第46話

             The kids are always alright.

「じゃあね!また明日もうんこ燃やしまくろうぜ!」




                カルタゴ

「まだ分からないのか。アメリカにとって本当に危険なのはロシアや中国ではなく日本なんだ。考えてみてほしい。確かにロシアや中国の覇権主義、拡大主義は危険だ。しかも彼らは今後しばらくは膨張するだろう。

 だからと言ってどうだというんだ。彼らが膨張すればするほどそれは彼らの傷口を広げることになる。それは彼ら自身の首を絞めるのだ。そのことは常に歴史が証明してきた。それならば我々には彼らを恐れる理由はない。

 それよりも日本を見てみるんだ。あの戦争後のどん底から彼らはあっという間に

立ち直っただけでなく、むしろ戦争以前より繁栄を謳歌している。しかも彼らにはロシアや中国と違ってそれを維持していく能力がある。彼らの勤勉さやあの何でも作ってしまう能力。何より問題なのは彼らの価値観、宗教観だ。それは我々のものと永遠に一致することがない。

 今彼らは同盟という名の我々の保護のもとでぬくぬくと彼らの卵を温めているが、その卵はいずれ蛇となって我々を飲み込むだろう。

 だとすれば我々は彼らが蛇になる前に徹底的に叩かなければならない。」


 クレタやカルタゴといった古代の地中海都市のことを考えていると、いつも日本とシンクロしてしまう。彼らの洗練されたセンスや技術力、そして世界にネットワークを構築して利益を生み出すその経済力。またネットワークを構築するときに世界の人たちと接するその態度と、その態度を生み出す世界観。何となく共通する部分が多い。

 ではその世界観は現在のローマ帝国であるアメリカと共存可能なのだろうか。

 地中海の地図を試しに時計回りに90度回転してみてほしい。北アフリカにあるカルタゴとローマが横に並ぶ。それは地中海を太平洋としてみた時の日本とアメリカにほぼ重なる。

 なんか不吉。




                 宝探し

 先日ある暑かった日、部屋に熱気がこもるので仕事に行く前に網戸にして出かけた。


 夜帰ってきて明かりをつけると何か動いている。アリが列を作っていた。しかもそのうちの何匹かは口に何かをくわえている。断っておきたいのだが僕だってたまには掃除をしている。清潔マニアではないが人が来ても大丈夫なくらいにはしてあるつもりだ。それなのにアリが食べるような何かがあっただろうか。

 くわえているのは薄茶色や白いもの。そうか、あれはナビスコで、あっちは亀田製菓か。了解。しかしお宝は探せばあるもんだ。

 その後アリたちには紳士的に退去してもらった。


 年に一回ぐらいはアリたちに宝探しをお願いするか。

 

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