攻城竜アーバレストと北風竜ジェイディア

「悪竜は攻城竜!アーバレスト!!

 竜騎士を城門へ追い込め!!」

かっかっと口から火の玉を連射する巨大な塔か、

アーバレスト!

「弩級?弩竜といったにせよ、

この大きさ!これは!」火の玉に苦心する

リアス・カーヴィナ、


「攻め手が早いな」 星の輝きで躱すも、

続かない!! 「大樹は」うろこ出す間もなく、

「よそ見しているな!!竜騎士!!飛竜など!

 呼ばせはせんぞ!!」

 ゴオウ!ゴオウ!ゴオウ!と炎!

「強火で焼いてくれるわ!!」

眼をひんむいての悪竜使い!!


いくつの火の玉を避けて走っても、

相手の攻めには及ばず、リアス・カーヴィナは、

正門へ追い込まれる「リアス・カーヴィナ!!」


飛竜が空より現れた。

「ヴィチャーム!!ルルクトもか!?」

「竜使いか!!後方の兵は何をしている!?」

悪竜使いが気にする間なく、

「怖気づいて散り散りだ!!」

「なにをおお!撃ち落とせアーバレスト!」

「ヴィチャーム!よけろ!」

ルルクトをあやつるヴィチャーム・

ヴィンターラに緊張が走る!!


竜騎士は息をつくと、

「この距離・・・・・・間に合うか!?」

星の輝きはもはやうしなわれ、残すところ一つ星、

力なくたたずむか、前に走るかというところ、

「リアスさん!竜騎士さん!」

リアス・カーヴィナふと振り向くと、

「これを!!受け取って!」一枚鱗が閃いて??


「あなたはアルマゲスト姫? これは!!

 心臓竜麟?! 北風竜の?」

「ええ!!お城の危機とあっては逆鱗とも

 なんなりと!!ジェイディアに再びの風を!」

「ファイアドレイクの瞳??」

老悪竜使いはつぶやいたが、

「お美しい」と悪竜三匹ガラクタのままにし、

立ちんぼうにし口にする三名も。


「ははは!!追いつけないか!!」竜使いは

ルルクトを鳴かせて「こっちだこっちだ、

ルルクトに火の玉は届くまいが・・・!?」

ヴィチャーム、失態、城下街を背にして!!

「ばかものめ!!市街に火の雨?

 ふらせてほしいとな!?」

老悪竜使いの格好の的となり「しまった!」

ヴィチャーム不覚!慌てようが、

ルルクトたづなに伝わって「フシュルルル!」

「アーバレスト!!悪竜使いよ!!」

「なんだ!!」


「北方の冷涼なる威風を受けて!!

 一枚洞に重ね着を!!」

「竜騎士!!またも転身するか!!

 小細工を焼いてしまえアーバレスト!!」

ゴオウゴオウ!!


炎と煙に包まれるリアス・カーヴィナ、

火の玉をいくつも受けて、立つ影が残るか!?

リアス・カーヴィナそん身はいかか!!?

「ははは!手間とったが、アーバレスト!!

このまま―――」と、


「風!?」「水車は試しもしたが!風車か!

風切り刃とはははは!おもしろい!!」

竜騎士は風を切る刃を振り回しながら、

「あ、アーバレスト火力最大に!鉄を溶かした、

 あめ湯を浴びせてやれ!!」鉄を熔かすに

 充分なその腹ゴウと赤く、火の玉を再び、

 ばら撒くが、かいくぐるは風車!!


バリバリバリバリバリバリ!!!!!


火山噴火かマグマと火の粉火山弾!!

アーバレスト身を傾けて、辺り一面に、

鉄のあめ湯をこうこうと花火吹いて荒れる!!

「なんの!!あたりもしない!!」素早い!

「アーバレスト!!砲弾なげに火薬ダルでも

 くれてやれ!!」ドンとボカンの両手をばねと、

尾っぽに積んだ弾薬をなれども竜騎士、

「爆炎切って通る!!!」


「リアス・カーヴィナ!おのれ!!」

「御免!!」竜騎士の風車はアーバレストうろこ

をガタガタいわせ、あっという間の滑走に爆ぜた

うろこの合間に風通す!! 悪竜の中はがらんと

煙突か!?「くうっ!!」風は上昇気流!

悪竜使いを攻城竜の荷台より転がし地につかせると、

「アーバレスト!!北風を受けてみよ!!」

天か地か!「風などでうろこがはがれるか!!」

竜騎士、アーバレストの胴体部から首までを一気に

風車で駆けあがり、頂点に達したところからの

一撃はアーバレストの口を裂いた!!

「おお――――――!!」「やった!!」

「ンン――――――!!」アーバレスト、

ドロっとあめ湯をヨダレと吹き出して崩れる、

線香花火、気付けば火薬に零れ落ち・・・


ドンッ!!という爆風ととも!!うろこ全てが

飛んで爆ぜ!!ジャラジャラと悪竜銭、板金を

幾千枚か分からずとばらまく!!!

「やりました!!やりましたよ!!姫様!!」

「ええ!!」


ギギギイィイィッィイイィイッィ!!!!!!

「城門開放!! 火砲狙え!!放て―――!!」

「待って!!」「やや姫様!!城内へお戻りを」

「悪竜は全て、竜騎士さんが倒したわ!!」

「なんと・・・あ・・・出遅れたか」

「いや!めでたい!―――いや残党を追うんだ!

 馬を!一人逃さず捕えあげろ!!」

お家の騎兵隊か馬のいななきに、

「もう散り散りだが・・・・・・やれやれ」

ヴィチャームも一息つくと、空へ、


ヴィチャームが空から様子を眺めみると、

この辺りの争いもひと段落ついたか、後に残るは、

農園の焼け跡すこしに、破壊されたものの数など、

いくらかあるが、「悪竜銭といえど銭は銭!!

金符手当として避難民や怪我人、老体、母子など、

王の帰りまでに立て直さねば!面目が立たぬぞ!

ジェイディア、堅牢無事を祝うため、

一層華やかに!!」 おおーっと声があがれば、

一同くみして、大盛況。 「姫さま?」?


「―――してヴィチャームと

 竜騎士殿は今回の悪竜騒ぎをどのように?」

騎士達の注目は事件の流れへと、

「あの数の悪竜、人手となると、

後ろ盾がきになります、元はと言えば、

近くの森で悪竜式――――――

儀式がとりおこなわれたようでも」

「あら?」

「――――――ファイアドレイク

と悪竜使いはつぶやきましたが」

「・・・・・・ではやはり姫を??何故?」

「悪漢の考えつきそうな人質ですか?

術士ごときが」

「ファイアドレイクとは」その声は、

その主、アルマゲスト姫、一同おさまり、

「古の龍と訊きますが」「姫!?」

「竜の教団が一派はその竜、

ファイアドレイクを中心に祀ると訊きます、

関係があるかと・・・・・・違いますか?」

一同しばし黙るも、飛竜のひと鳴きともに

「いえ、アルマゲスト姫、

間違いではないやも・・・・・・」

ヴィチャームは攻城竜のうろこ一枚を

てにしてその紋様をみせる。

「これは教団の飾り字?」

「ええ、印のようにもみえますね、

追わせようとする目的や狙いがあるのやも」


竜の教団と悪竜使いにいかなつながりがあるかも、

知れぬが・・・・・・

「港へ? ゆくのですか」

「ええ・・・・・・賞金首や賊が逃げる航路でもある」


飛竜バパームとルルクトがやすむところをみやり、

遠く海を思う竜騎士は、風がほおを流れるたびに、

一風代わりに国を変えたと人は言います。

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