獣人区での戦い

お城へ帰ると少し寝ることにした。


 「間宮様お夕食のご用意が出来ましたので食堂までお越し下さい」


 俺はその声で目が覚めた。そして起きると食堂へ向かった。

 食堂に着くと既にラグナが席について待っていた。


 「すみません、お待たせしました」


 そう言うと俺は席について、ラグナの声で食事を開始した。


 「どうだい、準備は順調かね」

 「えぇ、それはとっても順調で怖いくらいですよ。それもラグナさんが素材を揃えてくれたお陰です、本当にありがとうございました。なにかあったら是非とも行って下さい、直ぐに駆けつけるので。」


 そう言うとラグナはあぁそうさせて貰うよと言うと食事を再開した。そうして食事を終えると今日は直ぐに寝ることにした。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 今日は朝食を食べ終えると直ぐにランベルトのところへ向かった。


 「久しぶり」

 「おぅ!昨日はすまなかったな」

 「いやいや急に行った俺が悪かった。今日はもうそろそろ準備が終わりそうだから、今までのお礼に来たんだ。

  今まで本当にありがとう」

 「なんだよおめ、これが最後みたいな言い方しやがって」


 そう言うとランベルトは少し涙目になって答えた。


 「よし、じゃあ今日は俺が町を案内してやるよ」


 こうして竜次達は町へ繰り出した。そして竜次はこの世界に来て初めての観光をするのだった。

 カフェに入ったり、大道芸のような物をみたり。買い物をしてランベルトの家で料理を教えて貰ったりして、充実した時間を過ごした。


 「よし今夜は獣人もいる区画の酒場で飲むか。あいつらは皆いいやつだから楽しいぞ」


 そう言うと俺達は獣人達が住む区画にある酒場に行った。


 「あ~ら~ランベルトちゃん久しぶり」

 「お!なんで来なかったんだよ」

 「もちろん今日は最後まで飲んでくんだよな」


 すごい賑やかだった。皆楽しそうである。来る途中でウサミミ少女に会ったとき思わず泣いてしまったが。なんかこのふいんきは好きだ。


 「今日はな友達を連れてきたんだよ」


そう言うとランベルトは俺を紹介すると酒とクルルの実という果物のジュースを頼んだ。そしてそれが届くと俺達は話始めて、今は昔のランベルトの話である。


 「でよ、こいつボロボロの服を来て廃棄物を食いに来たからよ、みかねた俺らが飯とジュースを与えたんだよ、そしたら泣いてお礼をいいながら食い出してよ。顔なんか涙と鼻水でグショグショて凄く汚くてな。それから俺らで服を与えてこの店で働かせたんだよ。それが十数年前の話だったかな。それが今はこんな立派になってよ」

 「やめてくれよ爺さん、恥ずかしいじゃねぇか」


 そんなふうに笑いながら抗議するランベルト。実楽しそうだ。

この人がランベルトという人を作ったんだな。と思うと少し羨ましくもなった。しかしその和やかなふいんきは一つの声によって壊された。


 「キャー!」


俺達はどうしたのかと思って外に出てみると複数人のナイフや剣を持った人達が獣人達に斬りかかっていた。


 「西側の者が騎士を倒して共存区に侵入した。外に出ているものは直ぐに建物の中に避難しろ」


 騎士の一人が大声を上げてこちらに向かってきた。その声で建物に入っていく人々、しかし当然恐怖で足がすくんで動けない者もいた。逃げ遅れた者にすかさず斬りかかる賊、宙を血が舞う。普段なら冷静に動けるランベルトだが、今回ばかりはそうは行かなかった。


 「お前達ふざけるなよ。俺の・・・俺の大切な人達の暮らす町でなにしてんだよ」


 そう言うランベルトには一切いつもの軽いふいんきはなく怒りに満ちた声で、今すぐ切り殺さんという眼差しを向けていた。


 「まてランベルトあいつらを殺してはダメだ。そもそも武器もなんにもないじゃないか、いくらお前でもこの人数は不利だ!」

 「知るか!殺してやる」

 「いやダメだ!なら俺が行く!」


 そう言うと俺は一歩前に出る、爺さん達におさえられ少し落ち着いてきたランベルトは渋々うなずくと仁王立ちをして、賊に視線固定させていた。そして俺は攻撃にでた。


 【換装】


 そう言うと竜次の全身が光に包まれ一瞬で太ももにはブリューナク。手にはプグヌス、服はラーブタバド靴は天馬靴グラビティーシューズにを纏った戦闘スタイルになった。それをみた賊は危険だと判断したのか、まとまって竜次に向かってきたが。それを瞬間移動で相手の後ろに移動して避けると、そのままスタンの効果を纏わせたプグヌスで相手を殴り付けていった。そして目にみえる敵全員を倒したところで、蔵から取り出したロープで縛り付けると、傷ついた全員に回復魔法"ヒール"をかけた。するとまをりから歓声があがり、拍手をしながら人々が建物の中から出てきた。


 「ありがとう、君のおかげで皆が助かったよ」


 そう言うとお爺さんがお辞儀をしてきた。そこで竜次はそんな事はないと言おうとした。するとどこから出てきたのかまだ残っていたらしい賊が人質をとって、首にナイフをあてていた。


 「お前達、動くんじゃねぇ!動いたらこの嬢ちゃんがどうなっても知らねぇぞ」


 そう言って脅してきた。捕まっている子をみるとその人はギルドでナイフを投げてきた女の人だった。しかしよくみると金髪の中にはツンとたった三角形の耳と、お尻の処からは毛で覆われた尻尾が見えていた。どうやら獣人だったらしい。

 俺は瞬間移動で相手の後ろに立つと、ナイフを持っている腕に手をおき、這わせるようにしてナイフに近づけながら同じに、首元からナイフを遠ざけた。そのあと手首を強く握り相手の腕を捻ってナイフを奪った。そのまま奪ったナイフを彼女を押さえつけている方の腕に突き刺し彼女が離れたのを確認すると、相手の内側に入り込み腕と腰をしっかり掴むと背中を向けて足を引っ掻ける。そしてそのまま腕を振り下ろす。柔道の技、大外刈だ。相手が動けないのを確認すると、他に残っている賊にいないかをしっかりと確認する。いないことを確かめると緊張をといた。


 「助かったよ、ありがとな」

 「いいさ、俺はあのままこいつらを簡単に殺すよりなにか刑を与えた方がいいと思っただけだから」

 「いや、あのままだったら本当にあいつらを殺しかねなかったから本当に助かったよ。

  にしてもよ、お前本当なにもんだよ!」


 そんな事になったので、俺は少しお城での出来事を話していた。するとさっきの捕まってた女の人がやって来た。


 「あのさ、その一様礼は言っとく。

  ・・・ありがとう」


 そう言うとうつむいてしまった。その姿に思わずギャップ萌えをしてしまった。


 「いいよ、(ぶふっ)気にしないで(ぶふっ)それよりも怪我はなかったか(ぶふっ)」


 (ヤバい私間宮竜次、敵の攻撃ではなくこのギャップに殺されそうです!まさしく"闇をも惑わす変身ナイトラピス"。

 は!なぜ今治った筈の中二病が・・・そういえばこの前の午後の記憶がないし、なぜか蔵の半分のマギアエルガレイオンの名前が中二チックなのもしやこの現象と関係があるのでは)


 そんな事を竜次が考えていると、突然鼻から血を出し恥ずかしさから顔を赤く染めてた竜次を彼女(名前なんだったっけか)が止血するためにあわあわしていた。


 そんなことがあったが正気に戻った竜次はとりあえずここ数日で行きなれた詰め所に彼らを預けてから城にもどって寝た

 決してそんな所には行き慣れたくなかっったが・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る