第23話
北海道へ、東京より愛をこめて
「函館は日本のリヴァプールだ!」
高校の先輩がよく言っていた。
著名な文芸評論家の心から尊敬すべきドナルド・キーン氏は、嫌いではないにしても石川啄木にあまり興味がなかったらしい。石川啄木の中にある、ある種のリヴァプールっぽさ、青臭さが原因だろう。それはドナルド・キーン氏の愛する日本の美の清華とは対極の位置にあるし、心和ませる日本の風俗ともまた異質である。何より欧米人が日本にリヴァプールっぽさなんかを期待する訳がない。当然と言えば当然の評価かもしれない。
だがそのリヴァプールっぽさも間違いなく日本の一部であるし、現にこうして日本の中で活動している。僕の体の半分は北海道からできているし、僕の最高の思い出たちは北海道が与えてくれた。そんな北海道の豊かさを読んでいる皆さんに少しでも届けることができれば、と感じてます。
Never surrender, England of Japan!
実は意外に面白い女子野球
食後にすぐ動く気にもなれなかったのでテレビのチャンネルを回していたら女子野球の世界選手権というのをやっていたので、ちょっと見てみた。
「まっ、たいしたことないな。ストレートも山なりだし。」
だがテレビを消した後でもしばらく気になっていた。
「ストレートが山なりだとすると、いったい投球術なるものは存在するのだろうか?」
僕らは投球術なるものを考える時、ストレートを主体に考えるのがあまりにも常識になり過ぎている。
「ここで変化球を投げてきたということは、次はストレートか。」
この考え方こそが野球を狭めていないだろうか?
さらにストレートに威力がない分、より投球には精度が求められるし、駆け引きや間合いを外すといった技巧も求められる。そしてそういった技巧はむしろ女性の方が上である可能性もある(ストレートの威力や身体能力に頼り過ぎたメジャーリーグが繊細さを失っているのと正反対の世界)。
こういったことを考え合わせると、いつかこんな時代が来るのかもしれない。
「本当の野球好きというのは男の野球じゃなくて女子野球を見るものさ。」
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