第32話

            女性のためにヤクルトを飲もう

 年末年始のメジャーリーガー並みの連戦から生還いたしました(死ぬかと思った)。それで今年もまたウダウダ、ダラダラと文章を書いてみようかと思います。


 その連戦の中、普段は働いていない午前中の早い時間帯にも仕事に行ったのだが、そこでうちの仕事場にヤクルトのおばさんが来ていることを初めて知った。彼女は何人か子供がいるらしくて、ヤクルトの販売で家計を支えているとのこと。それでうちの職場の年配の社員たちが健康がどうのこうのとかというよりも、世間話をしつつ「お母さん頑張れよ」という感覚でヤクルトを買っているらしい。それならこの国の女性の地位がどうのこうのというのは問題がない。みんなでヤクルトを飲みましょう(僕も連戦中はやたらタフマンを飲んだ)。


 ついでながらそこでは高齢者から若い世代への健全な資産の譲渡が行われている。




                  大吉

 この正月おみくじなるものを二十年ぶりぐらいで開けて見た。当然のことながら今までおみくじなるものに何か期待したことなど一度もなかったし、真面目に見たこともなかった。ただ今回は久しぶりだったのでつい読んでしまった。すると『大吉』。いったい何がそんなにラッキーなのか。


・願事 思いがけぬ人の助けあり

 では期待している人は誰も僕を助けてくれないのか?

・失物 出る 近い所

 確かに決まって近い所で物がなくなる。しかもこの狭い部屋で。そしてそれは出て来たためしがない。そして永遠に出ないであろう。

・旅立 行く先に利益あり

 まず第一に旅に出ない。職場と近くで買い物。「あっ、これ10%引きだ。」なんか寂しい。

・商売 売り買いともに吉

 売りも買いもしなくていいから休ませてくれ。

・学問 安心して勉学せよ

 この何年か「いかに自分は学んでいなかったか」ということを学んだ。学ばなかったことを学ぶということを学ぶことが学ぶということなのだと学び……。

・争事 勝てども後に負けもあり

 毎年同じ。ただ負けの方が多い気がするのは気のせいか。

・恋愛 誠意を尽くせ

 それを期待するな。


 こうして見てみると『大凶』以外の何物でもない気がするのだが……。ただこうして文章を書いていて、それを楽しんでくれる人がいるってのもまた『大吉』。では今年もまたよろしくお願いします。

 

 

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