第17話 都合と準備
「おーい、ブス。いい加減に出て来いよ」
カーテンの向こうからダニーが私を呼ぶ。
「放っておいて! 私、絶対外になんか出ないから!」
「いつまでそうやってんだよ、この引きこもり! オラ! 出て来い!」
カーテンが開き、ダニーが私の布団を引っ張った。私は慌てて布団を引っぱり返す。
「止めてよ! 止めてってば! あいつが来ちゃったらどうすんのよ!」
「だから、何かを見間違えたんだろ! 喚くなよ!」
「見間違えで気絶なんかしないわ! あれは絶対に、絶対にブギーマンだったもの!」
恐怖によって意識を失った私は、翌朝になって病室のベッドで目を覚ました。
私の体はいつかのようにバッチリ拘束されていて、枕元には『長時間でもムレない! モレない! 臭わない! 可愛いクマちゃんプリント付き!』 というポップな文字が踊る紙オムツの袋を抱えたルールブックさんが、世界一の阿呆をみるような目――それでいてどこか慈愛すら感じさせるような――で私を見つめて立っていた。
ルールブックさんによると、死体安置所で気絶していた私を、あのマネキン野郎のピートがナースステーションまで運んでくれたのだそうだ。
私はルールブックさんに地下室にいた血だらけの恐ろしい男、ブギーマンについて、いつかのジャックみたいな勢いで喋り倒したけれど、返って来た答えは「寝ぼけていたんでしょう」だけだった。
あれだけ恐ろしい目に会ったというのに、さっぱり信用されず、それどころか再び「そんなにオムツを穿かされたいんですか」と脅されるはめになった。踏んだり蹴ったり殴られたり投げられたりだ。泣きっ面にスズメバチの大群とも言える。
唯一幸運だったのはダミーキーにルールブックさんが気が付かなかった事だけだ。あれが見つかっていたらより過激なお仕置きが待っていたに違いない。ダミーキーを落とさないようにポケットの奥に入れておいてよかった。
「ビビってたから幻でも見たんだろうよ! ほら! 布団を離……せ!」
とうとうダニーは布団を剥がし取ってしまった。私は布団の変わりにベッドシーツを体に巻き付けた。ダニーとサードは可哀想な子を見るような目で私を見ている。
「なんで信じてくれないのよ! あんた達だってちょっと前までブギーマン、ブギーマンって煩かったじゃない!」
2人は顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。2人だけの間で通じるテレパシーで意思疎通してるみたい。私はのけ者だ。
「いや、なんつーかさ。俺達もブギーマンが怖かったって言えば怖かったんだけどな?」
「マージがそんなにガクガクブルルルンしてるから逆に怖くなくなったっていうか……」
「お前を見て思ったわけだよ。あぁ、こんな馬鹿と同レベルに落ちたくねぇなって」
「そうそう。そーなのね」
「冷静に考えたら、俺、北棟では何にも見てなかったんだよな。何かを見たって思い込んでただけだったんだ。まぁ、集団ヒステリーってやつだぜ」
「いやぁー。うっかりしてたのね!」
「うっかりだぜ!」
エヘッとダニーとサードは舌を出して自分の頭をコツンと叩いた。ちょっとしたお茶目な失敗を自ら茶化してるって顔。
私はお腹の下からマグマが煮立って、頭のてっぺんまで上ってくるのを感じた。
「何が、エヘッ! だ、この薄情者!」
私はベッドの上にあった枕やぬいぐるみや本を2人に向ってぶん投げる。2人はヒョイヒョイと私が投げた物を事ごとくかわした。なんで男の子ってこういう時ばっかり素早いの!
「避けるんじゃないわよ! この馬鹿!」
「無茶言うなよ!」
「大体私はあんたのホイッスルを取りに行ったのよ! 少しは感謝しなさいよ!」
「わーってる、わーってるよ、感謝してるって、マジで」
ダニーは首から下げたホイッスルを手で握り、大事そうに撫でる。ピートが私をナースステーションに届けた時に『この子の物かもしれない』って一緒に持ってきてくれたのだ。
「感謝が足りないのよ! 跪いて靴の裏を舐めて、ドゲザしてハラキリしなさいよ!」
投げる物がなくなり、私は次の手を探して病室を見回した。
「ジャック! ジャックはいないの! この馬鹿共にブギーマンの話をしてやって!」
「ジャックは今朝からいねぇーよ。検査の日だからな」
「検査?」
私は怒鳴るのを止めてダニーに顔を向ける。
「この前の検査からまだ3日も経ってないわよ?」
ダニーは何にも知らないぜ、って感じで首を横に振った。
私は再度ゆっくりと病室を見回す。
姿が見えないのはジャックだけじゃなかった。カーチャの姿も見えない。
「カーチャは?」
「さっきおじさんと一緒にロビーに行ったのね。おじさんの他に怖そうな人達も一緒だったの。空気がビリビリのピリピリだったのよ」
俄に廊下が騒がしくなった。病室に向かって走ってくる足音が聞こえる。
ダーン! と大きな音を立てて扉が開き、真っ青な顔をしたカーチャが文字通り部屋に飛び込んで来た。彼女の後ろからおじさんが走ってくる。
「どうしたの、カーチャ?」
カーチャは答えずに部屋の奥に走る。
彼女の向かう先には完成間近のレゴブロック製タージマハルがあり、その奥には電源の入っていないテレビがあった。あのタージマハルはサードがこつこつ作り上げてきた物だ。もうちょっとで完成する。
「カーチャ、お顔が怖い怖いなのね。どうしたのよ? あ! ねぇ! そこはダメ! 避けて! ぶつかる! ボクのタージマハルにぶつかるよ!」
サードが彼女を追い掛ける。
カーチャはサードの声も無視して走り続ける。建設中のタージマハルは彼女の足に踏みつぶされて倒壊した。黄色いレゴブロックが固い音を立てて床に転がる。サードは赤毛を掻き回し、引っ張りながら絶叫した。
カーチャはサードを無視して――彼の事なんて目に入ってないみたいだった――テレビの前に立ち電源スイッチを入れる。
テレビ画面にはキッズチャンネルのアニメが映った。
カーチャはチャンネルボタンを連打して画面を変えていく。アニメ、スポーツ、料理、またアニメ。
「謝れーっ! ボクに謝れよっ! あとちょっとで完成だったんだぁ!」
サードが無茶苦茶なタップダンスを踊るみたいに足をばたつかせ床を蹴った。でもカーチャはチャンネルを変えるのに夢中になっていて、彼の方に顔を向けもしない。サードは叫ぶのを止めると低い唸り声を食いしばった歯の間から漏らし、カーチャに飛びかかった。彼はカーチャの腕にしがみつき、ガブリと噛み付く。
「ドョヴィヴァッツア!」
カーチャは短く吠えると、サードが噛み付いている腕を大きく振るった。
サードの頭はテレビ画面にガンッと固い音を響かせて衝突する。
「カーチャ! 止せ! 止めるんだ!」
ダニーが悲鳴をあげて2人に向って走る。私も彼に続いてベッドから飛び降りた。
カーチャはサードの頭を何度かテレビに叩き付けた後で、サードのお腹を蹴っ飛ばした。サードの体は一瞬宙に浮き、床に叩き付けられ、それでも勢いが止まらずに床を転がった。彼の体は壁に衝突してやっと動きを止める。
「サード! 大丈夫か!」
ダニーは俯せになって倒れているサードに駆け寄った。サードは仰向けに体を転がすと、両手足をひっくり返された亀かカブトムシのように動かして泣き出した。転がった時に口の中を切ったらしく、唇から血を流している。
「カーチャ! あんた、何て事するのよ!」
ラクダ色のコートが私の前を塞いだ。顔を上に向けるとカーチャのおじさんの顔が見えた。
「悪いがちょっと待ってくれ。あいつはシリアスな状態なんだ、落ち着かせてやらないと。それにお前さんじゃあいつに敵わないだろう」
「シリアスなら人を蹴っ飛ばして怪我させていいっていうの? どいて!」
私はおじさんの横を通り抜けようとしたけど、おじさんに肩を掴まれて止められてしまう。
「少しでいい、あいつに時間をやってくれ」
「時間って何よ! ただテレビ観てるだけじゃない! そんなのテレビが見たいわけ? 友達を蹴っ飛ばして怪我させてまで見たいチャンネルって何なのよ!」
カーチャは凄い勢いでテレビチャンネルを切り替えていた。
彼女はニュース番組が画面に映るとチャンネルを変えるのを止め、音量を大きくする。
『……続いては本日午後1時20分頃のニュースです』
女性キャスターがカメラ目線のままニュースを読み上げ始めた。
画面がスタジオからビル街の風景へと変わる。太陽にまで届きそうな高いビルの群れが映し出される。カメラはそのビル達の中でも1番大きな建物にピントを合わせる。成金趣味を絵に描いたみたいな装飾過多な高層ビルだ。玄関の前には無数の人だかりが出来ていた。
割れた窓ガラスと玄関の床に飛び散った血が大写しになり、続いて立ち入り禁止のテープで囲まれた路上が映される。数人の警察官が忙しく動き回っている。
『ホープスターホテルに宿泊していた同ホテルオーナーのレオス・ビノッシュ氏が、ロシア系マフィア〈クローフィ・スカルピオン〉の構成員と見られる男に至近距離から発砲され、病院に搬送されましたが、間もなく死亡が確認されました』
映像にキャスターの声が被さる。
画面が切り替り、死亡したレオス・ビノッシュ氏というキャプション付きで、顔中に皺がある、親指に人間の顔を移植したみたいな爺さんの顔が大写りになった。
『ビノッシュ氏は闇社会との強い繋がりを噂されており、今後はビノッシュ氏の資金関係を中心に、警察による背後関係の捜索が予想されます。また〈クローフィ・スカルピオン〉は事件への関与を否定しており、真相の解明には更に時間が掛かりそうだと予想されています』
パッと画面が切り替ると見覚えのある顔が画面に映り、私は愕然とした。
カーチャのお兄さんだ。
以前はなんて美しいんだろうと思った彼の顔が、見るのも耐えられないくらい凶悪な顔に見える。同じ顔なのに。何も変わらないのに。
『ビノッシュ氏に発砲した男はセルゲイ・ミハイロヴィチ・モロゾフ。24才。ビノッシュ氏に発砲した後、駆けつけた警察官にその場で射殺されました』
カーチャは悲鳴を上げ、テレビ画面に拳を叩き付けた。
ゴゥンッという鈍い音がして、テレビが台の上から後ろにずれる。もう一発。カーチャはテレビ画面を殴る。続けてもう一発。もう一発。もう一発。もう一発。繰り返し、繰り返し、カーチャは画面を殴り続けた。
もう画面はニュースからコマーシャルに変わっていたけれど、彼女は画面を殴り続けるのを止めない。拳の皮が破れて彼女の手から血が流れ、テレビ画面を赤く汚した。
「ちょっとここにいてくれ、動かないで」
おじさんは私の頭を軽く叩いてから、カーチャの方へ歩いていった。
おじさんはテレビを叩き続ける彼女の肩を掴んでテレビから引き剥がし、大声で怒鳴った。ロシア語だったから何を言ったかわからなかったけど「いい加減にしろ!」とか「暴れるな!」とかだろう。そんな風な顔をしてた。
カーチャはおじさんに怒鳴り返した。振り返った彼女の顔は涙に濡れていたけれど、つり上がった眉毛と眉間に深く刻まれた皺から彼女の激しい怒りが伝わってきた。怒りがパチパチと空気中に迸っている。
カーチャはおじさんの顔を思い切り殴った。拳はおじさんの顔にめり込み、おじさんの鼻から血が流れる。サードが増々激しく泣き出した。
「マージ、ぼーっとしてないで手伝えよ! サードをここから動かすんだ!」
ダニーが床に倒れたままのサードの左足を引っぱりながら叫ぶ。私は2人の側に駆け寄っていき、サードの右足を掴んで引っ張った。ズルズルと彼を引き摺ってカーチャとおじさんの側から離していく。あの場所に置きっぱなしには出来ない。
「カーチャがレゴを無茶苦茶にした! ごめんなさいも言わないんだあぁぁぁ!」
サードは私達に引き摺られながらもまだ泣き止まないでいた。
「後で一緒に作り直そうぜ、3人でやりゃぁ早く元通りになるからよ」
「それはもう違うじゃないか! 同じ物なんか二度と作れないんだ! 二度と、二度と!」
サードを落ち着かせながらおじさんとカーチャの方へ顔を向けると、カーチャがおじさんを何発も何発も殴りつけている姿が見えた。肉と肉が衝突する生々しい暴力の音が響く。おじさんは流れ落ちる鼻血を拭おうともせず、カーチャをじっと見つめている。抵抗もしなかったし、逃げようともしていなかっ た。
カーチャは殴るだけ殴った後で動きを止め、肩で息をしながらおじさんの顔を見つめた。彼女はおじさんの血と自分の血とで汚れた自分の拳を見つめ、体に残っているエネルギーを全て絞り出すように大声で泣き出した。
「カーチャ……ヤヴィナヴァート」
おじさんはゆっくりと泣いているカーチャを抱き寄せた。カーチャは拳を握りしめ、俯きながら泣き続けている。ヤヴィナヴァートって確か「ごめんなさい」って意味だ。
廊下が再び騒がしくなった。言い争う声と足音がどんどん近づいて、扉の前で止まる。扉の向こうから聞こえて来たのはルールブックさんの怒鳴り声だった。
「いいからお退きなさい! 一体病室で何をしてらっしゃるの!」
「今はダメなんでスッて、看護婦サン」
ロシア語訛りの男の声が彼女に応える。どうやら誰かが道を塞いでいるらしい。
おじさんは顔に付いた血をハンカチで拭い取ってから、カーチャの両頬にキスをする。
「もういい、話は終わった」
言い争う声が途絶え、間もなくして鬼のような形相のルールブックさんが病室に入って来た。彼女の後ろから体の大きな、見るからにチンピラって顔の男の人がついてくる。
「病院にトラブルを持ち込まないで下さいと、再三申し上げたじゃないですか!」
ルールブックさんは泣いているカーチャとサードを一瞥してから、増々目をつり上げた。
おじさんは愛想のいい笑みを浮かべて――目が笑ってなかったから全く愛想良く感じなかったけど――ルールブックさんに向かって今までになく丁寧に会釈する。
「いやぁ、どうも。怒った顔もお綺麗だ」
「警察を呼んでもいいんですよ、ミスター・プーシュカ!」
「落ち着いて話し合おう。トラブルを持ち込んだわけじゃないんだ」
「これがトラブルでなくて何だと言うのですか! 場を弁えなさい!」
ルールブックさんは視線をカーチャのベッドに移し、押し殺した声で続けた。
「ミス・エカテリーナのベッドの下にも、トラブルを持ち込んでいるようですね」
おじさんはスッと目を細めてルールブックさんを見つめる。冷たい目。とても怖い。
「私が気が付かないとでも思っていましたか? ミスター・プーシュカ」
ルールブックさんはおじさんの視線に動じず、淡々と言葉を続けた。
「いいや、あんたは気が付くってわかってたよ」
おじさんの口調が少し乱暴になる。
「それにあんたは絶対にそのトラブルを口外しないって事もわかってた。もし、あんたがベッドの下のトラブルに余計な事をしたら……カーチャは治療を受けられないまま病院から追い出される。あんたは絶対にそんな事はしないさ。あんたぁ今時珍しい良心的な人だからね」
ルールブックさんは無言でおじさんを睨む。
「そのトラブルは今、必ず持って帰って下さい。必ずです」
「自衛のために持たせたんだ。俺達と関わりがある子は何かと危険が多いから」
おじさんは肩を竦めてそう言ってから、天井を見上げてフーッと息を吐いた。
「わかった。あんたの言う通りにするよ。おい」
おじさんはルールブックさんの後ろに立っていた2人の男に何か声をかける。男達はカーチャのベッドに向かって歩いて行き、カーテンを閉めた。きっとベッドの下から『トラブル』を取り出しているんだろう。
「まずは無礼をお詫びする。大変申し訳ない。けど今日は急用だったんだ。カーチャの兄、つまり俺の甥っ子、セリョージャが天に召されたんだ」
ルールブックさんは小さく「まぁ」と息を飲んだ。
「甥っ子からカーチャの事を頼まれた。俺と俺の上司の力でなんとかカーチャに移植手術を受けさせてくれと。俺は反対したが……あいつは俺を飛び越えて上司と話を進めちまった。結果、あいつは逝ってしまったが……。上司は大変に感激してね、カーチャに出来る限りの支援をしてくれると約束してくれた。必要な支援を」
「支援?」
ルールブックさんは怪訝な顔をした。
「カーチャに移植手術を受けさせる。費用は上司が払うよ」
「ミス・エカテリーナの手術は、複数のドナーが必要です。ドナーはまだ見つかっていません。それに移植手術を待っているのは彼女だけでは……。言いにくいのですが、順番が」
「そうだな。曜日は……。おい、いつ頃『都合』が『準備』出来る?」
おじさんはルールブックさんの声を無視し、カーチャのベッドに向かって聞く。スキンヘッドの男が『トラブル』が詰め込まれたバッグを持って、カーテンから出て来た。
「土曜日には『都合』が『準備』出来ます」
「そう、土曜日。土曜日だ。手術室を開けておくように先生方に伝えておいてくれ」
おじさんはカーチャの方を向き、ゆっくり言い含めるようにロシア語で何か喋った。カーチャは泣き腫らした赤い目でじっと床を睨んでいた。
「それじゃぁ、これで失礼するよ。サラ、今度はコーヒーをご一緒しよう」
おじさんは人さし指と中指でルールブックさんを指差してから、チンピラを連れて病室から出て行った。
残された私達はサードとカーチャを宥めるので本当に大変だった。
サードは『カーチャが謝るまでボクはハンストしてやるから!』と大騒ぎしたし、カーチャはカーチャでベッドに閉じこもって全然出て来なくなってしまった。
検査を終えて戻って来たジャックが2人に『仲直りしないなら、一日中『ドナドナ』を歌い続けてやるからな!』と怒鳴り、そして本当にそれを実行した事で――病室には丸2日、48時間もあの陰気な歌がエンドレスで流れ続けた――やっと2人は仲直りの握手をした。
そして迎えた土曜日。
カーチャはおじさんの言った通り、移植手術を受ける事になった。カーチャに必要だった移植ドナーが偶然たまたま幸運な事に、一気に病院に搬送されて来たからだ。まさに『都合』が『準備』されたのだ。カーチャのために。
手術は無事に終わったが、状態が安定するまでの間、彼女は個室で過ごす事になった。
カーチャがいなくなっただけで病室はとても広く静かになったように感じられた。
私はカーチャが早く病室に戻って来ますように、そしてこれ以上誰もいなくなったりしませんようにと強く願った。
しかし、この世と言うのはつくづく私の願いと正反対に動くように出来ているらしい。
カーチャがいなくなってから3日後。もう1人の仲間が病室から消えてしまった。
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