9.『シガレット』


「アルクス早く起きてもう出発するよ!」

ん………コノハの声が聞こえてくる、なんだ?目を覚まし辺りを見るとコノハが頬を膨らませて俺を見ている

「どうした?コノハ」

目を擦りながら、コノハに尋ねるアルクス


「どうしたじゃないよ!今日は、出発の日でしょ!」

「え…?あ、そうだ今日出発の日だ」

そう思いながらも、二度寝をしようとするアルクスにコノハがベットから引きずり落とす。

床が、激しい音を立て、軋む


「「うるさいわよ!朝から!」」

下の階の、おばさんが怒鳴っている声が聞こえてきた。

「おい……」

「すいません」

そう、言いながらアルクスに頭を下げるコノハ

「ま、目が覚めたから良かったけど」

「でしょ!」

「おい」

「すいません」

また、頭を下げるコノハ


「おーーいアルクス、コノハ早くしろー先に門の前まで行ってるからなー」

セイジの声が一階から聞こえて来る。


「「はーい」」


素早く、着替えを済ませ。

一階に降り、ご飯を食べ急いでコノハと門へ向かう


「「「遅い」」」

三人とも、飽きれた顔だ…


「すいません…」

「はあ……」

アルクスの事を、死んだ魚の目で見るセイジ



「もうしません」

三人に土下座するアルクス



こうして、俺たちの冒険が始まった____________



俺達の冒険が始まって、一日が立ち未だモンスターさえ見ずに東の草原地帯『ディフォルダ草原』へ到着した

この場に、『ディフォルダ草原』と言う名前が付いたのは、1000年ぐらい前に居た勇者が魔王を倒した後この地に『聖剣ディフォルダ』を埋めたからと言う伝説が残っているかららしい。

十年位前に、『聖剣ディフォルダ』の発掘が始まったが未だに何も見つかって居ないらしい。


「アルクス〜喉乾いた〜」

子供の様に、わがままを言いながら歩く、コノハ


「もうそろそろ、『シガレット』が見えて来ると思うからもう少し我慢しろ」

「はーい」


『シガレット』とは、『ディフォルダ草原』の中心部に位置する、大きな街の名前である。

昔は、魔王軍の領土だったらしいが勇者が魔王を倒して以来、人類の領土となった。

今は、貴族がその美しさに惚れ街は貴族の街と呼ばれている。



数分歩いていると、大きな街が見えて来た。


「シガレットが見えたぞ」


「「「「おお!」」」」


大きな橋が架かり、賑やかでとても綺麗で幻想的な街


「さすが、貴族の街と言うだけあって綺麗だな!」

セイジが、楽しいそうにウキウキしながらアルクスに話しかけて来る

「ああ!予想以上だったよ」

感激を押さえられず皆んな一斉に街へ向かって走って行った。

アルクスを、置いて…………


「テレポート…」




「ハアハア、疲れた…」

アイスが、息を切らしながら呟く

「皆んな、居るか?」

「うん、てっアルクスは?」


「「あ………」」



「よう、お前ら遅かったな」

アルクスが、笑いながら四人に後ろから話し掛ける


「「あ、あれえ?」」


「どうしてこんな早いの!?一番最初に着いたのはセイジだったのに!」

アイスが、驚愕しながらアルクスに話し掛ける


「え?ああ…まあ色々とね…そうだ、宿探そうよ」

アルクスが、無理矢理話を変える、浮かない顔のセイジ、アイス、シリウス

コノハは、俺が『テレポート』を使ったのを分かっている様で少しにやけていた。

コノハは、俺の耳元で小さく

「ズルイですよ『テレポート』なんて、私でも出来ないのに」

「悪い悪い」

ぷー、とすねながら俺を睨むコノハ


「じゃ、じゃあ街を回って良い宿があったらそこに泊まろう。あ、でも安いとこね」

アルクス達は、ろくにモンスターを倒さないでこの街に来た為、お金がもうゼロに等しい所まで来ていた。


「「了解」」


街の、市場には美味しそうな果物、お肉、野菜が並んでいた。

よだれを垂らしながらも、お金が少ない為我慢しながら進んで行くアルクス達…



その後、宿をさがしたが貴族の街だけあって安い宿が無くギルドの隅で毛布にくるまり五人で寝た________

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あの時、ダンジョンで見た剣士は幻か? 瑠奈 @Re_zeroRemu1207

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ