第21話 津倉佐々美、モフモフいっぱいでもいいかな?


「うしゃしゃしゃしゃー」


くすぐったいってば。うひひひー。

6匹の子猫が津倉佐々美の足にじゃれついて大変なことになっている。

かわええなあ。

子猫はやっぱりかわいい。

モフモフってええなあ。

おっと、いけないいけない、よだれが…。

津倉佐々美はつかさず長袖の端で流れそうなよだれを拭いた。


モフモフも触り放題、顔をうずめ放題…とはいえ、私は変質者ではありません。

今は6匹ベビーシッターとして奮闘中。


6匹もいると、もう違いは気にするだけ負けで…6匹は6匹ちゃんというセットとしてみんな認識していた。もう、本当ねえ、オスかメスかもよくわかんない。黒や白や三毛やいろんな猫がいて、ここのうちの子かどうかも…。いやいや、それはない、それはない。それはないはず…。正直わかんない。

でも、深く追求すれば血の雨が降るかもしれないから、あまり深く考えないほうがいいらしい。これだけセット感満載なら、きっと多少別の子猫が混じっていても誰も気にしないだろう。6匹ちゃんはそれぞれミルクを飲んだり、遊んだりと大忙しだった。ちょっと目を離した隙に、テーブルから落ちそうになるわ、ほかの子とけんかになるわ、ゲロは吐くわ、電気コードをかじろうとするわ、カーテンにぶら下がろうとするわ、もうしっちゃかめっちゃか…。

ミルクを飲ませるのだって、もう入れ替わり立ち替わりすぎて、どの子が飲んだのか、どの子が飲んでないのかもわかんなくなっちゃった。あとはもらってない奴の自己申告を待つしかない。6匹ちゃんよ、わんぱくでもいい、たくましくあれ。

それにしても、子猫の日々はハードだ。この前は遊んでいたら本気になられてひっかかれた。うう。子供は手加減がないから困る。生傷が絶えないや。

でも、そのうち要領よくこなせるようになって、猫じゃらしでペシペシやっていれば、適当に6匹ちゃんのうちの何匹かが釣れるようになった。うん、悪くない。

しかし、最近微妙に、奥さんの子沢山ママ猫〈ミカン〉も釣れる。ペシペシしていると子沢山ママ猫〈ミカン〉の手が動いている。もうじゃれたくてしかたがないみたい。大人が…だめだろ。


6匹ちゃんの面倒を見て、家に戻るともう夜だった。しかし、今日も6匹ちゃんはエキサイティングだった。ねこじゃらしを見るなり突進してくるぐらいだから。猫ってみんなああなのかな?おっさんもねこじゃらしをペシペシするとうまく釣れるんだろうか?


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