6.『二度目の恐怖』
「アルクス!起きて!大変です!」
朝早くから、キララが俺の部屋に入って来て、寝ている俺を揺さぶってくる。
はあー、まだ寝てたいのに……
「なんだよ、キララ」
気だるそうに返事をする俺
「朝ギルドから手紙が来て中を見たら、ダンジョン7階層完全攻略作戦 出兵書 だったんです!!」
「はあ!!??」
本当に言っているのか!?前の攻略作戦は、黒いフードを被った謎の女の子に助けられたが、階層の主はまだ倒せて居ない。今回はその主を倒す為の作戦……普通のモンスターであれだけ苦戦したのに、階層主……無理だ…俺だけが思っているわけじゃ無い、他のパーティーもそう思っているだろう。何故…何故そこまでして、ギルドは攻略しようとするんだ……でも、命令に背く訳には行かない。背くと、処刑または、無期懲役に罰せられる。
「キララ集合時間は?」
「今日の夜、6時頃前回と同じ、広場に集合、との事です!」
夜?何故だ?まだ、太陽が光っている朝の方が動きやすい筈なのに夜……?
「分かった……………」
午後6時俺達パーティーは、前回と同じ広場に到着した。
「結構〜いるな〜」
セイジが、驚いた顔で辺りを見渡す、
本当だ、かなりの人数がいる、前の2倍?ぐらい…かな?
「ねえ、アルクス…」
「なんだ?シリウス」
「階層主って強いの??」
「モンスターの5倍ぐらい…かな?」
「ふぇえ……」
シリウスが、力尽きた様に地面に倒れ込む。
「お、おい大丈夫か?シリウス?」
「う、うん」
「はあ、なんでギルドはこんな作戦を…」
何分か、経ってリーダーと思われしき女性が、皆んなの前へ出てきて大声で叫ぶ。
「注目ーー!!これから!階層主討伐作戦を開始する!!!」
『おおお!!』
周りに居る、人達が盛り上がっている。
はあ、とりあえず俺は、パーティー全員が死なずに帰えれる様に皆んなを引っ張って行かないと。
日が沈んだ、月が出ているので、真っ暗では無い。なのに、俺は空が真っ暗に感じた。不吉な風が俺の背中を押す、早く来いと急かしているかの様に………………
7階層入り口に到着した、攻略部隊は、タンクを先頭にし中へ入る。
中は前と、変わって……………………え?ダンジョンに砦?薄暗くて良く見えないが、確実に何かが立っている、とても、巨大な何かが……あの型は、砦で間違いないと思う。でも、あれを…ここ数日で?嘘だろ……
「ありえない…」アイスも、かなり驚いている。いや、俺達のだけじゃ無い皆んな驚愕としていた。
この、ダンジョンで何が起きてる?
「注目ーー!!」
リーダーが、声を上げる。
「今、入ってきた情報を説明する!偵察隊からの、連絡だ!このダンジョンに9階層、10階層の階層主が、いるとも連絡だ。」
は………………い?9階層、10階層主が7階層に?いや、いや、いや…………ふざけんな。
これでも、攻略すると言うのか…?無いだろ…これは、流石に死ぬ。多分…1人も生き残んないと思う。
体に力が、入らない。ああ、久しぶりだ、この感じ……「恐怖…だ…」
そんな事、を思っていると。上の方の方々の作戦会議が始まった。ーーーーーーー。
9
作戦会議が始まって、1時間が経過したが、まだ報告はない…遅すぎる…俺的にはさっさと退却してほしい。
ていうか、今まで人類は、力でモンスターに勝てなくても。知識や知能を生かしてモンスターと対等に戦ってきた、それを生かすのが今なんじゃないのか??なぜ、ただ適当に兵を死なす…この、考えることのできない、人間の皮を被った「ネズミどもめ……」俺の口からそんな言葉がこぼれる。
「聖騎士が来たぞ!!」声が聞こえた。ああ、そういうこと……聖騎士を待ってたのね。でも、聖騎士が来たところで、絶対攻略できると言う保証はどこにも無い。戦闘に死者は付き物だ。でも、その死者どれだけ出さないかが大切だと俺は思う…ダンジョン攻略…この作戦を考えた奴が恨めしい。最初の攻略で、沢山の命が、消えた。それを知っていないギルドの上層の奴らは、攻略さえすればいいと思ってこんな無謀な作戦を立てたに違いない。
「クッソ!!」
そんな、事を言いながらも結局作戦は開始した。
作戦は、こうだ。
聖騎士隊が、砦の門を突破して。砦内に侵入、そこから俺達…兵がそのあとに続いて、階層主を倒すそれが作戦だった…とても簡単な、俺でも理解出来る作戦……
「皆、死ぬなよ」
「ああ」
「ええ」
「はい!」
「うん」
皆の声が聞こえるそれと、同時に、リーダーの声がきこえた。
「戦闘開始!!」------------------------。
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