憧れのマイホーム

「ごちそうさまでした。カリナありがとう美味しかったよ」

 「ほんと、カリナさん美味しかったです。ありがとうございます」

 「うむ、確かに美味しかった。ありがとう」

 「はっ、そりゃよかった。

  ところでよ、お前名前なんていうんだよ」


 そう、ドラゴンのホムラとは自己紹介を済ませたが彼女とはしていなかった。


 「あ、これは大変失礼いたしました。私、ナユリといいます。どうぞよろしくお願いいたします」

 「そうか、俺は間宮竜次よろしく」

 「あたしはカリナよろしくな」

 「私はホムラだ」


 そしてとりあえず全員が自己紹介を終えると寝ることにした。


 「ところでよ、さすがにAHN-MARKⅠじゃ狭いだろ、だからさ折角だし家で寝ようぜ」  

 「あぁ、そうだな確かに折角作ったんだしな。でも中はまだなにもないぞ。一様全てレンガだが明日になったら背中が痛くなるかも知れないぞ」

 「それぐらいはいいさ」

 「私も間宮様が作ってくださった場所だ、なにも文句はない」

 「わ、私も大丈夫です」

 「そうか、ならいいが・・・」


 そう言うと各々適当な部屋に行って休んだ。もちろん結界を張るのを忘れずに。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 次の日の朝、昨日の残りを食べると俺は皆を集めた。


 「今日から少し、ここで家作りをしたいと思うがいいだろうか」


 そう言うと皆、同意してくれた。


 「じゃあ、まずは内装を整えたいと思うから木を何本か伐ってきてくれ。その間に俺はガラスを作るから」


 そういつと各々バラバラに動き出した。

 俺は地面に手をおくと、まず土の中からケイシャと、ソーダー灰、石灰石を取り出した。そのあとそれらを混ぜ合わせ高温で溶かした。するとだんだんとどろどろになっていき、それを薄く伸ばす。そしてそれが冷めるとそこには見事な一枚のガラスが出来上がっていた。


 (よっしゃ成功!)


 今までは複数のものを混ぜ合わせるなどということは出来なかったが、ついに成功した。

 出来上がったガラスを蔵に仕舞うとその調子でどんどんと作っては仕舞い、作っては仕舞いを繰り返した。


 「お~いとってきたぞ」


 そう言ってカリナは丸太を二本引きずってきた。


 「お、ありがとう。そこに置いといてくれ」


 そう言うとカリナはズドンと凄い音をたてながら丸太を置いた。そしてその後ろから更に丸太を切って、浮かせながらナユリが、帰って来た。


 「ありがとう、ナユリもそこに置いといてくれ」


 そう言うと俺はナユリの持ってきた丸太の方に行き、木枠をガラスと同じ分だけ作るとそれの中に作ったガラスをはめていった。


 「二人とも少し家の外と中に分かれて入ってくれ」


 そう言って二に指示を出すと俺は家の中に入っていった。まず一階の壁に木枠より少し大きい穴を横に2つ作ると東側と西側に作った。そこに木枠を置き、二人に中と外から抑えて貰うと木枠を壁に埋め込んだ。次に二人とも中に来てもらい二階に行く各部屋に一つづつ一度外に足場を作るとさっきと同じように作っていった。


 「よし!窓は完成だな。次は床だ」


 俺は木を30ミリ位の厚さに切り出すと全てに防水加工を施した。それをカリナとナユリに渡すと二人に一階の端から敷いていってもらった。二人が敷いている間に俺はベッドの台を4つ作り上げた。そのあとテーブルと椅子を作り部屋に置いていった。


 「よし、結構できたな」

 「あぁすげぇじゃねぇか。こんな短時間でずいぶんと立派なものができたな」

 「ほんとです。凄いですまさか間宮さんが概念魔法を使えるとは思いませんでした」

 「概念魔法?なんな聞きなれない言葉を聞いた」

 「あれ、知らないんですか。

  じゃぁ、概念魔法とは普通の魔法の強化版みたいなもので普通の魔法は一瞬発動するか、継続して使うときは再度発動しなければなりません。しかし概念魔法は常時作用する昨日の魔法をかけられるもので、通常は概念魔法の認識をした後で20年位修行しなければダメで、あまり存在を知られてないのでなかなか習得出来ないんですよ」


 そういうことらしい。普通に使っていたが凄いことだったらしい。


 「そうだ。足りなくなりそうだから木を持ってきてくれないか」

 「わかったよ、人使いが荒いな」


 そう言って取りに行こうとしたとき。


 ズドドドン!


 そして少し地面が揺れたかと思い音のした方を見ると10本ほどの木をホムラが持ってきていた。


 「カリナ、やっぱり大丈夫そうだ」

 「あ、あぁそうだな」

 「さすがドラゴンだ」


 俺は少しひきつつも、小さなテーブルを4つと椅子を追加で2脚づつ作り、食器棚一つと、本棚、クローゼットを各部屋に作った。そのあとはキッチンだ、流しとコンロは鉄と少しの金を混ぜあわせて作った。それらを家に設置していく、どんどんと家らしくなってきた。


 「よし、あとは風呂と工房だけだな。なにか欲しいものはあるか?」

 「いや、ない」

 「私も大丈夫ですよ~」

 「お心遣い感謝します。ですが私も大丈夫です」


 そういうので俺は家の近くにいくつかの木を組み合わせた高さ7メートル位の壁を4つたてると固定し、半分を屋根で覆う、そのあとで囲いのなかに更に屋根の半分の位置に敷居を作ると外と面している部分にはシャワーわ桶、椅子などを10セット用意した。さはに外には穴を掘り、そこの側面と底に木を敷き詰めた。

 お風呂の中央に台を作り底にお湯が出る効果を付与した鉄のボールをおいて固定した。これでだいたいお風呂は完成だ。

 あとは脱衣場にかごを置いて完成だ。お風呂は露天風呂で、脱衣場と合わせた全体の広さは縦30メートル、横15メートルのそこそこ広いものができた。


 「あ、あぁ私って死んでたんだな」

 「そうみたいですね、私も死んでるみたいです・・・」

 「そうよね、でねぇとこんなのさすがにあり得ないよな」

 「そうですよ~、短い人生だったな~」


 そんな事を呟いているカリナにナユリ、さすが私の間宮様だ。と感心しているホムラ。ホムラはともかく後の二人の表情はとても面白かった。


 「お~い、二人ともまだ生きてるぞかえってこ~い」


 そう言うと虚ろながら二人が顔を向けてきた。


 「ところで間宮さんは何者ですか、これさすがに人のできることじゃないですよ」

 「そうだなまだいってなかったか俺はな・・・」


 俺は二人にカリナとしたのと同じ事を説明した。


 「そうだったんですか、道理で凄いわけです」


 やはりこの二人もあまり驚いてはくれなかった。


 (もう少し驚いてくれてもいいんだけど・・・)


 そんな事を思いながらかなり遅いお昼を食べた。

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