第31話
美しく生きる
新聞に女性用の美肌クリームの広告が載っていた。一ヶ月分で五千円。年間だと六万円。まったく女性の美容にかける努力と執念はすさまじい。しかも一ヶ月五千円というのは最低限の支出であって、そのうえでさらにプラスアルファが付くのだろうが、それでも安い方なんだろう。女性に対し「ニベアの肌荒れクリームじゃダメなのか?」などと言ったら殺されかねない。男にはブラックホールより未知の世界である。
では自分はその一ヶ月五千円に相当する金額をいったい何に使っているのだろうか。
一升瓶二本。男の美容法。
サンタの言語
「Merry Christmas!」
サンタはいつから英語を話すようになったのだろうか。聖ニコラウスの生きていたのは古代ローマだから彼の使っていた言語はおそらくラテン語、少なくともギリシア語だと思われる。時代に応じてサンタも色々な言語を習得しなければならないらしい(何世紀か前彼の使っていた言語はフランス語であり、今後アラビア語と中国語を学ばなければならない)。ただこう言う人もいるかもしれない。
「サンタは全ての時代の全ての人に分かる神の言語で語りかけているんだ。」
中世イタリアの聖者アッシジのフランチェスコは鳥たちに神の教えを説いたという(「鳥はフランチェスコから何か学ばなければならないのか?」という批判は置いといて)。そうすると神の言語なるものは『愛』そのものということになるのだろう。
一方サンタは毎年クリスマスの夜に贈り物を届けてくれる。最近の子供たちはいろんなものを持っているから子供だましのようなものじゃ納得しないだろう。
「ゲーム機が欲しい!」
「最新型のスマートフォンちょうだい!」
「ナイキのシューズがいい!」
こちらの方でもサンタは学習しなければならない。今のトレンドはどうなっているのか。そしてその相場は。こういう非常にシビアな現実を突きつけられた時、サンタはプレゼントとしてこういう選択をするかもしれない。『Money』。これは非常に賢明な判断であり、全ての時代の全ての人に納得してもらえる選択肢かもしれない。
そうなってくると神の言語の本質である『愛』なるものは限りなく『Money』と等しいということになるのだが。
ああ、明日から来月のなかばまで仕事でぎっしり埋められてしまっている。そんなもんでこの戯言で埋め尽くされた随筆も今年はこれで終わりになります。でも楽しんでくれてる人がいると思うと書いてる方も嬉しかった。そんな皆さんのために。
「I wish you a merry christmas and a happy new year!」(サンタの言語で)。
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