7.『裏切り』
恐怖……と言っても、中には色々な恐怖がある。死ぬ恐怖、殺される恐怖…………
俺は、今その2つの恐怖を同時に感じている。
『おおおおお!!!!…………』
攻略部隊は、聖騎士が突破した砦の門へ向かって突っ走っている。叫びながら………
砦から、弓矢が放たれた。
何人もの、兵士が倒れもがいて、叫ぶ、助けたい………でも………それが許されない。ただ…門へ向かって走る、全力で止まる事無く。何メートル走っただろう?俺達の部隊は、1人も死者を出さずに、砦に到着した。
砦内は、乱戦状態で何がなんなのか分からない……
「と、とりあえず、戦うのは最低で階層主の部屋へ向かおう」
俺が、指示を出す。
『了解!』
俺達は、砦の中にある建物の階段を駆け上がり、階層主の部屋を目指す。長い…とても長い階段……
最上階が階層主の部屋だ……俺達のパーティーが一番乗りで到着した。
「ハア、ハア、ハアみ、皆んな…少し息を整えたら入ろう」
「ああ、わかった」
セイジが、床へ倒れこむ。
他の皆んなも、コクコク頷いて、床に倒れこんだ。
皆んな、体力が消耗しきっている。正直、俺もう歩けないレベルに疲れていた。ここから、戦闘…………
ここは、仲間の到着を待つ方が良いな。
夜が、開け太陽が差し込む。俺達を、見ずに太陽は上へ上へあがる……金色に輝く………
なんで?誰も来ない……………?かなり待ったが誰一人として、現れない………。
「ちょっと、俺、見てくる」
そう言って、俺はその場を後にする。階段を降り、一階に着き外を見ると、悲惨で無残な光景が広がっていた。
腕…首…足…が無い死体や、体が半分無い死体もある……死体の山が…………出来ていた
嘘だろ、あれだけ居た兵士が全滅?
辺りを見渡すが生きている人は居ない、このダンジョンに俺達だけ……?
階段を急いで駆け上がり皆んなのいる場所へ戻り、下で見た事を報告した。
シリウスとアイスは、涙を流し。シンジは、落ち込んだ顔をしている。キララは笑っている?何故………?
これからどうすればいいんだ…階層主を倒すか?多分無理だろ…そもそも、こっちは5人なのに、向こうは…沢山いると思う……
とりあえず、ダンジョンから出るしかないか…でもダンジョン出口まで、500メートルはあるそこを走っていく?それも、走っている途中で確実にやられる、とすると……詰み?
え………俺達、死ぬの………?
やだ、まだしたい事も沢山ある。ここで死ぬなんて、
「まだ…助かる 皆んな諦めたら駄目……諦めたら、そこで終わる」
シリウスが、震えた声で、呟く
「シリウス……………」
そうだ、諦めたら終わる、最後まで、最後の最後まで……足掻こう全力で
「皆んな!諦めちゃ駄目だ!諦めたらシリウスの言う通りそこで終わる!!」
切り出した、アルクスの言葉に皆んながそれぞれの反応を見せる。
太陽が、沈みかかっていた俺達の心を照らしてくれた。
『帰ろう。』
前どこかで聞いた事がある、『ダンジョンには、秘密の隠し通路がある』と、その時は信じていなかった。
けど…今はそれにしか希望が無い
「皆んな、ちょっと聞いてくれ」
アルクスを中心に皆んなが集まり、アルクスが話しを始める。
「ダンジョンの隠し通路を使い、ここから抜け出そう」
アルクスの、言葉に驚愕する4人
「どういう事?アルクス?」
アイスが、首を傾げながら聞いてくる
「結構前に、誰かからは覚えて無いけど聞いたことがあるんだ、ダンジョンには隠し通路があるって…」
それが、本当ならダンジョンから出られる可能性がある。て言うか、今はそれに賭けるしか道は無い。
4人とも、難しい顔をしている。さすがに信じ難いかな………?
「で、でもそれが本当なら私達生きて帰れるかも」
アイスが、涙目で話す
そんな道がある確率の低い、それに加えて見つけられるかも分からない、探している途中でモンスターに見つかったら終わる。キツイよな…でも何にもしないんじゃ何も変わらない、
「探すしかないか…」
アルクスが、立ち上がり4人を見る。それは、強く、勇ましい、目………
「皆んな、見つけよう 通路を」
アルクスはアイス、セイジ、キララ、シリウスと視線を交わす。
なんか、心が温まる。
「まず、この砦から出なきゃ話にならない。まず、砦から出る事を優先しよう」
4人とも、コク、と頷いた。アルクス達は、穏便に塔から抜けだし、砦の門を目指す。
何故だ?モンスターが居ない…?居るはずのモンスターが一体も…
俺達は、無事門を抜け砦から素早く離れる。
「な、なんでモンスターが一体も居ないんだ?」
おかしい、何かが…。ーーーーーーーーーーーーー。
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