第49話
不幸の手紙
若かった頃友達と一緒にアダルト・ショップに入ったことがある。好奇心半分、怖いもの見たさ半分、ちょっとした肝試しといったところか。そこで肝試しの戦利品同様買い物をした訳だが、中に入っているものが見えないようにとの店側の配慮からか品物が真っ黒いビニール袋に入れられていた。
それから二十年以上過ぎた。電車で出かけて簡単なものを買ってきたのだが、それが真っ黒いビニール袋に入れられていた。まったく悪いことをした覚えもないのだが、電車での帰り道、周りの人が僕の黒いビニール袋に気付いているんじゃないかと変に気になってしまった。人間つまらないことで自分を不幸にするものだ。
ということでこの文章を読んでしまったあなた、買い物で黒いビニール袋に品物を入れてもらった時、僕の経験が乗り移り、あなたは不幸になるだろう。その不幸を解消するにはあなたもこれと同様の文章を作成して他の人に読んでもらわなければならない……。 うそ。
ボス・ジャン
街中でたまに見かける「ボス・ジャン」のような酒屋の景品を着ているおっさんたち。ああいうのを着ていられる神経はどこから生まれるのか考えてみた。
その結果「どうせ仕事場で着るんだからユニクロでいいじゃん。どうせ中に着るから誰にも見えないし」という思考法が最初にあることが分かった。すると次は「どうせ仕事場で着るんなら酒屋の景品のTシャツでいいじゃん」という心理が続く。それは並行して「家の中で着るなら何でもいいじゃん」という心理を伴っている。その後には「ちょっと出かけるだけだから酒屋の景品でもらったの着ててもいいじゃん」という状態になる。そして最後には「めんどくさい。ボス・ジャンでいいや」という日常にたどり着く。
「ボス・ジャンも結構いいぞ。暖かいし、ポケットたくさんあるし。」こうしておっさんが完成する。
こんなことを書いてる僕もこの道のりの真っただ中。
隠れトランプ
この間投票が行われた参院選の結果を見ての感想。日本にも結構隠れトランプが多い。テレビや新聞などで表現されている希望論が選挙の結果に反映されるのなら、ああいう選挙結果にならないと思うのだが。
世界共通語 ~久しぶりにチェスの話~
先日日本と韓国が共に領有を主張している地域の上空をロシアの戦闘機が通過した。ただそれによってロシアは軍事的な圧力をかけたい訳ではない。ただこのタイミングでそういう手を打つことで日本と韓国の溝が一層深まることを期待しているのだ。それによって誰が得をするか。日本、韓国、アメリカの協調関係は対ロシア、対中国を想定したものなので、日本と韓国が対立すればするほどロシアと中国が利益を得る。こんなことを考えて行動しているロシアは完全にチェスをやっている。さすがチェスの世界チャンピオンを多数生み出してる国だけあって、すごい手を打ってくる。
今の時代外交に携わる者は英語よりもチェスを学ばなければならない、ということか。
ところで暑くなったんで皆さん体に気を付けて。僕も涼みながら日本のためにチェスに励みます。
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