第3話「新しい認識」


この時、私は

誰かに呼ばれるように

どこからかの微かな声を頼りにして

歩いていた



ふわりとした 声

秘密の場所へと連れて行く 声

ひかりの感覚


帰る時間が近づいているのか…?



時間は、有限ではない




頼りにするものがなく、歩いていたのか


職場で異動があった

私の異動はなかったが、2名の異動があり

出る人と、来る人

入れ替わりの配置転換

よく知らない人が私の部署に来た

私は、よく知らない人に対して慎重になる

心を開かないのは何故だろうか?





私が愛した人

どんな人だったか?


他人を守ることには必死で

自分を守ることには臆病な人だった



良い面と悪い面が裏表になってしまった人





私が愛した人は

どんな人だったのか?


自分を他人の中に隠してしまう

自分の人生を生きているのか分からない人



見失っているのか見つけているのか




私が人を好きになるには、時間が掛かる

その人のあらゆる面を見て、判断するための時間が必要になる

慎重になる



そしてこれは、この人生のイレギュラー


来るはずだった人生になかったもの




好きになったのは、価値観の近さではなく、

そんな価値観の共有を求めたんじゃなく、

気づいたら、好きになっていた


私が愛した人は、

価値観を擦り合わせようとする人だったのか?



大切なのは、異なるものは近づけようと

互いの違いを擦り合わせようと

新しい認識を持つことじゃないのかい?



私が愛した人


大切なのは、新しい認識を持つことなんだよ?










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