第28話

                完全犯罪

 先日新聞を読んでいたら驚きの記事が目に入った。どこかの国でナメクジを食べた青年が長い昏睡状態と要介護状態の末亡くなったらしい。なんでもナメクジの寄生虫が体内に入り神経系を侵したということだ。人はナメクジを食べて死ぬのだ。

 この出来事をもとに完全犯罪の推理小説ができないものか考えてみた。一旦ナメクジを食べさせてしまえば、そのナメクジがいつどのように体内に入ったかを立証することはほとんど不可能だ。後はナメクジを食べさせるまでをどこまでスムーズに描き出せるかにかかっている。加熱してしまうとおそらくナメクジも寄生虫も死んでしまうのでナメクジはサラダのようなものに入れるのがいいだろう。

「この状況下で被害者のサラダにナメクジを入れることのできた人物はあなただけだ。」

「いえ、私はそんなことやってません!」

 しかしあまりにも悪趣味なので考えるは止めた。


 それにしても驚きなのは世の中には真面目にナメクジの寄生虫を研究している人たちがいるということだ。世界には本当にいろんな人たちがいる!

 それに輪をかけて驚きなのはそんな研究をするということは以前にナメクジを食べて死んだ人たちが多数いたに違いないということだ。世界には本当にいろんな人たちがいる!

 でも考えようによってはナメクジはエスカルゴの親戚だから調理法によっては意外とうまいのか?




         もしかするとトランプ大統領は再選するかも

 アメリカの中間選挙の模様を興味深く見ていた。気になったのは野党の民主党が反トランプ、世界の融和を訴えるために共和党候補とは対立的なカラーの候補者を多く立てたこと。それは対立の一歩先を見据えているように見えるのだが、実際には対立をさらに煽っていることに民主党は気付かないのだろうか。おそらく2年後にはアメリカでこんな光景が見られるだろう。

「あんな黒人女を議員にしたから俺たちのアメリカはもっと悪くなってしまった!」

 今回の中間選挙で負けたとはいえ惨敗はしなかった共和党にそんな声の後押しがあればトランプ大統領は再選するかもしれない。


 今のアメリカに本当に必要なのは先ごろ亡くなった共和党のマケイン上院議員、共和党の人間でありながら民主党の人間からも敬意を払われる人物、あんな人間なのだが、共和党、民主党共にそういう人材が欠乏しているらしい。


 振り返って僕らの日本を見ると決して他人事ではないらしい。

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