日和恵那が死んだ


 日和恵那が死んだ。

 その衝撃的なニュースは学校中に瞬く間に広がった。

 学校側と警察側からはまだ詳しい説明が行われていないため、どのような状態で死んだのか、そもそも自殺なのか事故なのか他殺なのかは明らかになっていない。

 しかし学校中が同じ高校の生徒が死んだという噂で持ち切りになっていて、しかもその生徒が日和恵那という名前の一年生だということまで特定されていた。

 さすがは情報ネットワーク社会の申し子たちだと怖ろしくなる。

 その噂の中心人物が知り合いなのでそこまでいい気分もしなかった。


 でも悲しいかと言えば、正直言ってそこまで心が痛むこともなかった。

 何というか実感がないのだ。

 昔から私はそこまで感情が大きく揺れ動くタイプではなかったが、さすがにかつての親友であり幼馴染が死んだにも関わらず、自分が落ち着いたままでいられるとは思わなかった。

 たしかに小学校の頃は私と恵那は暇さえあれば一緒にいたが、高校で再会してからは顔を合わせた回数さえ片手で数えられる程度だ。

 中学校に行っている間のブランクがよほど大きかったのだろうか。三年振りに再会した私たちの間にはもう友情と呼べるようなものは残っていなかった。


「すごい噂になってるね。日和さんって何組の人?」

「たしか二組だったはず」

「へー、よく知ってるね。さすが新聞部、耳聡い」

「べつに。というかその頭どうしたの? 怪我?」

「うん。ちょっとタンスの角に頭ぶつけちゃって」

「それはご愁傷さま」


 時計の針はちょうど十二時半を過ぎたところ。

 私が購買で買ってきた菓子パンを食欲が湧かないのでミルクティーで無理矢理流し込んでいると、ちょうどそこに頭を包帯でぐるぐる巻きにした田島千絵たじまちえがやってきた。

 クラスメイトである千絵はいつも通り私の隣りの席に腰掛け、お手製の弁当箱を箸でつつき始める。

 彼女とは学校の外で遊んだりするほど仲が良いわけではないが、何となく波長が合うというか、自然と一緒に過ごす機会が多い。


「でも殺人だなんて怖いね。最近野良ネコとかも殺されてるっていうし、それと何か関係あるのかな」

「さあ。でもなにを根拠に殺人だって言ってるんだろ」

「日和さんが見つかった場所がさ、実習棟の視聴覚室らしいよ。そこで事故とかふつうなくない?」

「まあ、それはたしかに。でも自殺の可能性だってあるじゃない」

「なんか日和さんってそういうタイプじゃないんだって。ほら、なんていうの。リア充的な?」

「ふーん。そうなんだ。でもそういう表面上明るい人に限って、案外実は心の中にストレスを溜め込んだりするのかもよ」

「それは一理あるね。さすが新聞部、考察が鋭い」

「さっきから言ってるそのさすが新聞部っての全然嬉しくないからやめて」


 千絵は私の注意をまるで聞いていないようで、いつも通りに微妙に腹の立つニヤけ面をするだけだ。

 しかし千絵にはああ言ったが、私自身も恵那が自ら命を絶つとは思わない。

 彼女は昔から負けん気が強いというか、反骨心の旺盛な子だった。

 自分が間違っていると思ったことには間違っているときちんと主張するし、自分が正しいと信じていることを誰かの言葉で曲げたりはしない。

 彼女はいつも沢山の人に愛されていて、彼女自身も多くの人に愛を注ぐ種類の人間だった。

 状況的に事故はない。

 性格を考えても自殺は考えられない。

 おそらく他殺なのだろう。


「それで、ツナはどうするの? 新聞部として、日和恵那殺人事件の取材とかしちゃう感じ?」

「しないよ。校内新聞に記事を載せようとは思うけどさ。わざわざ取材なんて」

「えー、なんでしないの。校内で起きた殺人事件とか超ホットじゃん。自殺かもしれないけど」

「取材ってなにするのよ。視聴覚室は立ち入り禁止になってるし。誰に何を訊けばいいっての?」

「それはほら、持ち前のコネクションで。伯父さんが探偵とかやってないの?」

「やってない」

「じゃあ実は警視総監の娘とか、孫とか」

「父はサラリーマン。おじいちゃんは新潟で米つくってる」


 私はどこにでもいるような平凡な女子高校生だ。

 バイトで探偵事務所の助手だってやっていないし、親戚や家族内に警察関係者だっていない。恵那のために私ができることなんて何一つなかった。


「そっかぁ。でも殺人事件だったら怖いよね。だって日和さんを殺した犯人がこの近所にいるかもしれないってことでしょ? いや、もしかしたらこの学校の中にいたりして」

「犯人ねぇ……」

「え? なになにどうしたの? 心当たりとかある感じ?」


 私の含みを持たせた返答に対して、餌を与えられた都心の池に住む鯉みたいな顔をして千絵が喰いついてくる。

 昨日、今や恵那の命日となってしまった十一月十三日の月曜の朝に、私はおそらく彼女からであろうメッセージを受け取っている。

 

 宮下聡が殺した。

 

 たったそれだけが短く記されたノートの切れ端。

 恵那が死んでしまった今となっては、重要な意味を持つように感じられる文字列。

 私は彼女の訃報を耳にしてからずっと迷っていた。

 このメッセージを先生や警察に伝えるべきかどうか。


「千絵さ、宮下聡って知ってる?」

「宮下聡? あー、うん。知ってるよ。でもいきなりなんで? 宮下くんがどうかしたの?」

「え、うそ。知ってるの?」

「うん。だって宮下くんとうち一応オナチューだし」


 物は試しと軽く千絵に宮下聡について尋ねてみると、意外なことにその名前に覚えがあるらしかった。

 どうやら彼女の口振りから察するに私たちと同じ高校に通う生徒らしい。


「この学校の生徒? 何年?」

「タメだよ。クラスはたしか八組だったかな」


 私や恵那とクラスは違うが学年は同じようだ。

 ここまで聞くとさすがの私にも宮下聡への興味が湧いてくる。


「宮下聡ってどんな奴?」

「うーん、どんな奴って言われても。中学の時はあんまり目立つタイプじゃなかったかなぁ。たぶん今もそうだと思うけど」

「影薄い系か。あんまり恵那とは接点がなさそうだね」

「日和さんの事件となにか関係あるの?」


 不思議そうに私を見つめる千絵に例の書置きのことを話すべきか迷う。

 隠すほどのものでもないと思うけれど、気分がよくなる内容でもないので少し躊躇われた。


「ねぇツナ、教えてよ。内緒にするから」

「……まあいっか。でも本当に内緒にしておいてね。下手をしたら人一人の人生狂っちゃうかもしれないから」


 私は鞄の中からそっと赤色のクリアファイルを出して一枚の紙きれを抜き取る。

 綺麗に折りたためられた切れ端を開き、中身を千絵に見えるようにすると彼女の鶯色の瞳が満月のように丸くなった。


「……わお。これマジ? 匿名のリークって奴? 新聞部に届いたの? でも悪戯じゃない?」

「うん。新聞部の相談ボックスに入ってた。たぶん悪戯じゃないと思う」

「どうしてそう思うの?」

「うーん、なんとなく」

「なにそれ。だけど綺麗な字を書く人だねこの人。ツナは幼稚園児みたいな字を書くから、とりあえず自作自演ってわけじゃないことはわかる」

「失礼な。私だって本気出せばそれなりの字は書けるし」


 このメッセージがおそらく恵那から届けられたものだろう。

 だけど私が彼女と幼馴染であることはなぜか他人に話す気にならなかった。


「この手紙書いたのさ、たぶん恵那だと思うんだよね」

「恵那って日和さん? えー、さすがにそれはないでしょ。だってこの手紙が届いたの朝でしょ? もう日和さん死んでるじゃん」

「朝は朝でも、これが届いたの昨日の朝なんだ」

「えー? それだともっとおかしくない? その時はまだ日和さんピンピンしてる頃でしょ? ダイイングメッセージにしては早すぎるって」

「だからそれは、宮下聡に殺される予感があったのかも」

「あー、なるほどね。なんでわざわざ新聞部に伝えたのかは謎だけど、その線ならありえる? かな?」


 整った小顔を頬杖の上に乗せて、千絵は難しい顔をしている。

 どうして恵那はわざわざ新聞部にこの手紙を届けたのだろうか。

 もし宮下聡に恨まれるか何かをして命を狙われているとしたら、もっと他に頼るべき相手がいたはずだ。


「でもツナの考えた通りだとしても、この文章ちょっと変だよね」

「え? どこが?」


 恵那の独特な字体で綴られた最後のメッセージ。

 それをどこかぼんやりとした面持ちで千絵は眺めている。



「だってもし宮下くんに殺される予感があったらふつう、“宮下聡が殺した”、じゃなくて“宮下聡に殺される”、にするんじゃない?」





 同級生が死亡するという非日常に構うことなく時間が穏やかに過ぎていき、あっという間に放課後を迎えた。

 私もまた普段通りに高校生活を送り、今日も昨日と全く同じ行動をとる。

 

 錆びついた空気の満ちる廊下を抜け、新聞部の部室へと足を運ぶ。

 恵那の事件についてどこまで書いていいのかはわからないが、一応の幼馴染としてもそれなりに伝統ある新聞部の一部員としても記事に上げないわけにはいかないだろう。

 そうやって校内新聞に載せる文面のことを考えて初めて、私にもようやく恵那が死んだという事に対する実感が湧いてきた。

 憂鬱気で、どこか虚無感のある淡い感情。

 そして彼女がいなくなってしまう前にもう少し会話をすればよかったというありきたりな後悔が押し寄せてくる。


「……あれ。誰かいる?」


 無機質な白光が新聞部の部室から僅かに漏れていることに気づき、私は取り出しかけていた扉の鍵を再び鞄に戻す。

 私以外に新聞部に入れることができるのはたった三人しかいない。

 元部長で受験生となった今は半引退状態になっている詩音さんか、現部長なのに幽霊部員である秋葉先輩、または顧問の佐久本先生のうち誰かだろう。

 私は何となく佐久本先生だろうと予想をつけて、すでに鍵の開いていた部室の扉を開く。


「おお、綱海つなみか。ん? なんだお前。ちょっと太ったか?」

「太ってません。先輩が痩せたんですよ」


 開口一番浴びせられる女子高生に対してはかなり不適切な発言。

 普段は私が使用している椅子に堂々と座り、浮浪者の如く伸びた黒髪を手でがしがしと掻くその失礼さの塊の名は秋葉誠也あきばせいやといい、残念ながら私の先輩でありこの新聞部の現部長だった。


「でもずいぶんと久し振りですね。てっきり死んだのかと思いましたよ」

「おいおい、このタイミングで他人を死人扱いとは中々ブラックなジョークだな。というかそんなに久し振りか? この前会っただろ」

「この前っていつの話ですか。私の記憶違いでなければ、夏休み前に部室に大量に置いてあったゴミを引き取って貰った時以来顔を合わせてないと思うんですけど」

「先輩の私物をゴミ呼ばわりするなよ。悲しくなっちゃうだろ。というか夏前に会ってるなら全然久し振りじゃないと思うぞ。俺的に、久し振りという言葉を使うのは少なくとも十年は音信不通になってからだな」


 埃を被っている自席の隣りの椅子を雑巾で拭いてから、仕方なく私はそこに腰掛ける。

 横に座っている秋葉先輩は机上のノートPCを起動させているようで、この人にしては珍しく真剣な表情で眺めていた。


「なに見てるんですか」

「お前の写真」

「変態。さすがに訴えますよ」

「ばか違う。勘違いするな自意識過剰な後輩クン。お前が写っている写真ではなく、お前が撮った写真だ」


 秋葉先輩の烏羽色の視線の先を覗き込んでみれば、そこに広がっているのは猫の惨殺死体が収められている写真だった。


 首を潰され、四肢がもがれた黒猫。

 首を絞められたのか舌が飛び出るようにして死んでいる三毛猫。

 顔が粉砕されたような状態になって見るに堪えない白黒模様の猫。


 ちょうど夏が終わり、九月に入った頃からこの近所で野良猫が何者かによって虐待死させられてしまう事件が起こっていて、その犯人はいまだに捕まっていない。

 この事件に多少の興味を持った私は個人的に幾つか野良猫の死体を探しては何枚か写真を撮っていて、記事のためのデータは新聞部で共有できるようにPCに保存してあった。


「いきなり部室に顔を出したと思ったら、今度はグロ画像見てるんですか。本当に先輩は不適切な存在ですね」

「お前こそ本当に不敬な後輩だよ。リスペクトってやつが足りない。これは検証だよ、検証。記事を書くためのな」

「記事? 猫の変死体事件のですか?」

「いや、そっちじゃない」


 秋葉先輩はそこまで数の多くない猫の死体写真を何度も何度も見返している。

 なぜ新聞部に入ったのかも不明だった先輩がここまでやる気を出している姿は初めて見た。

 私はかれこれ入部以来、この人が書いた記事を一度も読んだことがなかった。


「猫じゃないなら、なんの記事ですか」

「日和恵那。お前も知ってるだろ。昨日うちの高校で女子生徒が一人亡くなった件についてのだ」


 目頭を押さえて溜め息を一つ吐くと、秋葉先輩は私の方へ向き直る。

 彫りの深い顔立ちには若干の憂いが浮かんでいた。


「恵那の死と猫がなにか関係あるんですか」

「さあな。今のところはなんともいえん。というかお前、日和と知り合いなのか?」

「……いえ、べつに」

「ふーん。まあ話したくないならいいけどな」


 学校の成績は控えめにいってかなり悪い癖に、秋葉先輩は妙なところで勘が鋭い。

 私が恵那という呼び方を使っただけで、私たちの間に何かしらの親交があることを見抜いたようだった。

 しかし元幼馴染という関係性を他人に話すことが何となく気恥ずかしかった私は、千絵にもそうしたように曖昧に誤魔化すだけ。


「猫を殺した犯人と恵那を殺した犯人が同じだとでも?」

「わからん。そもそも日和に関してはまだ他殺かどうかさえ断定できないからな。でも視聴覚室で事故や自殺ってのも変だろ。それに日和が見つかった時に廊下を走り去って行く人影を見たってもっぱらの噂だ」

「詳しいですね」

「お前SNSやってないのか?」

「やってないです」

「そっか。お前友達いないもんな」

「先輩よりはいますよ」

「ふっふっ、俺のフォロワーの数を見たらお前驚くぞ?」

「リアルの友達の話です」

「……ま、まあとにかく、今のところ日和はどっかの頭のおかしい奴に殺された説が有力なんだよ」


 そういえば千絵も猫の変死体の件と恵那のことは繋がりあるのではないかと疑っていた。

 猟奇的な嗜好を持った殺人鬼がこの付近をうろついているのだろうか。

 下手をすればまだこの校内に隠れ潜んでいる可能性もある。私は急に肌寒さを感じた。


「あ、そういえば、先輩に見せたいものが」

「なんだ?」


 そこで私は例のメッセージを思い出す。

 すでに千絵にも話してしまったし、同じ新聞部の秋葉先輩に見せる程度なら構わないだろう。

 元々これは私個人ではなく、新聞部に宛てられたものだ。

 それに私一人でこれを抱え込むのは少し息苦しい気がしていた。


「実は昨日の朝、相談ボックスにこれが」

「……宮下聡が殺した? なんだこれ。宮下聡ってのは誰だ? お前知ってるか?」

「どうもこの学校の生徒らしいです」

「へぇ」


 例の紙きれを受け取ると、秋葉先輩は何か考え込むような表情で、無意味に電灯で透かしてみたりしている。

 字体から差出人が恵那であることは予想できるのだが、先輩に対して私はその事を口にしなかった。


「昨日の朝ねぇ。朝に届けられたのは間違いないのか?」

「はい。私、毎朝部室に来てるんですけど、その間にそれが届けられたのは確認してます」

「なるほどなぁ。それで、綱海はどう思ってるんだ?」

「え? どういう意味ですか?」


 質問の意味が理解できず訊き返すと、秋葉先輩は出来の悪い生徒を見たときの教師のような顔をして、私は若干腹が立った。


「どういう意味って。これが日和の事件と関係あると思ってるのかどうかって意味だよ。そう思ってるからこれを俺に見せたんだろ?」

「べつに。そういうわけじゃありません。ただこういったものは新聞部で共有するべきだと思ったから見せただけです。恵那が死んだことと関連性があるかどうかは私にはわかりません」

「あっそ」


 てっきりもっと喰いつくかと思ったがそこまで興味はないようで、秋葉先輩は私に手紙をすぐに返す。

 この人の好奇心の反応バロメーターは相変わらず理解不能だ。


「それで。そもそも綱海はなにしに部室に来たんだ?」

「それ先輩が言いますか? 私はふつうに校内新聞の来月分を執筆しに来たんです。というか先輩も記事書いて下さいよ」

「だから今回は書くって。日和の事件は俺が担当する」

「珍しいですね。どういった心境の変化ですか」

「新聞部としてはこの件を書かないわけにはいかないが、内容が内容だからな。可愛い後輩に押し付けるのは悪いだろ」

「可愛い後輩ってもしかして私のことですか? 訴えますよ」

「いやそれはおかしいだろ」


 とるに足らない学内ニュースの雑記を埋めるためにPCを奪い取ると、手持ち無沙汰になった秋葉先輩は部室の奥にあるかび臭いソファへと寝転がった。

 その後しばらくキーボードを叩き続けていたが、先輩はソファで仰向けになったまま、寝るわけでもなくずっと別に面白い絵柄が書かれているわけでもない天井を見つめていた。


「先輩、帰らないんですか」

「帰るよ。お前が帰る時に」

「告白ですか。ごめんなさい、ムリです。人としても男としても」

「ば、ばか違うよ。うちの高校の女子生徒が一人殺されてるんだ。暗い夜道をお前ひとりで歩かせるわけにはいかないだろ」

「ふーん、そうですか」

「なんだよ。ちょっとは嬉しそうな顔しろよ」

「しません。べつに嬉しくないので」

「あっそ」


 秋葉先輩は何が面白かったのか、ひとりで穏やかに笑っていた。

 その優しい横顔を見ていると、不覚にも安心するような暖かな気持ちになってしまうので、モニター画面に意識を集中させて間違った感情を訂正する。


 その後すっかり日が暮れて私がPCの電源を落とすまでずっと秋葉先輩は私のことを待ってくれていて、しかも寒いから暖かい飲み物を奢ってくれるとまで言ってくれた。

 これまでの部活動をサボっていた分の借りを返してもらおうと、私はその申し出を素直に受け入れた。


 だけど先輩はいざ自動販売機の前に辿り着くと財布を家に忘れてきたと言い出して、なぜか私が先輩の分を奢るはめになった。

 この借りはいつか必ず返すとかほざいていた気がするが、どうせ明日には忘れていることだろう。

 新聞部現部長秋葉誠也はそんな人なのだから。




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