三悪竜とジェイディア城
竜使いヴィチャームに導かれて行く先が、
どこであるか、リアス・カーヴィナは、
知らない。
「ヴィチャーム?!飛ばし過ぎではないか」
「いや、急ぎのようなんだよ、
酒場で訊いた噂だけど近く戦があるらしい」
飛竜バパームは飛びながら姿勢を変えて、
ルルクトに追随する。
「戦!? それはまた急な!」
「なんでも、悪竜使いが荒くれ者を募っての、
城攻めを予定してるという事らしくって、
今はどこも西の大演習に参加しているから、
城に駐留している兵が少ないから」
「それはいそがなければな!」
「悪竜使いの狙う城はジェイディア城!
北風竜の祀られた城だ!」
ヴィチャームの乗る、飛竜ルルクトの後を追う、
竜騎士の飛竜は名をバパームという、
「バパームはまだ若い、少し早さを落とそうか?」
ヴィチャームの気遣いは有難いものだが、
「竜騎士を代々乗せた血統とはいえ・・・・・・」
続けようとするヴィチャームに、
「いや大丈夫、先へ行けるさ」
――――――連戦は飛竜の寿命にもかかわるもの
の、飛竜なくした竜騎士の末路がいかなもので、
あったかはしれず、ジェイディアの歴史を飾る、
竜の骸が答えてくれるだろうか?
ジェイディア城、城主である、ローヌローク王は、
盟友国の軍事演習に参加しているとあって、
城主なきジェイディアを任された家臣は城ととも、
王の娘、アルマゲスト姫、通称アート姫を護る、
重大な命令を受けたとあって、番兵、門兵、
伝令兵、「はっただちに」旗の守り手など普段、
よりいっそう警戒のおももちと。
姫はどうあったか?
「みめうるわしいファイアドレイクの瞳、
国庫にあるいかなルビーもかなわぬ燃える瞳を、
持つアルマゲスト姫」
その人はいままさに北風竜ジェイディアの、
祀られた竜骨堂にある書庫で調べものを、
ジェイディアの城の柱として祀られた北風竜
ジェイディア、その居姿をすずしく眺め、
本の記述にある竜騎士や竜使いの時代、
長きに渡る伝承をたしかめる姫、
「まあ竜の鱗の数まで記されて」感心事は尽きぬ
才女とうたわれるほどであって、古文書にある
物語を読み解くも、深い洞察力によるものと、
不思議と解読してしまい、各地の名士にあてて
書いた文の数はいくしれず、本とまとめられた
題も、金字で”アルマゲスト”その人の名を持つ。
「研究は捗っていますか?」灯火を片手と、
姫御用仕えか「まあ、もうこんな時間?待ってて
ジェイディアの鱗の数と、これを担保とした家の
数が一致すると知って、面白く」
「竜麟銭というものですね・・・・・・確か」
2人の話の最中に、
ゴウッ!!と音が鳴り音は城下ともしれず、
「これは?・・・・・・演習でしょうか?」
ジェイディア城下の石垣は田園の先、家畜に農家
とせきたてられ、城壁のうちにと城のものが
はやし立てる光景・・・・・・向こうに黒い影―――
「悪竜だ!!悪竜が前進!!」悪竜がその頭を
並べて三つか四つか、三つ頭が先に立ち、悪竜を
盾に進攻する。荒くれ者の一団が声を立てて、
これを知らせるに応ずるがごとく悪竜使い
「なけっ!!!悪竜」ゴオウ、ゴオウと!!
「――――――おおよそ金で雇われたどこの家
ともしれぬはぐれもの300名かは知れず、悪竜は
四体を数えますが!!、うち一匹!!!」ゴウ!
と飛び出したは火の玉!?!
「火を吹きます!攻城戦を仕掛けるものと!!」
「王の居られぬうちと、いまいましい、
はかったように出向いたか、悪竜使いめ!!
城壁に市民を!避難民を受け入れろ!!」
「なに?!悪竜直進します!まま本城の正門へ!
勢い止まりません!!」なんということか!!
悪竜迫る!!! おお神よ!!
「ヴィチャーム!!!」
「ルルクトも察知したか荒い息遣いだ」
竜騎士と竜使い空より窮状を知った、
「近いな!!バパーム!!勇んで降りろ!!
一撃を!!いなずまを!!」
「リアス・カーヴィナ!!バパームも!」
竜使いのそれ!!と激鉄も、たずなも、
違うとなれば竜騎士とバパーム戦功にはしるも、
しかたのないものだが、
「ルルクト!!悪竜は竜騎士殿にまかせて!!
後衛に居るだろう雑兵どもを
おどろかせてやるぞ!!」
両者、戦場の風に当てられたかいかか??
その戦場、
「悪竜メギー!!雑魚はほうっておいて、城門を
くだいてのしてしまえ!はやばやと国庫を、
つついて金品を腹に、鉄や具足も鉄分にして、
食べつくしてしまえ!!」
かの悪竜が猛進する前に、人が立つ!
「なにを!!ジェイディアの城門、このブアッテ
が! 守り通してみせる!!」
大名乗りを前にして悪竜使い、
「踏みつぶせメギー!!」「あわわわわわわ!」
すんで身をかわしたジェイディアの騎士たちを、
よそに悪竜メギーの頭突きがするどく響いて、
「打ち破られるぞ!!」城門が振動する。
「投石を!!火砲はまだか!!」
頭ぶつけるたびにメギーはひるむどころか、
あいかわらずドゴーン!!!
ドゴーと繰り返しの頭突き!
「姫様、危険です!お下がりを!」「でも」
対して火砲と投石器の弾の効果はギンっと鈍い音
「ふあっはっは!!
悪竜の鱗は鋼ともいわれる!!
かようなつぶてで
たじろぐことひとつもない!!
どれ国庫にあるという
ファイアドレイクの瞳を差し出せ!!」
「奴め・・・・・・ゆるさん!!」ブアッテの必死の
つかまりがかりで、悪竜はとまるかというと、
止まることも無く、悪竜は城門の隙間から、
自らの痺れる息を吹き入れる。
「うわっ!!毒霧だ!!
避けて、反撃の機会を!!機会を!!」
「黙って差し出せばいいものを!
宝珠をよこせ!!」
とさけぶ頭上雲の切れ間突き進んでの飛竜が
「飛竜!!」「飛竜!?」「飛竜ですって!?」
竜騎士一刀振りかざしてくだり悪竜の頭頂を
するどく竜騎士槍で突きとおした!!
「飛竜下り!!」「よくやる!!」「ばかな!」
竜騎士は声高に、
「悪竜に竜の城を荒らさせるか!!悪竜使い!!」
「むーおのれ!!」「イズラ!!」「ヒック!!」
姫は竜騎士と悪竜を目の当たりにして、
「まあ!あれが竜騎士!?」
「姫様はお下がりください!!」
「姫は我が国のたから!!どうか」
「む?あれあの姫がアルマゲスト―――美しい」
「悪竜使い!!よそ見したな!!」
竜騎士かける星の鱗はグラステイガ流星の!!
心臓竜麟一枚胴にして星の鎧に身を包み駆ける!
「な!?イズラ!!」きらめく流れ星の輝きが、
一瞬のちにイズラの体を貫いた!
「もう一撃!」「ヒック!!わわわわわ・・・・・・」
再びの流星が二体目の悪竜を葬った!
「すごい・・・・・・あのうろこ、心臓竜麟?
もしや!?」
駆けだすアルマゲスト姫に、
「あれ姫様!?アート様!いずこへ!」
三悪竜と悪竜使いどもの顛末を見て、
奥に控える四体めの悪竜使いは、
「えーい悪竜も三流なら使い手もか!!!」
と怒り心頭。
「だが我が悪竜はそうは行かぬぞ!!
吐け火の玉を!!
攻城竜アーバレスト」
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