばつい最近、
竜の騒ぎがあったって聴くし」
バニパラータは一息つくと、続けて、
海竜シィバニックってのが居るっつって、
あたらしい航路を開こうにも厄介してるってので、
遠洋目指してる航海士が喧嘩ふっかけてね、
それ以来、ここの船籍の船が眼をつけられて、
近海にまで顔出してんのよ、その竜が、
「そら甲板に置物する気はない、邪魔だから
船倉にいってくれ、な?」
船倉に閉じ込められてしまった、
竜騎士とヴィチャーム、そしてレティクス、
「荷物じゃないってのにな・・・・・・」
「本当だとおもいますか?海竜の話」
「この船に積まれた物資の量を考えると、
そう遠くにはいけないよレティクス」
「リアスは鎧のままだし、いつ出ても
おかしくないってのは確かみたいだな
・・・・・・大砲やらもって考えると」
「面倒事だ・・・・・・」と!!
声が伝信管から!!!
『ほら!!来やがったみたいだ!!
あの海竜ほんとにここらのどこかに
巣を作ってやがるみたいだね!!』
海が荒れて、鳥も数を増やして飛ぶ中で、
暗い海を輝かせているのが、シィバニック!!
「とれそうかい?息の根とめてさえくれれば、
あとは捕鯨モリ打ち込んで港まで引き込む」
「無茶な話を・・・・・・だが―――やってみなければ
わからない!!」
――――――甲板を踏み出したは、竜騎士、
「ルルクト!!いくよ!とりあえずあいつを
空から引きつけてみる!!」
「ヴィチャーム!!無理はするなよ!!」と
「アンタは飛ばないのかい?」
竜騎士は俄然、「ここからで狙うよ」
「大砲じゃないんだからって・・・」
「姿が見えたね!!シィバニックだ!!
あの大カモメじゃなかった飛竜!!
よく引きつけてくれる!!」
「捕鯨銃で狙いなよ!」「アイサ!!」
「で、アンタは??」「竜騎士殿・・・・・・」
レティクスは不安そうだが、
竜騎士リアス・カーヴィナ、海竜の姿がみえるや、
星空を、グラステイガの心臓竜麟一枚を胴につけ、
流星一閃、海竜の喉元めがけて打ち出された!!
「やるぅ―――!!」
シィバニック、うろたえて、
『なんだ!?飛竜の次は!!人でもない!!
竜でもない!!おのれ!誰の鱗を借りて出たか!
カモメめ!』
「私は竜騎士!リアス・カーヴィナ!!
海竜シィバニック!!」
「わけあってあなたの首をかけて果し合い
することとなった!!!」が、がぼがぼと
水も来る中では水龍の鱗に切り替えて、海竜との
語らいを水中でと挑むも、
『貴様!!どこの川の主とも知れぬ臆病者の!
うろこをして我が首にとりつくか!!フジツボめ!』
『殺してやる!!この海はシィバニックのものぞ!!
海より逃げた陸のもの誰一匹となく
立ち入ること許さん!!!』
――――――まずいな、これ以上の交渉は無効!!
船主と、海の主、どちらをたてて仲裁するにも・・・・・・
流れに沿うしか、「打ち込め!!」
!?モリがいくつも海竜にとなれば、
竜騎士も腹を括ったか!
「海竜シィバニック!人の営みに手出ししたが、
運の尽きとおもえ!!!」
リアス・カーヴィナ!刃を水車にして海竜の息の根を!!!
一同は港に引き戻した、
海竜シィバニックの遺骸を引き連れて。
荒れた海が平静と戻し、海竜を港にまで連れて、
これ一頭をして、シィバニックを引き上げた浜に、
その名を残すがシィバニックヶ浜、
「さて宿代に運賃としては
おつりが出るくらいだね、姫様!!」
ファイアドレイクの瞳!!
「はい」
「!?」
一同の前に姿を現したのはアルマゲスト姫、
その人であった、「どういうことだ?」
「船出の日より・・・通りだね―――では
姫様一行の船出を祝して――――――」
さて慌ただしく、人の波にもまれると、
事の次第が分からない・・・・・・剣と鎧と竜ばかりで、
世の中回るわけでないのことが、元に示された。
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