応接室で

「すみませ~ん。」

 「はい、なんですか」


 そう言って出てきたのは20代位の優しそうな顔つき押した男の人だった。


 「すみませんチンピラに絡まれて、ちょとカチッンときてやり過ぎちゃたかも知れないのですが。引き取って貰えませんか」

 「はい。では詳しく事情をお聞きしたいので中に来て下さい」


 そう言うと俺達は中へ通された。どうやら見回りなど担当中の騎士ではないとこういう処理はしてはいけないらしくランベルトもついていった。


 「え~っと、あったあった。どっかで見たことがあるなと思って調べてたんですけど、やっぱり・・・彼ら指名手配されてました。リーダーが魔法を使えるってことでなかなか捕まらなくて困ってたんですよ、有難うございます。

 えっと報酬が彼ら全員で銀貨5枚です。ご協力ありがとうございました」


 そういわれて俺は報酬を受けとると詰め所を出た。


 「なんか、覚めちまったし飯食って帰るか」


 ランベルトがそう言うと俺達は近くのレストランに入った。そこでご飯を食べると直ぐに部屋に戻りこの日はもう寝ることにした


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 今日は午前中は服を揃えて午後は皇帝陛下に謁見をして魔術士団への入団の報告をする予定だ。


 「さ、いよいよ今日から忙しくなるぞ、覚悟しとけよ~」

 「覚悟はしてるさ、でもさすがに初日から皇帝の謁見は辛いよ」


 そんな事をいいながら詰め所の応接室に来た。なぜ応接室かというとここでニヒルと待ち合わせをして今日の細かい予定を聞くからだ。ニヒルは俺達が着いたすぐあとに到着した。


 「改めて自己紹介をしよう、今日からあなたの上官となる。宮廷魔術士団第二団団長ヒナタ=ニヒルだよろしく。これからは"ニヒル団長"と呼ぶように」

 「お、じゃあ俺も、宮廷魔術士団第三団団長ランベルトだ。俺はランベルトでいいぞ」


 俺も一応改めて自己紹介をした。


 「ランベルトさっきのはなんだ!上官なら上官らしくせんと、いざというとき統率がとれなければどうする」

 「バカか、俺の団は皆が家族なんだからとれないわけがないだろ、むしろお前のガチガチのほうがいざというとき動けなくなると思うんだがな」


 またいい争いを始めた。本当に仲がいい、


 「おめぇそれよりも今日はやることがあんだろうがよ」


ランベルトがそう言うと、不満そうな顔をしながら説明を始めた。一通り今日の予定を聞くと、聞いているだけで疲れてしまった。


 まず俺達は服を買いに行った。てっきり高そうな服屋に行くのかと思ったら。高そうなのは合っていたがそこは服屋ではなく武器屋であった。ここで採寸を行うと作っている間に武器を選ぶように言われた。とりあえず俺は火薬と鉄塊を買った、時間があったら作りたいものがあるのだ。

 そうこうしていると直ぐに服はでき上がった。ニヒル団長曰く防御に優れており、なおかつ見た目も良いため謁見のときに着用するもとしてちょうどいいそうだ。ちなみにこれは宮廷魔術士団の全員が貰うらしい。買うのではなく貰うのだ!これらの費用は全て帝国が出してくれるというのだからビックリだ。

 そして次に団長に会い、4人で食事を済ませると遂に皇帝への謁見に向かった。


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 「あの今更ですが凄い緊張してきました」

 「おめぇ本当に今さらだな。諦めろ」


 そう言うとランベルトは肩をとんとんしてきた。そして大きな扉の前に着いた。扉にはこれでもかと意匠が施されており、皇帝の権力を表しているようだった。扉の前の人が俺の存在を確認すると扉に向かって声を張り上げた。そして扉が開き俺はうつむきながら三人のあとについて行き膝まずいたところで、俺もそれに習い膝まずく。


 「レヴィナス皇帝陛下、間宮竜次を連れて参りました」


 ランドゥーセン団長がそう言うと皇帝は顔を上げるように仰られた。俺はテンプレ通り髭のはやしたおじさんを想像したが違った。顔を上げるとそこにいたのは20代後半だろうか、若いがとても強い覇気をまとった人がいた。


 「お初にお目にかかりますレヴィナス皇帝陛下、この度宮廷魔術士団に入団させていただくことになりました。間宮竜次と申します」

 「ほぅ、そなたが間宮かずいぶんと若いのだな・・・」

 「陛下、」

 「おうすまない、

  我レヴィナス帝国第17代皇帝ラグナ=マクロイド=レヴィナスの名において、そなた間宮竜次の宮廷魔術士団入団を許可する」

 「は、この身に余るありがたきおことば」


 入る前に言われた通りの言葉を返してこの場は終わる、はずだった・・・


 「ついては団長各位と間宮は後で我のもとに来るように」


 そういわれると俺達は謁見の間をあとにした。俺は動揺のあまりでるときに躓いてしまったが、さすがに団長達は動揺する素振りすら見せずに平然と出ていったやはり凄い人達だ。いや、もしかしたらこれが普通なのかも知れない。


 「やべぇ、なんかやらかしたか」


 前言撤回、普通の人でした。


 「ランドゥーセン様、ニヒル様、ランベルト様、間宮様、皇帝陛下が、応接室でお待ちですのでお越し下さい」


 そう言うと執事らしき人が先頭に案内をしてくれた。


 「陛下、4名をお連れいたしました」

 「入れ」


 そう言うと扉が開き、さっきより覇気が薄くなった皇帝陛下が待っていた。執事はメイドを呼ぶと人数分のお茶を用意させ、恭しくお辞儀をすると出ていった。


 「いや、いきなりよんですまないね。

  あぁそんなに気を張らなくていいよ。この後の公務はキャンセルしたから、少し話に付き合ってくれないか。あと私のことはラグナとよんでくれ、これは命令だ」


 皇帝陛下はニコニコしながらそういった。いきなり名前で呼ぶことを命令されてしまった。確かに命令されなければ断っていたが・・・

 ラグナがそう言うとランベルト達は一気に気が抜けたように、友達のような感じの表情になった。


 「今回君達を呼んだのは、歴史上4人目のとび級とも呼べる入団をした君と話して見たかったからなんだよ。いくつか質問していいかな」


 そういうので俺はOKした。


 「じゃあまず、君は誰から魔法を学んだんだ?」

 「え~っと、なんというか」


 竜次がいいよどんでいると代わりにランベルトが答えた。


 「聞いて驚け、この前魔法書を読んだだけなんだぜ」

 「ほぅ、もともと使えたとかではなくてか」

 「そうなんだよ、なんせ竜次は異世界から来たんだかよ」


 そこまで言ってランベルトはしまったという顔をした。


 「ほほぅ、異世界からか詳しく聞かせてくれないか」

 「いいですよ。別に隠しているわけではないので」


 そう言うと竜次は日本という国について、またその世界には魔法はなく、科学というものが発達しているということ。そしてこの世界に飛ばされた経緯について話した。


 「そうか、じゃあ君はその本を今持っているか」

 「いえ、でも部屋に戻ればあります。なんならすぐなんで今から取っ手来ますよ」


 そう言うと竜次はランベルトの部屋に瞬間移動で戻った。少し戻るまで道をたどるのに苦労したが、30秒程で応接室まで戻ってこられた。

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