第22話

            ロック・ミュージシャンとお風呂

 先日、ロック・ミュージシャンの内田裕也氏が妻で女優の樹木希林さんにこんなことを言われた、という話を聞いた。

「あなた、ロッカーだからお風呂よりシャワーでしょ。」

 内田裕也氏も内心たまにはこんなことを言われてみたかったのだ。

「あなたお風呂が沸いてるわよ。」


 シャワー派の僕がこの間久しぶりに風呂に入った。やっぱり風呂はいい。




             粋な百日紅(さるすべり)

 僕の住んでいる東京の郊外は40年くらい前に住宅地として開発され、人が多く移住してきたエリアで、その当時の家がまだだいぶ残っている。今年になるまで全く気にもしなかったのだが、五軒に一軒、ないしは十軒に一軒くらいの割合で百日紅が植えられ、濃淡の紅色の花が今見頃を迎えている。樹木としての百日紅はご存知の通り樹皮が剥げたような肌をしていてとても観賞用とは言えないのだが、花は古来から愛されてきたように値打ちがつけられないくらい美しい。加えて春の花が咲き終わり、秋の花々や紅葉までの隙間を埋めてくれる百日紅が愛されてきたのもうなずける。家の庭に百日紅を一本植えてきた当時の建築家や庭師の人たちの粋な計らいに今更ながら感謝し、敬意を表したい。


 それに比べると最近の建て売りの庭は……。




               見えない手数料

 近年、ネット通販大手のAMAZONなどの法人税逃れが問題になっている。せこいと言えばせこいし、賢いと言えば賢い。何らかの法的整備をしたところでああいう企業はきっと抜け道を見つけることだろう。では一体どうしたらいいのか。


 原理的に言えば、法人税がほとんど支払われていない国(例えば日本)などのAMAZONの利用者は、自分たちに還元されるべき税金が支払われないのだから、その分見えない形でAMAZONに対し手数料を支払っているんだ、と考えてほしい。細かい計算をした訳ではないが、例えば千円の買い物に対し毎回訳の分からない十円、五十円の手数料を払っていることになる。後は利用者の問題。買いたければ買えばいいし、馬鹿馬鹿しければ止めればいい。




         文学者と科学者、どちらが早くボケるのか?

 前回『逆さメガネ』の話を書いた時、うかつにも養老孟司さんの「たけし」の漢字を忘れてしまった。それだけではなく、養老さんのことを脳学者と書いてしまった(正解は解剖学者)。結論は簡単、文学者の方が先にボケるらしい。




 

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