転移したら
竜次は見知らぬ場所で寝ていた。
そこは少し高くなっている丘で、そこからは町がみられた。徐々に意識が覚醒して行き彼は気がついた。
それは彼の見慣れた日本の風景ではなかった、それどころか地球の風景ですらないように思えた。
そこに見える町並みは、一番奥に大きなお城がそびえ立ち、規則正しく並んだ家々がみてとれた。
お城は我々がイメージする日本のものではなく、アニメやお伽噺でみるようなものだった。
また家々は煉瓦造りのようなものが多く、中には広い庭のようなものが付いたものもみてとれた。他にはコロッセオようなとても大きくとても目立つ建築物があった。
「な、なんだこれー!!」
彼は驚きすぎて、尻餅をついて、その場に座り込んでしまった。
そして見上げた先の天にはメラメラと燃え盛る大きくて、赤く、丸いものが2つ出ていた。それは竜次の記憶にある太陽と、とてもよく似ていた。
いや、太陽そのものであった。
なんとこの世界には太陽が2つあったのだ。
また最も驚いたのがドラゴンである。
この世界にはアニメや、マンガでみるようなあのドラゴンが飛んでいたのである。
そして竜次はショックを受けて、2日間飲まず食わずで過ごした。そしてショックのせいで、幸か不幸か彼の中二病は治ってしまった。
恐るべし異世界パワー
3日後、やっとのことでショックから立ち直った竜次は町へ行くことを決意した。いや、このような事から2日で立ち直れたのは素晴らしい精神力だと思う。しかし2日間飲まず食わずだったせいで、体力が大幅に落ちていた。辛うじて一緒に転移されていた鞄に入っていた栄養補給用の食べ物と水を飲んでなんとか歩けるようにった。そしてしばらくしてからやっとのことで町へ向けて歩きだした。
彼が今持っているものは、自らが書いたイタイ魔法書と、これまたイタイナイフのみであった。ここだけの話食べてから出発するのに時間がかかったのは、中二病が治り恥ずかしさから悶え苦しんでいた為であったのをここに記しておく。
町まではそんなに距離がなく、日が暮れる前には着くことができた。
また道すがら見つけた小川でペットボトルに水を補給して飲んだり、薮のなかに見つけた彼好みの黒くて美しい花をいくつか採集し、ひとつを胸ポケットに挿して歩いた。
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町には難なく入ることが出来た。しかし数分歩いたところで彼は直ぐに迷ってしまった。いや、迷ったわけではない、知らない町で道もわからないのだから。
そしてしばらく歩いているといつの間にか路地に入り込んでしまった。すると道の奥から大きな声を出している人と、複数の走っている音が近づいてきた。
奥からはいかにも悪そうな男3人が走ってき、更にその後ろからは鎧を身に纏い、腰には両刃幅広の剣を携えた如何にも私騎士ですよという格好をしている人が走ってきた。すると追われていると思われる男達が懐から丸い玉を取り出し後ろに叩きつけた、玉は叩きつけられると同じに凄まじい音と煙を出しながら弾けとんだ。
煙幕のせいで騎士達の動きが遅くなってしまった、すると男達はこちらに来てしまった。
「&@-#¥$$=+¥¥#%>~~&#%~=¥¥}.'^¥^」
などと何か言ってきたがそもそも言葉がわからない、ただ相手がこちらに害意を持っているということだけは何故か伝わった。
彼は平和な世界で育ってきたせいで怖くて動けなくなり、その場に固まってしまった。まさに絶対絶命である、そこえ男達がすかさずナイフを取り出し切りかかってきた、彼は怖くなって目を瞑ってしまった。が、いつになっても痛みは襲ってこないので彼らが行ったのかと安堵して目を開くと、そこにはゆっくりとナイフを振り上げて走ってくる男達の姿があった。ふと彼は思ったそういえば町にくるまでも全く疲れなかったことを、そして軽く走って見ると、男達の横を通り過ぎてしまった。彼は頭はよかったらそして気がついた。この世界の重力が地球よりも軽いということに。男達は唖然としてこちらをみて、そのうちリーダーらしき一人がなにやら指示を出し男二人が襲いかかってきた。彼は一瞬考えると今度は加減をして男の前に一瞬で行くとアゴヒゲアザラシを掠めるように殴った、すると男は直ぐに倒れ残りの二人も続けざまに倒した。そこへ図ったかのようなタイミングで煙幕から抜け出した騎士がやって来た。
「ご協力感謝する!ついてはあなたにも詰め所まで同行して頂きたいのだがよろしいだろうか」
彼は頷くと騎士達についていった、なぜならこのままここを歩いていても仕方がないからである。またこのとき彼は気がついていなかったが、何故か言葉が通じていたのである。まぁそれはこの後直ぐにわかることなのだが。
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詰め所に着いた竜次はまず協力のお礼として金貨30枚を貰った。どうやら彼らはお尋ね者だったらしく懸賞金が懸かっていたそうだった。
(そういえばなんで俺は彼らと話が出来ているのだろうか)
すると相手から答えが帰って来た
「お前そんなことも知らないのか」
(え!なんで答えられんだ!?もしかして声に出てたかな、それにしてもこの人がなんか騎士っぽくない)
等と失礼なことを考えたりしていた。
「騎士っぽくなくて悪かったな!それになわかるのなんてお前このペンダントのおかげに決まってんだろ」
どうやら今まで会話が出来ていたのはあのペンダントのおかげらしい、もはや凄すぎて怖かったりする。
でも道理でさっきの男達とは会話ができなかった訳である。記憶にある限りあの男達はペンダントをしていなかったし、
そして俺は決めたなんとしてもあのペンダントを入手しなければと、この世界に来て言葉が伝わらなく、読み書きも出来ないのではふべんだからである。
「あの、そのペンダントってどこに行けば買えますか」
「お!それならこれから俺非番だから連れてってやるよ、ちょっと外で待っててくれや、あと俺のことはランベルトって呼んでくれや。」
そう言うと彼は詰め所の奥へ入ってしまった、しばらくすると鎧を外したランベルトがやって来た。
「待たせたな、そういゃお前は何て言うんだ?」
「あ、すみません、間宮竜次といいます」
「そうか、じゃあ竜次いくぞ!」
というと直ぐに歩き始めた。
その店は近くにあった。店の前に行くと竜次は不安になった、なぜならその店が周りの店とは違い外装から高級感醸し出していたからだ。
「ランベルトさんひとつ聞いていいですか」
「なんだ竜次、その他人行儀な呼び方はよせ、ランベルトでいいよ、」
なんとも気さくな人である、ホント騎士とは思えないんだが。
「じゃぁランベルト、俺さっき貰った金しか持っていないから、こんなにも高そうな店だと、お金が足りないと思うんだが・・・」
「なんだお前、お金の価値も知らねぇのかよ、そんだけありゃ十二分だよ」
ほんとかな~
竜次が心配するのも当然の話である、そもそも彼はこの世界にきてお金を初めての持ったのだから。
「しゃぁない俺が教えてやんよ」
で、聞いた話によるとこの世界のお金には五種類あるらしく
上から王金貨>白金貨>金貨>銀貨>銅貨というのがあるらしく、銀貨は銅貨100枚分で、金貨は銀貨10枚分、どうやらここまでが平民の持つお金かだそうで、白金貨以上は貴族や大商家ぐらいらだそうだ、白金貨は金貨100枚文で、王金貨にいたっては白金貨1000枚分だというのだから驚きだ、そもそも王金貨は金貨とはいっても、金ではないらしく、神聖石オリハルコンという素材でできているらしく、神聖石はそのものが高価なものらしく、そのため枚数じたいも少ないらしい。
そんなことを聞いて安心してお店に入ると竜次は絶句した
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