第30話
裏流行語大賞
今年も流行語大賞が発表されたが、流行とは縁のない生活を送っている人間には全く分からない。いったいいつそんな言葉がはやったのか。生活の中で実感がない。流行語なるものは話題作りのためにメディアが勝手に騒いでいるだけじゃないかとも思えてくる。それよりも先日こんなことがあった。
その日ご飯を食べに訪れた場所で、隣の席の高齢の女性がこんな会話をしていた。
「なんだかんだ言ってみんなハズキ・ルーペ持ってるわよね。」
それなら今年の流行語大賞はこれになるのではないか。
「字が小さくて見えない!」
贈り物
今年ももうすぐクリスマスということで、最近人からいただいたものにちなんだ話をいくつか。
お茶
「これちょっと期限が切れてるんですけど、もしよかったら飲んでいただけます。」
半年間というちょっと期限の切れたペットボトルのお茶を大量にいただいた。飲むのもなんだが、そのまま捨ててしまうのもはばかられる。何とか使い道はないものか。そして夏場に自然災害で水の供給が止まった時にテレビでこんなことを言っていたのを思い出した。
「下水に使う水は何でもいいんでトイレに行くことを怖がらないでください。」
そうだ、トイレに使えばいいんだ。そしてさっそく実行した。
翌日の朝、トイレから茶色い水が流れてきた。やるんじゃなかった。
スコッチ・ウィスキー
店頭に売られているのよりワンランク上のウィスキーを飲んだ。ジョニー・ウォーカー、オールド・パー、カティー・サークなどの上のグレイドに属するやつ。そこで気が付いたのだが、上のランクに行くほどウィスキーは味が似かよってくる。最高のウィスキーとはこういうものであるという理想形があって、そこに収斂されていくかのようである。その点安いウィスキーの方が味に個性がある。日本のサントリーの『山崎』が最近海外で高い評価を得ているようだが、それはおそらくランクが上になるのにもかかわらず個性があることに理由があるのではないか。
それを確かめるためにも誰か『山崎』を贈ってくれないものか。
靴下
ちょっと前に叔母から靴下を貰った。怪獣の目や手が描かれたかわいいやつ。しかしまっとうな成人男性の履くものではない。しょうがない。家で履くか。
最近寒くなってきて、その靴下が必須アイテムになってきている。
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